ウルトラワイドモニターは、アスペクト比が21:9の横に長いモニターです。従来のディスプレイより多くの情報を一度に表示できるため、作業領域の拡大やエンタメの臨場感向上などのメリットがあります。
ウルトラワイドモニターを購入する際は、サイズによる違いや性能について理解し、用途に合わせてスペックを選択することが大切です。
この記事では、ウルトラワイドモニターの特徴やメリット・デメリット、選び方のポイントなどについて解説します。
※ 製品の情報や価格は2025年9月9日時点の情報となります。
- ウルトラワイドモニターとは?
- ウルトラワイドモニターはおすすめ?メリットを解説!
- ウルトラワイドモニターは後悔する?デメリットを解説!
- ウルトラワイドモニターを有効に使える用途
- ウルトラワイドモニターの選び方とは?注目ポイントを解説
- 用途に合わせてウルトラワイドモニターを選ぶ方法
- マウスコンピューターのおすすめモニター
- まとめ:仕事・エンタメの質を上げるウルトラワイドモニター
ウルトラワイドモニターとは?
ウルトラワイドモニターは、アスペクト比が21:9の横長モニターです。一般的なモニターのアスペクト比16:9と比較して、高さが同じ場合は横幅が約1.3倍広くなっています。
横に長い形状なので、1つのディスプレイで多くの情報を表示できるのが特徴です。主なサイズ展開は29インチ、34インチ、40インチなどがあり、用途や設置環境に応じて選択できます。
また、横長の画面をより自然に捉えられるように、湾曲したウルトラワイドモニターも販売されています。
ウルトラワイドモニターはおすすめ?メリットを解説!
ウルトラワイドモニターのメリットは、次のとおりです。
・デュアルディスプレイよりスムーズにマルチタスクができる
・作業領域が広く仕事の効率が上がる
・コンテンツの臨場感・没入感が増す
メリットの詳しい内容について解説します。
デュアルモニターよりスムーズにマルチタスクができる
デュアルモニター環境では画面の間にベゼル(枠)があるため、視線移動のときに境界線が気になります。
一方、ウルトラワイドモニターは1つの画面でマルチタスクができるため、ベゼルによる視界の途切れがありません。
また、マウスカーソルの移動も画面間で途切れることなく連続的に行えるため、作業時のストレスが軽減されます。
複数のアプリケーションを同時に使用する場合でも、視線とカーソルの移動がスムーズに行えるためよりシームレスに作業ができるでしょう。
作業領域が広く仕事の効率が上がる
ウルトラワイドモニターは、横長の表計算ソフトや動画編集のタイムライン表示などに対応できるため作業効率が向上します。
たとえばExcelでは、横スクロールの頻度が減って大量のデータを一度に確認できるところがメリットです。
3つのウィンドウを並べても余裕があるため、資料閲覧・文書作成・Webブラウジングを同時に行えます。
また、プログラミングでは、コードエディタとプレビュー画面、参考資料を同時表示でき、開発業務の効率化が可能です。画面切り替えの手間が省けることで、集中力も維持しやすくなります。
コンテンツの臨場感・没入感が増す
ウルトラワイドモニターのアスペクト比は、シネマスコープ(映画のアスペクト比)と非常に近いため上下の黒帯がほぼ表示されません。
映画制作者が意図した横長映像をそのまま楽しめるため、映画館に近い視聴体験を得られます。
また、21:9に対応しているゲームでは視野角が広がり、従来では見えなかった範囲まで表示されるところがメリットです。人間の視界に近くなり、映像に包み込まれるような感覚を体験できます。
レースゲームやオープンワールドゲームでは、よりリアリティのある視点でプレイできるため臨場感も向上するでしょう。
ウルトラワイドモニターは後悔する?デメリットを解説!
