mouseLABO

CGとは?活用するメリットや各分野での活用例、制作ソフトウェアについて解説

CG活用のメリットと活用例イメージ画像

 CGはComputer Graphics(コンピュータ・グラフィックス)の略称で、パソコンを使って制作される画像や映像のことです。

 現在では映画やゲーム、広告、医療など幅広い分野で活用されており、現実では表現困難なシーンの映像化やコスト削減などのメリットがあります。

 AI技術の発展により今後もさらなる進化が期待される技術なので、基礎知識や活用例を押さえておくことをおすすめします。

 この記事では、CGの基礎知識や種類、活用効果や各分野での活用例などを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

※ 製品の情報や価格は2025年7月18日時点の情報となります。

 

CG(コンピューター グラフィックス)とは?

 CGはComputer Graphicsの略称で、コンピューターを使って作成される図形や画像、映像のことです。欧米ではCGI(Computer Generated Imagery)と呼ばれることもあります。

 実写映像は撮影した映像を編集したものですが、CGはパソコンなどのデバイスで描かれたものです。CGには画像や映像を作成する技術そのものという意味もあり、映画、ゲーム、広告、医療など幅広い分野で活用されています。

 専用のソフトウェアを使うことで本物そっくりのCGを制作でき、現在では映像表現で欠かせない技術となっています。

CGの種類とは?

 CGには、次の2種類があります。

・2DCG
・3DCG

 ここでは、それぞれの特徴や違いについて解説します。

2DCGの特徴

 2DCGはTwo-dimensional Computer Graphicsの略で、平面上に描かれるコンピュータグラフィックスのことです。

 主にラスター形式(ピクセルの集合体で画像を表現する)のペイント系ソフトとベクター形式(点を線でつないで画像を表現する)のドロー系ソフトを使用して制作されます。

 フラットなイラストやロゴデザイン、アニメなどに多く活用されており、紙に描いた絵をスキャンしてデジタル加工する方法と、ペンタブレットを使って直接描く方法があります。

 制作工程がシンプルで、初心者でも取り組みやすいところが2DCGの魅力です。

3DCGの特徴

 3DCGはThree-dimensional Computer Graphicsの略で、3次元空間内に立体的な物体を作成する技術です。仮想の3次元空間に立体物を配置し、2D情報に変換することで立体的に見せています。

 2DCGより立体感が出るため、実写のような高品質で精細なグラフィックスを制作することが可能です。

 映画の特殊効果やゲームのキャラクター、建築物の完成予想図などに幅広く使用されています。3DCGの制作には高度な技術と専門知識が必要ですが、表現の幅が広いところが利点です。

 

 

CGと関連技術との違いとは?(CAD・VFX・AI)

 CGと混同されやすい技術としてCAD、VFX、AIがありますが、それぞれ目的と用途が異なります。

 CADはComputer Aided Designの略で、コンピューターを用いた設計や製図を行う技術です。CGは視覚的な印象が重要であるのに対し、CADは中身の正確な寸尺が重要という点が異なります。

 VFXはVisual Effectsの略で、実写映像にCGや特殊効果を合成する技術です。VFXは実写とCGを組み合わせる技術で、CGは完全にコンピューターで作成される技術という違いがあります。

 AIはArtificial Intelligenceの略で、言語の認識や推論などができる人工知能のことです。AIはCG制作を支援するツールの位置づけで、CGそのものを置き換える技術ではありません。

 

 

 

 

CGの活用による効果

 CGの活用による効果は、次のとおりです。

・創作の自由度が広がる
・制作の手間・コストを削減できる
・コンテンツの質が向上する

 それぞれの効果を詳しく解説します。

創作の自由度が広がる

 CGを活用すると、現実世界では物理的に不可能な表現や架空の世界を映像化できます。重力を無視した動きや、魔法のような特殊効果も自由に表現可能です。

 空間の制約を受けずに、想像力を創作活動に反映できます。また、危険な状況や破壊的なシーンも安全に制作できるのも利点です。たとえば映画の爆発シーンや宇宙空間での戦闘、恐竜が活動する太古の世界など、実際には撮影困難なシーンがCGによって表現できます。

制作の手間・コストを削減できる

 実写撮影に必要な機材、ロケーション、人員などのコストをCGの活用によって削減できます。天候や時間帯に左右されず、いつでも理想的な条件での制作が可能です。

 CGであれば、撮影許可の取得や著作権の許可などの手続きが不要になる場合も多いでしょう。また、一度作成したデータは何度でも再利用でき、長期的なコスト削減効果もあります。

 さらに、試作も短時間で完成するので、制作プロセス全体の効率化も可能です。

コンテンツの質が向上する

 CGを使えば修正や変更が容易で、完成度の高い作品を効率的に制作できます。光の当たり方や色調、細かな質感などの調整ができ、思い描いた表現が可能です。たとえば映画の場合、実写のみで撮影する場合は取り直しが難しいシーンも発生しますが、CGであれば簡単に修正ができます。

 複数のバリエーションを短時間で作成でき、最適なパターンを選択できるのも利点です。また、近年では実写と見分けがつかないレベルの表現ができることも、質の高いコンテンツ制作につながっています。

CGが活用される分野とは?

