HDMIは映像・音声・制御信号を1本のケーブルで伝送できるデジタルインターフェースです。テレビ・パソコン・ゲーム機などで広く採用されており、非常に便利なインターフェースとして普及しています。
しかし、HDMIには性能や機能性の異なる複数のバージョンがあるため、それぞれの違いを理解したうえで選択することが重要です。
この記事では、HDMIの役割や用途、各バージョンの特徴、端子の種類、ケーブルの選び方などを詳しく解説します。
※ 製品の情報や価格は2025年9月14日時点の情報となります。
- テレビやパソコンで使うHDMIとは?
- HDMIの特徴とは?
- 【一覧表】HDMIの規格とは?各バージョンについて解説
- HDMI端子の種類とは?(タイプA・C・D)
- 用途に合うHDMIケーブルを選ぶ方法とは?
- HDMIポート搭載!マウスコンピューターのおすすめパソコン
- まとめ:HDMIとは映像・音声を伝送できる便利な規格
テレビやパソコンで使うHDMIとは?
まずは、HDMIの役割や活用される用途、その他の端子との違いについて解説します。
HDMIは「高品質な映像・音声を伝送するインターフェース」
HDMIは、「High-Definition Multimedia Interface」の略で、映像・音声・制御信号を1本のケーブルにまとめて伝送できる通信規格のことです。
従来のビデオケーブル・オーディオケーブルとは異なり、デジタル方式の非圧縮映像と音声データの両方を、1本のケーブルで送れる特徴があります。
HDMIの最初の規格1.0が策定されたのは、2002年です。その後20年以上にわたって進化を続け、2025年には「HDMI 2.2」が発表されています。
HDMIは電子機器の映像出力において標準的な接続規格として広く普及し、現在もテレビやパソコン、ゲーム機などで利用されています。
HDMIが活用される用途
HDMIは多様な用途で活用されており、接続する機器の例は次のとおりです。
パソコン
Blu-rayプレーヤー
AVアンプ
サウンドバー
ゲーム機
デジタルカメラ
ビデオカメラ
プロジェクター
スマートフォンやタブレット
ネットワーク接続ストレージ(NAS) など
たとえば、パソコンと外部ディスプレイを接続する際や、AVアンプとテレビを接続する際などに利用されます。
HDMIはプライベートからビジネスの場まで幅広く使われており、現代のデジタル機器には欠かせない接続規格となっています。
HDMIとDisplayPort・その他旧接続規格との違い
DisplayPortは、HDMIと同様に映像を出力するための規格です。パソコンや外部ディスプレイでよく使われていますが、HDMIはテレビの映像端子としても一般的なため、ゲーム機や映像機器の接続にも使われています。
使い分けについては、現状、DisplayPortは主にパソコンやディスプレイ向けの規格であり、テレビやゲーム機にはほぼ搭載されていないのが一般的です。
項目 | HDMI 2.2 | DisplayPort 2.1 |
---|---|---|
伝送速度 | 最大96Gbps | 最大80Gbps |
4K時のリフレッシュレート | 480Hz | 240Hz |
8K時のリフレッシュレート | 240Hz | 120Hz |
16K時のリフレッシュレート | 60Hz | 60Hz |
用途の違い | HDMIは汎用性が高い | 主にパソコンやディスプレイに搭載されている |
VGA、DVIなどの旧規格との違いは、アナログ信号ではなくデジタル信号を伝送することや映像と音声を1本のケーブルで同時に送れることです。
その汎用性の高さから、HDMIは多くの電子機器で採用されています。
HDMIの特徴とは?