ウルトラワイドモニターのデメリットは、次のとおりです。
・一般的なディスプレイより価格が高い
・広い設置スペースが必要
各デメリットを詳しく解説します。
一般的なモニターより価格が高い
同等サイズの16:9ディスプレイと比較して、ウルトラワイドモニターは製造コストが高くなる傾向があります。高解像度や高リフレッシュレートに対応している製品が多く、平均的な価格は従来のモニターより高いことが一般的です。
また、湾曲型ディスプレイの製造は高い技術が求められるため、平面ディスプレイよりもコストが高くなります。
さらに、市場での需要と供給のバランスから、ニッチな製品として価格が高めに設定される傾向もあるでしょう。ただし、製品数の多い34インチなどは3万円台の比較的安価な製品も増えてきています。
広い設置スペースが必要
ウルトラワイドモニターは横に長いため、より広いスペースが求められます。ベゼルを除いて34インチモデルで横幅約79cm、40インチモデルで横幅約93cmの設置スペースが必要です。
適切な視距離を確保するため、デスクの奥行きも60cm以上が推奨されます。ディスプレイとの距離が近すぎると、全体を見ずらく視認性の低下や目・首・肩などへの負担が増加する恐れもあるでしょう。
そのため、ウルトラワイドモニターを導入する際は、デスク環境の見直しや専用デスクの購入が必要になる場合もあります。または、VESA対応のモニターアームを使用すれば、省スペースで設置できるでしょう。
ウルトラワイドモニターを有効に使える用途
ウルトラワイドモニターを有効に活用できる用途は、次のとおりです。
表計算ソフトでの大量データ処理
プレゼンテーションの資料作成
データの分析・可視化
プログラミングでのソフトウェア開発 など
動画編集のタイムライン作業
画像編集での詳細なレタッチ
音楽制作のミキシング
CAD設計の図面作成 など
映画鑑賞での臨場感ある体験
ゲーミングでの没入感向上
ストリーミング配信を見ながらのWebブラウジング など
これらの用途では、ウルトラワイドモニターの広い作業領域が作業効率と体験の品質を向上させます。特に複数の情報を同時に扱う作業や、横方向の視野が重要な用途で真価を発揮するでしょう。
ウルトラワイドモニターの選び方とは?注目ポイントを解説
ウルトラワイドモニターを選ぶときの注目ポイントは、次のとおりです。
・モニターサイズ
・平面 or 湾曲(曲面)
・解像度
・応答速度
・リフレッシュレート
・色再現性・コントラスト比
・スタンドの調整機能
・インターフェースの種類・数
各ポイントの概要と選び方について解説します。
臨場感に影響する「モニターサイズ(29インチ・34インチ・40インチ)」
ウルトラワイドモニターのサイズ選択は、設置環境と用途のバランスを考慮することが重要です。各サイズの特徴やおすすめの用途は、次のとおりです。
|
サイズ |
横幅の目安 |
特徴 |
おすすめ用途 |
|
29インチ |
約68cm |
コンパクト、低価格 |
ライトユーザー、省スペース環境 など |
|
34インチ |
約79cm |
バランス型、製品数が豊富 |
一般的なビジネス・ゲーミング用途 など |
|
40インチ |
約93cm |
圧倒的な作業領域 |
専門性の高い業務、クリエイター など |
画面の見やすさに影響する「平面 or 湾曲(曲面)」
平面タイプは従来のディスプレイと同様の直線のモニターで、CADや画像編集など正確な直線表示が必要な作業に向いています。
一方、湾曲タイプは横に長いウルトラワイドモニターで自然な視覚や均一な視野角を得るためのもので、曲率(1000R・1500R・1800Rなど)によって包み込まれる感覚が異なります。
1000Rは、人間の視野に近い強いカーブで高い没入感を得られます。1500Rや1800Rはより緩やかな湾曲で、34インチの製品は1500R以上が多いです。
ゲーミングや映像視聴では湾曲タイプ、精密なクリエイティブワークでは平面タイプを選ぶとよいでしょう。
精細さや作業領域に影響する「解像度(WFHD・UWQHD・5K2K)」
ウルトラワイドモニターの主な解像度は、次のとおりです。
・WFHD(2,560×1,080)
・UWQHD(3,440×1,440)
・5K2K(5,120×2,160)
WFHDは29インチモデルに多く採用され、フルHDより約1.3倍の情報を表示できます。UWQHDは34インチで多く採用されており、文字の鮮明さと作業領域のバランスが優れた解像度です。
5K2Kは40インチなどの大型モデルに採用され、非常に広い作業領域を得られますがとても高価です。
高解像度モニターは、パソコンのグラフィックス(GPU)への負荷が増加します。ゲームやビジネス用途はUWQHD、クリエイティブ用途は5K2Kなど、用途に合わせて選択しましょう。
FPSなどのゲーミング用途で重要な「応答速度」
応答速度は画面の色が変化する速さを表し、ミリ秒(ms)で表記されます。数値が小さいほど残像感が少なく、動きの速い映像でもクリアな表示が可能です。
パソコンゲームでは、動きの激しいゲームでの勝敗に直結するため特に重要な要素となります。FPSやアクションゲームで敵の動きを正確に把握するためには、1ms以下のウルトラワイドモニターがよいでしょう。
一方、動画鑑賞や一般的なビジネス用途では5ms程度でも十分なので、用途に応じて選択しましょう。
