手書きのスケッチや簡単なラフ画を元に、新しいイラストを作り上げる。こうした創作のプロセスにおいて、AIをひとつのパートナーとして活用する選択肢もあります。
今回は、Microsoftが提供するAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」を使い、実際にマウスで描いたラフ画をアップロードし、AIとの対話を通じて一枚のイラストを仕上げていく過程をご紹介します。
- AIで画像編集を始めるための準備(Copilot編)
- AIでラフ画を清書する方法
- AIで画像に要素を追加しつつタッチを揃える方法
- AIで画像のシチュエーションを編集する
- 生成AIを利用する際の注意点
- 番外編:AIでイラストを3D風に編集してみた
- 画像生成でよくある質問
- まとめ:AIとの対話で広がる創作体験
AIで画像編集を始めるための準備(Copilot編)
Copilotは、Windows 11を搭載したパソコンでは、タスクバーの「Copilotアイコン」から起動できます。
また、キーボード操作(Windowsキー+CキーやCopilot専用キー)で起動できる環境もあります。
これらが利用できない場合でも、Windows 11 以外のパソコンを含め、ブラウザからCopilotの公式サイトにアクセスすることで利用可能です。
Copilotで画像生成機能を利用するには、原則としてMicrosoftアカウントでのサインインが必要です。
※ 一部の機能は、利用状況やアカウントの種類によって制限される場合があります。
AIでラフ画を清書する方法
今回は、パソコンに標準搭載されている「ペイント」アプリを使い、マウスで作成した簡単なラフ画を元にします。この絵をCopilotに読み込ませて、清書に挑戦してみましょう。

Copilotに画像をアップロードして指示を送る
Copilotの入力欄にある画像アイコン、またはチャット画面へのドラッグ&ドロップでラフ画をアップロードし、「光源を左上に」「カラーに変更して」といった詳細な指示(プロンプト)を入力しました。

生成された画像を確認する
しばらく待つと、画像が生成されます。元のラフ画が持っていた「髪の毛のハネ」といった雰囲気は残しつつ、鮮やかな色彩が加わった新しいイラストができあがりました。

AIで画像に要素を追加しつつタッチを揃える方法
次に、生成されたイラストに別の要素を加えてみます。ここでは、別途ラフに描いた「猫の絵」を追加したいと考え、その画像もアップロードしました。

猫のラフ画を追加して指示を出す
まず「添付画像の猫を追加して一緒に遊んでるシチュエーションにしてほしい」と伝えたところ、猫は追加されましたが、イラスト全体のテイスト(画風)が大きく変わってしまいました。

テイストを戻すための指示を出す
そこで「1回目の生成画像」と「猫のラフ画像」を同時にアップロードし直し、「左の画像のテイストはそのままで、この猫を追加してほしい」と指示しました。

改めて生成された画像を確認する
「1回目の生成画像」のテイストのままで「猫」が追加されました

AIで画像のシチュエーションを編集する
全体の雰囲気が整ったら、AIからの提案も取り入れながら背景などのシチュエーションを変えてバリエーションを楽しみます。
東京散策バージョンへ変更する
「テイストは変えずに、東京を散策しているシチュエーションに変更して」と指示。キャラクターの雰囲気はそのままに、東京タワーやスカイツリーが見える都会的な風景へと変化しました。

提案をもとに背景の変更と細かい修正を実施
Copilotから「浅草や渋谷、夜景などもできますよ」と提案があったため、「シチュエーションを浅草に変えて、女の子はスニーカーを履かせて」と伝えました。場所の変更と同時に、細かい修正も可能です。

背景は浅草の風景になり、キャラクターはスニーカー姿に変わりました。加えて、指示していなかった鞄が追加されていましたが、「スニーカーを履かせてほしい」という指示を、外出シーンとして解釈した可能性もありそうです。見た目としては問題ありませんが、ここでひとつ気づいた点があります。
画像生成後、AIはメッセージ上で「セリフは『浅草って楽しいね!』に変更しました」と回答していたのですが、実際の画像内の吹き出しは最初の指示どおり「今日は天気が良い!」のままでした。

このように、AIが「修正した」と回答していても、内容が画像に反映されていないケースがあります。実際に使ってみて、この点を理解しておくと次の指示が出しやすいと感じました。
AIの回答と画像が一致しているかは、生成結果を目で見て確認することが大切です。
生成AIを利用する際の注意点
AIによる画像生成を安全に楽しむために、以下の点に配慮しましょう。
元画像として読み込ませる素材は、ご自身で作成したものを使用してください。他人の作品を無断で加工・利用することは、著作権侵害にあたる可能性があります。
なお、Copilotの画像生成機能は、Microsoftの「Designer(デザイナー)」に関連する仕組みを活用しています。利用の際は、各サービスの利用規約を確認したうえで活用しましょう。
番外編:AIでイラストを3D風に編集してみた
以前レイヤー解説記事で作成した“くまのイラスト”をもとに、生成AIで3D風にアレンジしてみました。レイヤーを重ねて描いた平面イラストが、立体的な質感を持つとまた違った魅力が出てきます。

画像生成でよくある質問
Copilotでの画像生成にまつわる、よくある疑問をまとめました。
Q. 手描きのラフ画からAIで画像を作るのは難しいですか?
- A. いいえ、難しい操作は必要ありません。
- Copilotに描いた絵をアップロードし、どう変えたいかを言葉(プロンプト)で伝えるだけで、AIが内容を読み取って新しい画像を生成してくれます。マウスで描いた簡単な線画でも、色や光の情報を補ってくれます。
Q. 追加で指示を出したら、絵のタッチがガラッと変わってしまいました。
- A. AIは新しい指示を優先する傾向があるためです。
- AIは以前の雰囲気を忘れてしまうことがあります。その場合は「前の画像のタッチを維持して」と具体的に書き添えたり、以前の画像を再度一緒にアップロードしたりすることで、雰囲気を保ちやすくなります。
Q. AIが「直しました」と言ったのに、画像が変わっていないのはなぜですか?
- A. システム上の処理と画像生成の結果にズレが生じることがあるためです。
- AIの内部で「修正した」と認識していても、画像に反映されないことがあります。その場合は、より具体的な言葉に変えて指示し直すのが有効です。
まとめ:AIとの対話で広がる創作体験
今回のプロセスを振り返ると、AIは忠実な再現よりも「新しい提案」を得意としていることがわかります。
思うようにいかない部分も、AIとの「会話のズレ」として楽しみながら調整していくのがコツです。自分の描いた一本の線から想像もしなかった景色が広がる体験を、ぜひ試してみてください。

