ゲーミングPCは精密機器なので、引っ越し時の扱いには注意が必要です。梱包や運搬を誤ると、データの消失やパーツの破損につながる恐れがあります。
事前にバックアップを取り、緩衝材などの資材を準備して慎重に作業を進めることが重要です。自分で対応するのが不安な場合は、引っ越し業者に梱包を依頼するのもよいでしょう。
この記事では、ゲーミングPCを安全に引っ越すための準備・梱包、引っ越し後の設置・確認のポイントなどについて解説します。
※ 製品の情報や価格は2025年5月20日時点の情報となります。
- ゲーミングPCの引っ越し前に準備すること
- ゲーミングPCの梱包方法と注意点
- 引っ越し後のゲーミングPCの設置と確認
- 引っ越しを機に買い替えたい!マウスコンピューターのおすすめゲーミングPC
- まとめ:ゲーミングPCの引っ越しは適切な準備と梱包が大切
ゲーミングPCの引っ越し前に準備すること
ゲーミングPCの引っ越し前に準備することは、次のとおりです。
・引っ越しの方法・業者を決める
・インターネット回線の移行手続きを行う
・データを外部ストレージに移行してバックアップを取る
・必要な梱包資材を用意する
・機材や配線の状況を撮影しておく
・電源を切りパーツや周辺機器を取り外す
それぞれ詳しく解説します。
1|引っ越しの方法・業者を決める
ゲーミングPCを引っ越しで梱包・運搬する方法は、自力で運ぶか、業者に依頼するかのどちらかになります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
自分で引っ越し作業を行う【壊れるリスクに注意】
ゲーミングPCを自分で引っ越しする場合、コストは抑えられますが、故障のリスクが高くなります。
まず、パソコン本体やディスプレイ(モニタ)に適した梱包資材を用意し、緩衝材でしっかりと保護しながら梱包する必要があります。
梱包の仕方が悪ければ、輸送中の振動や衝撃で内部パーツがずれたり、配線が断線したりする恐れがあるため注意が必要です。
特に、グラフィックス(GPU)やストレージは振動に弱く、破損しやすいパーツなので丁寧に扱う必要があります。
また、万が一故障しても、自分で運搬した場合は補償が受けられないためリスクの高い方法です。
引っ越し業者に依頼すれば梱包してくれる【ヤマト・サカイ・アート】
ゲーミングPCの引っ越しを専門業者に任せると、専用資材での丁寧な梱包と安全な運搬が期待できます。たとえば、実績の豊富な引っ越し業者は精密機器の取り扱いにも慣れている可能性が高く、ゲーミングPCも安心して任せられます。
費用はかかりますが、プロの技術でデリケートなパーツも保護してもらえるため、自分で運ぶよりもリスクは低くなるでしょう。
さらに、多くの業者では運搬中のトラブルに備えた補償制度が整っているのも魅力です。補償内容は会社ごとに異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。
次の表は、主な引っ越し業者のパソコンの梱包対応と、補償の有無をまとめたものです。
業者名 |
パソコン梱包対応 |
補償内容 |
ヤマト運輸 (パソコン宅急便) |
対応あり ※ 営業所への持ち込み、集荷依頼の場合 |
補償対応あり |
サカイ引越センター |
対応あり ※ デスクトップパソコンのみ。配線の取り外し・取り付けは自分で対応 |
補償対応あり |
アート引越センター |
対応あり |
補償対応あり |
※ 梱包対応や補償内容の詳細は、各業者にお問い合わせください。(2025年5月20日時点の情報です)
2|インターネット回線の移行手続きを行う
ゲーミングPCの引っ越しでは、インターネット回線の移行手続きも必要になります。まず、現在利用中のプロバイダに連絡し、引っ越し先で利用できるか、工事は必要かなどを確認しましょう。
引っ越し先で新たなプロバイダを利用する場合は、解約手続きと新規契約を早めに行う必要があります。
光回線は開通までに数週間から長ければ2ヶ月程度かかることがあり、手続きが遅れると引っ越し後すぐにインターネットを利用できない恐れがあります。
そのため、引っ越しが決まった段階で手続きを開始し、スムーズにネット環境を移行できるように準備しましょう。
3|データを外部ストレージに移行してバックアップを取る