 CGが活用される主な分野は、次のとおりです。

・イラスト分野
・アニメ分野
・ゲーム分野
・映画分野
・ビジネス分野
・医療分野

 各分野で活用されだした時期や、具体例を紹介します。

イラスト分野での活用

 イラスト分野では、1980年代中盤から活用されだしたといわれています。1987年にAdobe Illustratorが登場し、1990年にはAdobe Photoshopが発表されたことで本格的なデジタル化がはじまりました。

 2DCGソフトが広く使用されており、レイヤー機能による効率的な作画・修正が可能となっています。印刷物からWebコンテンツの制作まで幅広く活用され、現在では多くのイラストレーターがCGを活用して作品を制作しています。

 

 

アニメ分野での活用

 アニメ分野では、1980年代から本格的に3DCGが活用されはじめています。1995年には全編CGで制作された映画「トイ・ストーリー」が公開され、CGアニメの可能性が広く認知されました。

 キャラクターや背景の描写にCGが活用され、立体的で複雑な動きが表現されています。また、従来のセル画アニメーションにCGを融合させるなど、日本のアニメ表現を活かした作品づくりも進められています。たとえば、建造物などの複雑な部分をCGで制作して、人物は手書きで表現するなどの手法です。

 現在では、多くのアニメ作品でCGが活用されています。

ゲーム分野での活用

 ゲーム分野では、1990年代前半から本格的にCGが導入されはじめました。たとえば、アーケードゲームの「バーチャファイター」や「リッジレーサー」などがヒット作となり、ゲームにおけるCG技術が広く認知されています。

 ゲーム分野では、CGのリアルタイムレンダリングにより、プレイヤーの操作に応じて瞬時に映像が生成されます。

 また、物理演算との組み合わせにより、重力や衝突などで自然な動きが再現され、よりリアルなゲーム体験が提供されるようになりました。現在では多くのゲームタイトルでCG技術が使われており、実写のような表現ができるようになっています。

映画分野での活用

 映画分野では、1980年代に公開された「TRON」で本格的にCGが導入されはじめました。1990年代には「ターミネーター2」でVFX技術が活用され、「ジュラシック・パーク」では恐竜のリアルな表現に成功しています。

 また、危険なアクションシーンや爆発シーンなど、実写撮影が困難なところでCGが積極的に活用されています。架空の生物やキャラクター、壮大な背景などの表現にも活用され、ファンタジーの世界を現実のように描く作品も制作されました。

 現在では技術進化により、実写と合成しても違和感のない映画作品が制作できるようになっています。

ビジネス分野での活用

 ビジネス分野では、1980年代あたりからCADシステムとしてCG技術が活用されはじめました。現在では、建築物の完成予想図や企業の広告などに広く活用されています。

 建築物の完成予想図では、まだ建設されていない建物を立体的に表現して顧客への説明に活用されています。企業の広告やCMでも、CGを活用することで商品をより魅力的に見せたり、実写では困難な表現をしたりする際に利用されるようになりました。

 商品プロモーション時には、製品の内部構造や薬品の浸透過程など、実写では撮影困難な部分をCGで表現することで、わかりやすく商品の特徴を伝えています。

医療分野での活用

 医療分野では、患者に治療方法や症状を説明する際や、医療従事者の研修用などにCGが活用されています。

 患者への治療方法や症状の説明では、人体の内部構造や病理の状態をCGで可視化することで、医学知識のない患者でも理解しやすい説明ができるようになりました。

 医療従事者の研修用では、手術手順のシミュレーションやめずらしい症例などが可視化でき、技術習得の効率化が図られています。

CG制作の一般的な流れとは?

