Excelを使って効率的に文字列を結合する方法をご存じですか?
複数のセルを結合したい場面は、Excelではよくあります。特にリストの整理やデータ入力の際、適切な関数を活用すれば、作業時間を大幅に短縮できます。
この記事では、基本的な「&」演算子から、より便利なTEXTJOIN関数まで、5つの方法を詳しく解説します。
Excelで文字列を結合する5つの方法
Excelで文字列を結合する方法を一覧に整理しました。それぞれの方法の特徴や使用する関数を比較しながら、目的に合った最適な方法を選んでください。
▼各方法をクリックすると、記事内の説明まで移動することができます。
方法 | 説明 |
使用する関数や機能 |
---|---|---|
1.「&」演算子を使う | シンプルな方法で、セルの内容を直接結合できる | =A1&B1 |
2.CONCATENATE関数 | Excel 2013 以前のバージョンで使用されていた関数で、複数のセルを結合可能 | =CONCATENATE(A1," ",B1) |
3.CONCAT関数 | Excel 2016 以降のバージョンで推奨される関数で、複数セルを簡単に結合できる | =CONCAT(A1:A5) |
4.TEXTJOIN関数 | 区切り文字を指定しながら複数セルを結合できる | =TEXTJOIN(",",TRUE,A1:A5) |
5.セルの結合機能を使う | 見た目の整理に便利だが、計算には不向き | 「セルを結合して中央揃え」ボタンを使用 |
1|「&」演算子を使う:シンプルにセルを結合
Excelで文字列を結合する際、最も簡単に使えるのが「&(アンパサンド)」演算子です。
例えば、A1セルに 「Hello」、B1セルに 「World」 という文字列が入力されていて、C1セルに結合した文字列を表示したい場合は、C1セルに「=A1&B1」と関数を入力します。
この関数を入力すると、C1セルには「HelloWorld」と表示されます。
もし間にスペース(空白)を入れて「Hello World」にしたい場合は、「=A1&" "&B1」と関数を入力します。
2|CONCATENATE関数:旧バージョンの結合関数(Excel 2013以前)
Excelでは、CONCATENATE(コンカティネート)関数を使うと、複数の文字列を簡単に結合できます。
例えば、A1セルに「Hello」、B1セルに「World」という文字列が入力されている場合、C1セルに「Hello World」と表示したい場合は、C1セルに「=CONCATENATE(A1," ",B1)」と関数を入力します。
3|CONCAT関数:Excel 2016以降で推奨される結合関数
CONCAT(コンカット)関数は、CONCATENATEの次世代版です。セル範囲(A1:A5など)をまとめて指定できるので、より簡単に使うことができます。
例えば、A1セルに 「Hello」、B1セルに 「World」、C1セルに 「!」 という文字が入力されている場合、A2セルに 「HelloWorld!」 を表示したいときは、A2セルに「=CONCAT(A1:C1)」と関数を入力します。
A1セルに 「Hello」、C3セルに 「World」、D1セルに 「!」 と結合したいセルが連続していない場合、A2セルに 「HelloWorld!」 を表示したいときは、A2セルに「=CONCAT(A1,C3,D1)」と関数を入力します。
4|TEXTJOIN関数:区切り文字を指定しながら結合可能
TEXTJOIN(テキストジョイン)関数を使うと、区切り文字を指定して複数のセルを結合できます。
例えば、A1セルに 「Hello」、B1セルに 「World」、C1セルに 「!」 という文字が入力されていて、値の間にカンマ(,)を入れて結合しA2セルに 「Hello,World,!」 を表示したいときは、A2セルに「=TEXTJOIN(",",FALSE,A1:C1)」と関数を入力します。
さらに、区切り文字の後にTRUEを設定すると、空白セルを除外できます。
例えば、A1セルに「Hello」、B1セルが空白、C1セルに「World」が入力されている場合、通常の結合では「Hello,,World」のように空白セルの影響で余計なカンマが入ってしまうことがあります。
しかし、「=TEXTJOIN(",",TRUE,A1:C1)」と関数にTRUEを入れることで「Hello,World」 と空白セルを無視した文字列が表示されます。
5|セルの結合機能を使う:表のレイアウト調整に便利
セルの結合機能は、複数のセルを1つのセルとして表示でき、表のデザインやタイトルのレイアウト調整などに役立ちます。
例えば、表のタイトルを作成する際に、「名前」「学年」「点数」などの項目を一つの大きなセルにまとめて視認性を向上させることができます。
使い方は簡単で、結合したいセルを選択し、「セルを結合して中央揃え」ボタンをクリックするだけです。
ただし、セルを結合すると左上のセルの内容のみが保持され、他のセルのデータは消えてしまいます。
データが消えてしまう問題を防ぐ方法はいくつかあります。結合前に対象のセルの内容を別のセルにコピーして保存しておけば、後から手動で復元できます。
また、先にセルを結合してからデータを入力することで、情報を失うリスクを減らすことができます。
セルの結合はデータの計算や並べ替え(ソート)などの機能が制限されるため、使用する場面には注意が必要です。計算や分析を行いたい場合は、結合ではなく「テキスト結合の関数」などを活用する方が適しています。
文字列の結合でよくある問題とその解決策
文字列を結合する際に、よくある3つの問題とその解決方法をご紹介します。
Q. 文字列を結合する際に、途中に改行を入れることはできますか?
- A. CHAR(10)を活用すると結合した文字列の間に改行を入れられます。
- 例えば、=A1&CHAR(10)&B1のように設定すると、セル内で改行が反映されます。
ただし、このままでは改行が表示されないことがあります。その場合は、「ホーム」タブ内にある「折り返して全体を表示する」ボタンをクリックすると、セル内で改行が正しく適用されます。
Q. TEXTJOIN関数で複数のセルを結合するとき、特定の値を除外する方法はありますか?
- A. SUBSTITUTE関数を組み合わせることで、特定の値を除外して結合できます。
- 指定した範囲の文字列をカンマで区切り、さらに特定の文字「-」を除外して結合したい場合、=TEXTJOIN(",",TRUE,SUBSTITUTE(A1:A10,"-",""))のような設定が有効です。
Q. セルの結合と文字列の結合はどう違う?
- A. 「セルの結合」は複数のセルを1つのセルとしてまとめる機能ですが、「文字列の結合」はセルの中のデータを結合する方法です。
- セルを結合すると、左上のセルの内容だけが残り、他のセルのデータは削除されます。一方、TEXTJOIN関数や&演算子を使うと、セルのデータを失わずに文字列を結合できます。
まとめ
Excelで文字列を結合する方法はいくつかありますが、目的に応じて適切な手法を選ぶことが重要です。
シンプルな結合には「&」演算子、複数のセルをまとめるにはCONCATやTEXTJOIN関数が便利です。
セルの結合機能は表のレイアウト調整に役立ちます。適切な方法を活用し、効率的にデータを整理しましょう。