ゲームには144Hz以上がおすすめの「リフレッシュレート」
リフレッシュレートは1秒間に画面が更新される回数で、Hz(ヘルツ)で表されます。主なリフレッシュレートは次のとおりです。
・60Hz
・100Hz
・144Hz
・240Hz など
一般的なモニターで多く採用される60Hzは、事務作業や動画視聴などで違和感なく使用でき、100Hzは軽いゲームやWebブラウジングでの滑らかさが向上します。
144Hzはゲーミング用途の基準となるリフレッシュレートで、240Hzは競技レベルのプロゲーマー向けです。
高リフレッシュレートのウルトラワイドモニターを使用するとゲームを有利に進められることもあるため、ゲーミング用途では144Hz以上、一般用途では60~100Hzを目安にしましょう。
クリエイティブな仕事で重要な「色再現性・コントラスト比」
色再現性は色域規格で表され、以下のような種類があります。
・sRGB:一般的なWeb・印刷用
・Adobe RGB:高品質な印刷用
・DCI-P3:映像業界の標準規格
クリエイティブ用途でウルトラワイドモニターを使う場合は、上記の規格において100%に近いカバー率を持つ製品がおすすめです。高いカバー率を持つウルトラワイドモニターは、写真編集や動画制作、Webのデザイン制作などで高い色再現性を提供してくれます。
コントラスト比は明暗の差を表し、数値が高いほど映像のメリハリが向上します。HDR(High Dynamic Range)に対応していると、高コントラストの映像が楽しめるでしょう。
設置の自由度に影響する「スタンドの調整機能」
スタンドの調整機能が豊富なウルトラワイドモニターは、設置の自由度が高まります。調整の方法は次の3種類です。
・高さ調整
・チルト(角度調整)
・スイベル(左右の首振り)
長時間作業時での疲労を軽減するには、適切なモニター位置の調整が重要です。人間工学に基づいたデザインや調整幅の広いスタンドを搭載したウルトラワイドモニターは、多様な環境に対応できます。
VESA規格に対応している場合は、市販のモニターアームとの組み合わせで更なる自由度の向上も可能です。
利便性に影響する「インターフェースの種類・数」
HDMI・DisplayPort・USB-Cなど、複数の端子に対応したウルトラワイドモニターは、汎用性が高く機器の変更にも対応しやすいでしょう。
HDMIとDisplayPortは映像出力に対応し、同世代ではDisplayPortのほうがより高解像度・高リフレッシュレートの映像を出力できます。
映像出力に対応しているUSB-Cを搭載している場合は、ケーブル1本で映像出力とノートパソコンへの給電が可能です。
使用したいポートや接続したい機器の数などを明確にし、条件を満たすウルトラワイドモニターを選びましょう。
用途に合わせてウルトラワイドモニターを選ぶ方法
用途に合わせて注目するべきスペックを認識することで、購入後の失敗を回避できます。エンターテイメント・ビジネス・クリエイティブの各用途で注目すべきスペックとその理由を、次の表でまとめました。
|
用途 |
注目スペック |
理由 |
|
エンターテイメント用途 (ゲーミング・映画鑑賞 など) |
応答速度 |
残像感を抑えゲームがプレイしやすい |
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リフレッシュレート |
滑らかに映像を表示できる |
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解像度 |
高精細な映像を楽しめる |
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湾曲タイプ |
没入感と臨場感を向上する |
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ビジネス用途 (オフィスワーク・プレゼンテーション など) |
画面サイズ |
複数ウィンドウを同時に表示できる |
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インターフェース |
多様な機器との接続に対応できる |
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スタンドの調整機能 |
長時間作業での疲労を軽減できる |
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スピーカー内蔵 |
Web会議やプレゼンで使いやすい |
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クリエイティブ用途 (動画編集・グラフィックデザイン など) |
画面サイズ |
広いタイムラインや詳細な表示に対応できる |
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解像度 |
高精細な編集作業ができる |
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色再現やコントラスト |
正確な色表現で品質が向上する |
ウルトラワイドモニターを選ぶ時はパソコンのスペックも確認!
