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【感染したらどうなる?】他人事ではないランサムウェア攻撃|一般ユーザーも意識・対策すべき理由とは

【危険!】他人事ではないランサムウェア攻撃|一般ユーザーも意識・対策すべき理由とは

 近年、誰もが聞いたことあるような大手企業がランサムウェア攻撃の被害に遭ったというニュースを耳にする機会が増えました。

 多くの方は「企業だけの問題」と感じるかもしれませんが、実は一般ユーザーも決して無関係ではありません。自宅のパソコンやスマートフォンにも、同様にランサムウェア被害のリスクが潜んでいるのです。

 この記事では、ランサムウェアとはなんなのか、なぜ個人でも注意が必要なのか、そして今日から実践できるランサムウェア対策をわかりやすく解説します。

 

ランサムウェアとは?

 ランサムウェアとは、感染したパソコン内にあるローカルデータを暗号化して見たり使ったり出来なくし、「元に戻したければ身代金を支払え」と要求するマルウェア(悪意あるソフトウェア)の一種です。攻撃者はデータを人質にして金銭を要求することから、“ランサム(身代金)”という名がついています。

 一般的な感染経路は主に次の3つです。

・メールやSMSなどの添付ファイルやリンク(請求書/宅配通知/ポイント付与を装うものなど)

・正規サイトを模した偽サイトへのアクセス(限りなく本物のサイトに似せた偽サイト)

・感染したUSBメモリや外付けストレージの利用

 企業だけではなく、個人の写真・文書・家計簿などが暗号化されるケースも実際に発生しています。また、個人事業主などのパソコンを狙い、大手企業に攻撃を仕掛けるサプライチェーン攻撃なども増加しています。

 昨今、ランサムウェアの被害が急増している背景には、生成AIの登場があげられます。生成AIの活用により、攻撃者は迷惑メール本文の精度が上がってしまったことで、本物のメールと見分けがつきづらくなっているのです。

なぜ一般ユーザーも狙われるのか

 攻撃者にとって、個人情報は立派な“金銭価値”のあるデータです。SNSアカウントやクレジットカード情報、住所録などはブラックマーケット(法律で記載されているものを非合法的に売買する市場)で取引されることもあります。

 個人ユーザーは企業と比べてセキュリティ対策が甘くなりがちな点も、狙われやすくなる要因です。

 最近では「サブスクリプションの自動更新に失敗しました」「宅配便の再配達を確認してください」といったメールを装い、偽のリンク先に誘導して感染させる手法が多いです。

 手口がどんどんと巧妙化しており、また偽サイトの完成度も高いため、ある程度の知識があっても見分けがつかないことが増えてきました。誰でもランサムウェア被害に遭う可能性があるため、“自分も狙われるかもしれない”という意識を持つことがとても大切です。

感染を防ぐための3つの基本対策

 被害を防ぐためには、まず次の3つの基本を心がけましょう。

OSとソフトを常に最新の状態に保つ

Windows Updateやアプリの更新には、セキュリティの脆弱性を修正するパッチが含まれています。更新を後回しにせず、定期的にチェックして実施しましょう。

不審なメールやリンクを開かない

送り主が不明なメール、ファイル拡張子が「.exe」や「.zip」の添付ファイルには要注意。特に有名企業を装うメールが増えています、内容は慎重に確認してください。

定期的にバックアップを取る

外付けHDDやクラウドにバックアップを保存しておけば、万が一感染してしまっても大切なデータを守れます。

もし感染してしまったらどうすればいい?

 万が一、身代金を要求する画面が表示された場合でも、絶対に金銭を支払わないようにしましょう。支払ってもデータが復旧される(戻ってくる)保証はなく、むしろ再び標的にされる危険があります。

 まずはネットワーク接続を切断し、ウイルス対策ソフトでスキャンを実施。復旧が難しい場合は、セキュリティ専門業者や警察(サイバー犯罪相談窓口)に相談することをおすすめします。

Q&A

Q. ランサムウェアに感染しても、お金を払えばデータは戻るの?
  • A.ほとんどの場合、支払ってもデータは戻りません。
  • 再び標的にされるリスクも高まります。まずはネット接続を切り、セキュリティ業者や警察に相談しましょう。

 

Q. 無料のウイルス対策ソフトでも防げますか?
  • A.一定の防御効果はありますが、十分ではありません。
  • リアルタイム保護や不審な通信のブロック機能が限定されることがあります。できれば信頼性の高い有料版、またはWindows標準の「Microsoft Defender」を最新の状態で使うことをおすすめします。

 

Q. バックアップはどれくらいの頻度で行えばいいですか?
  • A.理想は週1回程度ですが、頻繁にファイルを更新する場合は毎日でも構いません。
  • 写真や仕事用データなど、失うと困るものは定期的に外部ストレージやクラウドに保存しておくと安心です。

まとめ:日常の注意で被害を防げる

 ランサムウェアは企業だけでなく、一般ユーザーも標的になっています。ですが、どういった感染経路が多いのかをしっかりと把握し、「システムやソフトは常に最新に」「不審なメールなどのリンクやファイルを開かない」「データのバックアップを定期的にする」の3点を習慣化すれば、被害の多くは防止できるでしょう。

 ”自分は大丈夫”と思わず、いつ自分が被害にあってもおかしくないことを意識し、日常を過ごすだけでも大きな予防になります。まずはできることから、一歩ずつ対策していきましょう。