引っ越し中の破損や紛失リスクに備えて、データのバックアップを取ることも大切な準備です。ここでは、バックアップ前のデータ整理やバックアップの方法について解説します。
1 データを整理する
データを整理しておくと、バックアップ作業を効率的に進められます。まず、ローカルに保存されているファイルを見直し、不要なデータを削除してストレージの空きを確保しましょう。
たとえば、古いインストーラーや一時ファイルなどは削除対象です。データ量が少ないほど、バックアップ・復元にかかる時間は短縮します。
次に、残すべきデータを種類や用途ごとにフォルダで分け、作業しやすい構成にしておきましょう。
こうしたデータの整理によって、バックアップ時間の短縮に加え、ストレージ容量の増加によるパフォーマンスの改善も期待できます。引っ越し準備の一環として、計画的に進めるとよいでしょう。
2 バックアップの範囲を決める
データを整理した後は、バックアップの範囲も決めましょう。重要なデータのみをバックアップする方法もありますが、安全性を重視する場合はシステム全体のフルバックアップがおすすめです。
フルバックアップを行う際は、まず重要なデータを個別にバックアップしておくとトラブル時のリスクを抑えらえます。
次に、バックアップに必要な容量を確認し、適切なストレージを用意しましょう。さらに、システムが起動しない場合に備えて、パソコンを工場出荷時の状態に戻してOSを再インストールする「回復ドライブ」の作成も検討してください。
3 バックアップで使うメディアを決めて実行する
バックアップには、外付けHDD・SSD、光学ディスク、クラウドストレージなどのメディアが使用できます。それぞれに特徴があり、保存したいデータ量や使用環境に応じて選択することが重要です。
たとえば、大容量のデータを保存するなら、転送速度に優れた外付けSSDが適しています。一方で、長期保管を前提とするなら光学ディスクも有効です。
また、クラウドはインターネット接続が必要ですが、場所やデバイスを問わずアクセスできる利便性を持っています。
各メディアのメリット・デメリットをまとめた表は、次のとおりです。
メディア |
メリット |
デメリット |
外付けHDD・SSD |
容量が大きく転送速度が速い(特にSSD) |
故障によるデータ消失の恐れがある |
光学ディスク |
物理的に保管できる |
容量が小さく書き込みに時間がかかる |
クラウドストレージ |
ネット環境があればどこでも使える |
通信環境に依存し、月額費用がかかる場合がある |
4|必要な梱包資材を用意する
ゲーミングPCを自分で梱包する場合、適切な資材を揃える必要があります。元箱が残っている場合は、それを最優先に使うほうが安全です。
パーツやディスプレイ(モニタ)などは衝撃に弱いため、十分な保護が求められます。必要な梱包資材と用途は次のとおりです。
・丈夫な段ボール:本体やディスプレイ(モニタ)の梱包に使う。箱とパソコンの間に上下左右それぞれ3~5cm程度のすき間ができるサイズが目安
・ガムテープ:段ボールを閉じるときに使用する
・取扱注意・割れ物注意のテープ:外箱に貼り注意喚起する
・スポンジ・発泡スチロール:本体を固定して揺れを防ぐ
・エアキャップ:パソコンや周辺機器を包んで保護する
・毛布:本体やディスプレイ(モニタ)の保護に使う。エアキャップの代わりにもなる
・静電気防止袋:マザーボードやグラフィックス(GPU)などデリケートなパーツを保護する
・静電気防止手袋:パーツ取り扱い時の静電気対策に使用する
これらの資材は、100円ショップ・ホームセンター・通販サイトなどで手軽に入手できます。
5|機材や配線の状況を撮影しておく
引っ越し後の再設置をスムーズに進めるために、配線や設置状況を撮影しておくとよいでしょう。背面の配線を写真に残すことで、再接続時に迷うことが少なくなります。
USB機器や外付けストレージが多い方は、どの端子にどのケーブルがつながっていたかを記録しておくとよいでしょう。
また、ディスプレイ(モニタ)が複数台ある場合は、全体の配置を撮影しておくとセットアップ時の参考になります。
さらに、外装の状態を記録しておけば、引っ越し業者の運搬時に破損が発生した際の証明にもなります。撮影はデジタルカメラを使ってもよいですが、スマートフォンでも十分です。
6|電源を切りパーツや周辺機器を取り外す
※ パーツの取り外しは自己責任でお願いいたします。