ウルトラワイドモニターを導入する際は、パソコンのスペックも確認しましょう。UWQHDや5K2Kの高解像度や高リフレッシュレートに対応できるグラフィックス(GPU)であるかの確認が必要になります。
スペックが不足すると、フレームレートの低下・動作の遅延・カクつきなどが発生し、ウルトラワイドモニターの性能を十分に活かせません。
また、インターフェースの対応状況も重要です。特に、ゲームなどで高解像度・高リフレッシュレートを出力するためには、HDMI 2.1・DisplayPort 1.4以上の規格に対応したパソコンが推奨されます。
ノートパソコンの場合は、外部出力できる解像度の上限確認も必要です。仕様書で、最大出力解像度をチェックしましょう。
マウスコンピューターのおすすめモニター
マウスコンピューターでは、一般向けやゲーミングモニターなど多数のモニターを取り扱っています。
※ 製品の情報や価格は2025年9月9日時点の情報となります。
34インチのおすすめウルトラワイドモニター「ProLite XUB3493WQSU-B6」
| パネル種類 | IPS方式パネル(ノングレア) |
| サイズ | 対角:86.7cm (34型) 21:9 |
| 信号入力コネクタ(デジタル) | DisplayPort × 1 / HDMI × 2 |
| 昇降機能(高さ調整) | 可動範囲 上下150mm |
| 通常価格 (税込) |
55,990円 |
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ProLite XUB3493WQSU-B6
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「ProLite XUB3493WQSU-B6」は、34インチUWQHD(3,440×1,440)解像度を採用したウルトラワイドモニターです。
広視野角と色再現性に優れたIPSパネルを搭載し、画面の隅々まで安定した視認性を確保できます。また、一度に多くのデータを閲覧したい事務系作業はもちろん、画像や映像を扱いクリエイティブ作業にも適しています。
さらに、昇降(高さ調整)・チルト・スウィーベル機能に対応したスタンドを採用しており、使用環境に合わせてセッティングができます。
応答速度が速いおすすめゲーミングモニター「G-MASTER GB2770HSU-B6」
| パネル種類 | IPS方式パネル(FAST IPS) ノングレア |
| サイズ | 対角:68.6cm (27型) 16:9 |
| 信号入力コネクタ(デジタル) | HDMI × 1 / DisplayPort × 1 |
| 昇降機能(高さ調整) | 可動範囲 上下150mm |
| ピボット機能(画面縦回転) | 左右回転90° |
| 通常価格 (税込) |
29,920円 |
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G-MASTER GB2770HSU-B6
この製品を詳しく見る
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「G-MASTER GB2770HSU-B6」は、動きの早いゲームをプレイしやすい27型・16:9のゲーミングモニターです。素早い状況判断が求められるFPSなどは、ウルトラワイドモニターより16:9の製品のほうが画面内の動きを把握しやすく、プレイしやすい場合があります。
180Hzのリフレッシュレートと0.2msの応答速度に対応し、遅延のない滑らかな映像でのゲームプレイが可能です。また、黒レベル調整やガンマ補正機能を備えており、視認性を高めることもできます。
まとめ:仕事・エンタメの質を上げるウルトラワイドモニター
ウルトラワイドモニターは、従来のモニターに比べて高い作業効率と没入感を得られる点が魅力です。ただし、一般的なモニターより高価で広いスペースが必要になります。
製品を選ぶときは、画面サイズや形状(平面・湾曲)、解像度や応答速度、リフレッシュレートなど、用途に応じて細かくチェックすることが大切です。
また、パソコンの性能や接続端子の対応状況も確認しましょう。用途に合う製品を購入することで、マルチタスク作業の効率化やエンターテイメント体験を向上できるでしょう。
マウスコンピューターでは、ウルトラワイドモニターを含め多様なスペックのモニターを販売しています。詳しいラインアップは、下記の公式サイトからご確認ください。
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