HDMIの特徴は、次のとおりです。
音声と映像を1本のケーブルで伝送できる
4K・8K・16Kなどの高解像度に対応できる
フルデジタル伝送により情報劣化を防げる
著作権保護を目的とするHDCPに対応している
各特徴について、詳しく解説します。
音声と映像を1本のケーブルで伝送できる
HDMIは、映像と音声を1本のケーブルで同時に伝送できるところが特徴です。従来のアナログ接続では、映像用のコンポーネントケーブルと音声用のオーディオケーブルを別々に接続する必要がありました。
HDMIではケーブル1本で完結するため、配線がシンプルで機器同士の接続ミスも防げます。
ケーブル配線の簡素化により、AV機器のセッティングが容易になりました。テレビ台周りの配線もすっきりし、ケーブルの取り回しや整理にかかる時間も短縮されるでしょう。また、5.1chや7.1chサラウンドなどの立体音響にも対応しています。
4K・8K・16Kなどの高解像度に対応できる
HDMIは、高解像度で滑らかな映像に対応している点も特徴です。フルHD(1,920×1,080)や4K(3,840×2,160)、8K(7,680×4,320)など幅広い解像度に対応しています。HDMI 2.2では、16Kまでの解像度をサポートしています。
リフレッシュレート(60Hz、120Hzなど)は解像度によって変化し、たとえばHDMI 2.1では4Kなら120Hz、8K解像度なら30Hzまで対応可能です。
フルデジタル伝送により情報劣化を防げる
HDMIはデジタル伝送のため、アナログ映像信号のようにダビングを重ねることによる画質の劣化がおきません。アナログ伝送と比較すると、デジタル伝送は信号の劣化や外部ノイズの影響を受けにくい特性があります。
デジタル信号は1と0の情報で構成されているため、伝送途中でのノイズによる画質低下が起こりにくく、送信側と受信側で同品質の映像・音声を楽しめます。
著作権保護を目的とするHDCPに対応している
HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)は、デジタルコンテンツの不正コピーを防ぐための著作権保護技術です。動画配信サービスのNetflixやHuluなどは、著作権を保護するためにHDCPを採用しています。
HDCPに対応していない端子を使った場合、これらサービスの動画を視聴できないことや、画質が制限されることがあります。
HDCPにはバージョンがあり、保護レベルが異なります。たとえば、Netflixを4KまたはHDRで視聴するには、HDCP 2.2以降に対応していることが必要です。
【一覧表】HDMIの規格とは?各バージョンについて解説
HDMIの規格は、映像の高解像度化や機能強化を目的として継続的にバージョンアップが行われています。各バージョンの主な仕様と特徴は次のとおりです。
バージョン(カテゴリ名) | 最大解像度 | リフレッシュレート | 最大転送速度 | 主な対応機能 |
---|---|---|---|---|
HDMI 1.4(High Speed HDMI) | 4K(3,840×2,160) | 30Hz | 10.2Gbps | 3D映像/ARC/HEC |
HDMI 2.0(Premium High Speed HDMI) | 4K(3,840×2,160) | 60Hz | 18Gbps | HDR/BT.2020/32ch音声 |
HDMI 2.1(Ultra High Speed HDMI) | 8K(7,680×4,320) | 60Hz | 48Gbps | VRR/ALLM/eARC/QMS/Dynamic HDR |
HDMI 2.2(Ultra96 HDMI Cable) | 16K(15,360×8,640) | 60Hz | 96Gbps | LIP/HDMI CEC |
各バージョンでは下位互換性が保たれており、新しい規格のHDMIケーブルを古い機器に接続できます。ここでは、各バージョンの詳しい内容について解説します。
4K解像度にも対応した「HDMI 1.4」
HDMI 1.4は2009年にリリースされた規格で、4K(3,840×2,160)を30Hzまで対応したことが特徴です。従来のフルHD(1,920×1,080)から解像度が向上し、より精細な映像表現ができるようになりました。
新機能として3D映像に対応し、立体的な映像コンテンツの視聴ができるようになったのもポイントです。
また、テレビからAVアンプへ音声を送り返すことができるARC(Audio Return Channel)に対応し、配線の簡素化が実現されました。さらに、HDMIケーブル1本でネットワーク通信もできるイーサネット通信機能(HEC)も搭載され、機器間のデータ共有が便利になりました。
4K/60Hzに対応した「HDMI 2.0(a/b)」
HDMI 2.0は2013年にリリースされた規格で、4K(3,840×2,160)を60Hzで表示できるようになったバージョンです。従来の30Hzから倍速になったことで、4K映像をより滑らかに表現できるようになりました。
色域BT.2020に対応したことで、従来よりも広い色空間を表示でき、自然で鮮やかな色彩の映像を楽しめます。
また、明暗差の表現力が向上するHDR(High Dynamic Range)に対応し、よりリアルな映像体験ができるようになりました。音声面では32チャンネル音声・最大1,536kHzサンプリング周波数に対応し、高品質なサラウンド音響を実現しています。
8K解像度に対応した「HDMI 2.1」