 CG制作の流れはプロジェクトの内容によって異なりますが、大まかな流れは次のとおりです。

STEP

企画やコンセプトを設計する
制作する映像の目的や内容を決定し、絵コンテなどで具体的な設計を行う

STEP

モデリングを行う
3次元空間で必要な物体や背景、キャラクターの形状を作成する

STEP

テクスチャ・カラーを追加する
モデリングした物体に色や質感を設定し、金属・木材・プラスチックなど素材に応じた表現を施す

STEP

アニメーションを追加する
キャラクターや物体に動きを設定する

STEP

レンダリングを行う

3次元データを2次元の画像や動画として書き出す

STEP

プラットフォームに合う形式でエクスポートする
最終的な使用用途に応じて適切なファイル形式で出力する

STEP

クオリティをチェックする
完成した映像の品質を確認し、必要に応じてレタッチや微調整を実施する

CG制作ソフトウェアには無料・有料がある

 CG制作ソフトウェアには無料・有料版があり、それぞれ機能性や使用目的などが異なります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

無料のCG制作ソフトウェア

 無料のCG制作ソフトウェアでは、Blenderが代表的な選択肢になります。Blenderはオープンソース方式で開発されている3DCGソフトウェアです。モデリング・アニメーション・レンダリング・スカルプティングなど、CG制作に不可欠な機能を備えています。

 プロの制作現場でも採用されており、ハリウッド映画にも利用されているほどです。日本語インターフェースに対応しており、初心者の方でも安心して取り組めます。

 また、豊富な拡張機能やプラグインにより、用途に合わせてカスタマイズできるのも魅力です。定期的なアップデートにより新機能が継続的に追加されているため、長期間にわたって活用できるでしょう。

 

 

有料のCG制作ソフトウェア

 有料のCG制作ソフトウェアでは、Mayaが業界標準として広く使用されています。Autodesk社が開発するこのソフトウェアは、ディズニーやピクサーなどの映画制作スタジオで採用されており、高度なアニメーション機能とVFX制作に対応できる性能を提供しています。

 有料ソフトウェアの利点は、プロ仕様のより高度な機能が利用できることです。本格的なCG制作やプロフェッショナルを目指す場合には、有料ソフトウェアの習得が推奨されます。学習コストは高くなりますが、CG制作の分野で活躍するために役立つスキルになるでしょう。

CG制作に!マウスコンピューターのおすすめパソコン

 マウスコンピューターでは、用途に合わせてスペックをカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しています。ここからは、CG制作におすすめのマウスコンピューターのパソコンをご紹介します。

※ 製品の情報や価格は2025年7月18日時点の情報となります。

1.シングルスレッド性能に高いCPUを搭載した「DAIV FX-I7G60」

DAIV FX-I7G60
OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル® Core™ i7 プロセッサー 14700F
グラフィックス NVIDIA® GeForce RTX™ 4060
メモリ標準容量 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD 1TB (NVMe Gen4×4)
通常価格
(税込)
264,800
DAIV FX-I7G60
この製品を詳しく見る

「DAIV FX-I7G60」は、シングルスレッド性能に優れたクリエイター向けデスクトップパソコンです。CPUにIntel® Core™ i7 プロセッサー(第14世代)を搭載し、高負荷なソフトウェアでも安定したパフォーマンスを発揮します。

グラフィックス(GPU)には、AV1ハードウェアエンコードに対応したNVIDIA® GeForce RTX™ 4060を採用し、エンコードの効率化を図れます。また、16GBメモリと1TB SSDを標準搭載しており、CG制作に挑戦したい初心者にもおすすめのモデルです。

2.AI性能が強化された「DAIV FX-I7G7T」

DAIV FX-I7G7T
OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル® Core™ i7 プロセッサー 14700KF
グラフィックス NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Ti
メモリ標準容量 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD 2TB (NVMe Gen4×4)
通常価格
(税込)
429,800
DAIV FX-I7G7T
この製品を詳しく見る

「DAIV FX-I7G7T」は、AI性能を重視したクリエイター向けデスクトップパソコンです。グラフィックス(GPU)にNVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Tiを採用し、AI処理を活用したCG制作で高いパフォーマンスを得られます。

また、32GBの大容量メモリと2TBのSSDを搭載しており、重い3Dデータの処理もスムーズに行えるでしょう。さらに、優れたエアフローを確保できる排熱設計により、長時間作業による性能の低下を抑制してくれます。

 

まとめ:CGはあらゆる分野で活用される技術!

 CGはエンタメやビジネス、医療など、さまざまな分野で活用される技術です。CGを活用することで、自由度の高い創作や制作コストの削減、コンテンツの質向上といった効果を得られます。

 AI技術との融合による発展も期待されており、今後はより活用の幅が広がるでしょう。CGの基礎知識を理解し、ぜひコンテンツ制作やビジネスへの利用を検討してみてください。

 マウスコンピューターでは、CG制作におすすめのクリエイター向けパソコンを販売しています。製品の詳しい情報については、以下の公式サイトからチェックしてみてください。

 

マウスコンピューターの製品をご購入いただいたお客様の声

法人のお客様向け
パソコンの導入をご検討中の法人のお客様へ
こんなお悩みをプロが解決!
 業務に適したPCの構成や選び方を知りたい
 複数台購入・支払方法について確認したい
法人のお客様向けメニュー