HDMI 2.1は2017年にリリースされた規格で、8K(7,680×4,320)を60Hz、4K(3,840×2,160)を120Hzで表示できる高い性能を持ちます。
帯域幅が48Gbpsに拡張され、次世代の高解像度映像に対応しました。新たに対応した機能には次のようなものがあります。
VRR(Variable Refresh Rate):
画面のティアリングやスタッタリングなどの映像の乱れを軽減する
ALLM(Auto Low Latency Mode):
ゲーム機接続時に自動で低遅延モードに切り替える
eARC(enhanced Audio Return Channel):
オーディオ機器間で非圧縮のロスレス音声やサラウンド音声を伝送できる
QMS(Quick Media Switching):
解像度やフレームレート変更時のブラックアウト時間を短縮する
16K解像度に対応した「HDMI 2.2」
HDMI 2.2は2025年にリリースされた規格で、16K(15,360×8,640)や12K(12,288×6,480)を60Hzで表示できます。帯域幅は96Gbpsと従来の2倍に拡張され、超高解像度映像に対応している点が特徴です。
しかし、現在それほどの高解像度ディスプレイは普及していないので、HDMI 2.1の性能で十分でしょう。
新機能として、複数の機器を接続したときの音声と映像の同期を改善するLIP(Latency Indication Protocol)が導入されています。
HDMI端子の種類とは?(タイプA・C・D)
HDMI端子の形状は用途に応じて3種類に分類されており、接続する機器によって使い分けられています。各タイプの特徴と主な用途は次のとおりです。
タイプ | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|
タイプA(標準) |
・テレビ ・パソコン ・ゲーム機 など |
最も一般的なHDMI端子 |
タイプC(ミニ) |
・タブレット ・デジタルカメラ ・ノートパソコン など |
小型機器向けのコンパクト設計 |
タイプD(マイクロ) |
・スマートフォン ・タブレット など |
最も小型な端子 |
タイプAは家庭用機器で多く採用されており、テレビ・デスクトップパソコン・ゲーム機・Blu-rayプレーヤー・プロジェクターなどで使用されています。
タイプCはポータブル機器での採用が多く、持ち運びを重視したコンパクトな設計です。タイプDは主にモバイル機器で使用され、一部のスマートフォンやタブレットに採用されています。
用途に合うHDMIケーブルを選ぶ方法とは?
用途に合うHDMIケーブルを選ぶには、次のポイントを確認しましょう。
HDMIの規格
HDMIケーブルの長さや柔軟性
コネクタの種類や形状
各ポイントの選び方について詳しく解説します。
1|HDMIの規格(カテゴリ)を選ぶ
HDMIの規格(カテゴリ)を選ぶ際は、必要な解像度やリフレッシュレート、機能などを明確にすることが重要です。ここでは、各項目について解説します。
必要な解像度・リフレッシュレートを明確にする
HDMIケーブルを選ぶ際は、使用する機器の出力解像度と目的とする映像品質を事前に確認することが大切です。
たとえば、4K 60Hzでの視聴を希望する場合はHDMI 2.0以上、8K 60Hzの映像を楽しみたい場合はHDMI 2.1対応ケーブルが必要になります。パソコンゲームはリフレッシュレートが重要になることが多いので、フルHD 240Hzや4K 120Hzに対応するHDMI 2.1以降を選択しましょう。
また、将来的にディスプレイやゲーム機をアップグレードする予定がある場合は、現在の用途よりも上位規格のケーブルを選んでおくと安心です。
必要な機能を明確にする
映像・音声の伝送以外の機能が必要な場合は、対応する規格のケーブルを選ぶことが重要です。eARCはサウンドバーやAVアンプから高品質な音声を出力したいとき、VRRやALLMはゲーミング時の遅延や画面のちらつきを防止したいときに役立ちます。
HDR対応は明暗差の表現力を向上させ、より自然で美しい映像を楽しむために重要な機能となります。ストリーミングサービスでHDRコンテンツを視聴する場合は、HDRに対応したカテゴリのケーブルを選択しましょう。
2|HDMIケーブルの長さや柔軟性をチェックする
HDMIのケーブルの長さは、設置環境に応じて選択しましょう。機器間の直線距離ではなく、実際の配線経路を考慮して選択することが重要です。
壁沿いや家具の隙間を通す場合は、測定距離よりも余裕を持った長さを選ぶとよいでしょう。また、5m以上の長距離伝送では信号減衰によるトラブルが起きやすくなるため、信号を増幅させるリピーターの使用を検討します。
ケーブルの柔軟性は、配線作業や機器の配置に影響を与える要素です。硬いケーブルは取り回しが難しく、狭いスペースでの配線や頻繁な機器の移動には不向きです。
一方、柔らかすぎるケーブルは耐久性に不安があるため、使用環境に応じたバランスの取れた製品を選ぶことが大切になります。
3|コネクタの種類や形状をチェックする
接続機器の端子タイプに合わせたコネクタを選択することも大切です。HDMIを接続したい機器がタイプA・タイプC・タイプDのどれなのか必ず確認しましょう。
コネクタの形状は、設置の柔軟性に影響します。接続機器の背面の状況を確認し、干渉しにくい形状を選択しましょう。たとえば、L字型コネクタは壁際の設置でスペースを確保しやすくなります。
また、金メッキ処理されたコネクタは酸化しにくいため、長期間の安定した接続が期待できます。
HDMIポート搭載!マウスコンピューターのおすすめパソコン
マウスコンピューターは、スペックを目的に合わせてカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しています。ここからは、HDMIポートを搭載したマウスコンピューターのおすすめパソコンをご紹介します。
※ 製品の情報や価格は2025年9月14日時点の情報となります。
1.HDMI & Mini DisplayPortに対応した「mouse A5-I7U01BK-A」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-12650H プロセッサー |
グラフィックス | インテル® UHD グラフィックス |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
パネル | 15.6型 液晶パネル (ノングレア) |
通常価格 (税込) |
109,800円 |
mouse A5-I7U01BK-A
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豊富な接続端子が魅力の「mouse A5-I7U01BK-A」は、外部ディスプレイとの接続性に優れた15.6型ノートパソコンです。
HDMI端子に加えてMini DisplayPortも搭載しており、複数のディスプレイを同時接続できます。ノートパソコン含め最大でトリプルディスプレイ環境を構築でき、作業効率向上に効果的です。
また、第12世代のIntel® Core™ i7 プロセッサーと16GBメモリを搭載しており、Microsoft Officeの利用や動画編集など多様な用途で活用できます。
2.AIタスクを効率化するビジネスモデル「MousePro G4-I7U01BK-D」
OS | Windows 11 Pro 64ビット ( PKIDラベル貼付対応 ) |
CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155U |
グラフィックス | インテル® グラフィックス |
メモリ標準容量 | 16GB (オンボード8GB + 8GB×1 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 256GB (NVMe) |
パネル | 14型 液晶パネル (ノングレア) |
通常価格 (税込) |
179,850円 |
MousePro G4-I7U01BK-D
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約969gの軽量ボディが印象的な「MousePro G4-I7U01BK-D」は、モバイルワークを重視するビジネスパーソンにおすすめの14型ノートパソコンです。
外出先でのプレゼンテーション時にはHDMI端子でディスプレイに接続でき、スムーズな資料共有ができます。また、映像出力に対応したThunderbolt 4端子を搭載しており、状況に応じた接続が可能です。
CPUはAIによるローカル処理を高速化する、Intel® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155U を搭載しています。さらに、バッテリー動作時間はアイドル時で約20.5時間あるので、終日の外回りでも安心です。
3.多様なインターフェースに対応したゲーミングモデル「NEXTGEAR JG-A7G70」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen™ 7 7700 プロセッサ |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
通常価格 (税込) |
219,800円 |
NEXTGEAR JG-A7G70
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|
ゲーミングパソコンの「NEXTGEAR JG-A7G70」は、4つの映像出力端子を搭載したモデルです。HDMIを1つ、DisplayPortを3つ搭載しており、接続機器に併せて選択できます。
グラフィックス(GPU)には、AI性能が強化されたNVIDIA® GeForce RTX™ 5070を採用し、快適なゲームプレイをサポートしてくれます。
メモリは標準で16GB、最大で64GBまで選択でき、高負荷な3Dゲームにも対応可能です。冷却システムにもこだわっており、長時間のゲームでもパフォーマンスの低下を抑制し、安定したゲーム体験を提供します。
まとめ:HDMIとは映像・音声を伝送できる便利な規格
HDMIは、映像・音声・制御信号を1本のケーブルで伝送できるデジタルインターフェースです。2002年に登場し、現在も進化を続けています。
4K・8K・16Kなどの高解像度に対応する他、フルデジタル伝送による信号の劣化防止や著作権保護技術HDCPへの対応などが主な特徴です。
HDMIには複数のバージョンがあり、それぞれ対応する解像度やリフレッシュレート、機能などが異なるため、用途に合わせて選択しましょう。
マウスコンピューターでは、HDMIやDisplayPort、Thunderboltなどに対応したパソコンを販売しています。製品情報の詳細は、下の公式サイトでご確認ください。