パーツや周辺機器を安全に取り外すには、まずゲーミングPCの電源を切り、電源ケーブルを抜いたあとに放電を行ってください。放電は、電源ケーブルを抜いた状態で電源ボタンを5~6回押し、30分以上放置します。
衝撃に弱いグラフィックス(GPU)やストレージなどは、あらかじめ取り外して個別に梱包するのもよいでしょう。とくにグラフィックス(GPU)は高価かつ繊細なため、静電気手袋を使って取り外して静電気防止袋に入れ、さらに緩衝材で包むと安心です。
取り外した機器にはラベルを貼り、どこに取り付けていたかを記録しておくと再設置が楽になります。
ただし、パーツの取り外しには破損や静電気のリスクが伴います。作業に不安がある方は無理に行わず、必要に応じて専門業者に相談するのも一つの方法です。
ゲーミングPCの梱包方法と注意点
引っ越し中の衝撃や振動からパソコンを守るためには、適切な梱包が必要です。
ここでは、ゲーミングPC本体やグラフィックス(GPU)、ディスプレイ(モニタ)や周辺機器の梱包方法や注意点について解説します。
ゲーミングPC本体の梱包手順
ゲーミングPC本体の梱包は、純正箱がある場合はそちらを使用します。付属の緩衝材を確認し、本体がしっかり固定されるように梱包しましょう。
純正の緩衝材を紛失しており、きちんと固定されていない状態で運搬すると、破損の原因になるため注意が必要です。
純正箱がない場合は、次の手順で梱包します。
ゲーミングPC本体と付属品を、それぞれエアキャップで二重に包む
段ボール箱の底に緩衝材を敷き、本体を入れる
本体と段ボールの隙間に新聞紙や緩衝材を詰めて固定し、ふたを閉じてガムテープで固定する
箱を軽くゆすり、中のゲーミングPCがきちんと固定されているか確かめる
段ボールの外側に「精密機器」「天地無用」などの注意書きを明記し、テープも貼りつける
これらの手順を踏むことで、輸送中の衝撃や振動からゲーミングPC本体を保護できます。
グラフィックス(GPU)の取り外しと保護
※ パーツの取り外しは自己責任でお願いいたします。
グラフィックス(GPU)は衝撃に弱く高価なパーツなので、取り外して個別に保護することもあります。
まず、電源を切り放電したあと、静電気防止手袋を着用してグラフィックス(GPU)を取り外しましょう。
その後、端子部分を十分に保護したうえで静電気防止袋に入れ、厚めのエアキャップや緩衝材で本体を包みます。ダンボールに緩衝材を敷き詰め、グラフィックス(GPU)を入れたあとにさらに緩衝材を詰めて梱包していきます。
購入時の箱などがある場合は、再利用してもかまいません。梱包したあとは、識別しやすいようにラベルを貼っておきましょう。
ディスプレイ(モニタ)や周辺機器の梱包方法
ディスプレイ(モニタ)やキーボードなどの周辺機器も、丁寧に梱包することで引っ越し中の破損を防げます。
ディスプレイ(モニタ)は画面を保護するため、タオルやダンボールを当てたうえで全体をエアキャップで包みましょう。
キーボードやマウスも個別にエアキャップなどで包んで段ボールに入れ、すき間に緩衝材を詰めます。
ケーブル類は結束バンドでまとめ、対応する機器と一緒に入れると再設置がスムーズです。
また、すべての機器やケーブルに名前を記したラベルを貼ることで、配線ミスを防げます。
引っ越し後のゲーミングPCの設置と確認
引っ越し後は、次の作業を行います。
・ゲーミングPCを設置してデータを確認する
・トラブルが起こった時はバックアップからデータを復元する
各作業の詳細や注意点を解説します。
ゲーミングPCを設置してデータを確認する
引っ越し後は、ゲーミングPCを設置して動作やデータの確認を行います。ストレージやグラフィックス(GPU)を取り外していた場合は、静電気防止手袋をつけて元通りに取り付けていきます。
次に、撮影しておいた配線写真を見ながら、ディスプレイ(モニタ)やマウス、キーボードなどを接続しましょう。
すべての周辺機器を接続したら、パソコンの電源を入れてOSの起動を確認します。
その後、ゲームソフトや保存データが問題なく動作するかを順にチェックしてください。
ゲーミングPCの買い替えや構成変更により初期設定を行う際は、こちらの記事 をご覧ください。
トラブルが起こったときはバックアップからデータを復元する
引っ越し後にゲーミングPCが起動しない、データが消えているなどのトラブルが起きた場合は、事前に取ったバックアップから復元しましょう。
データが消えてしまった場合は、外付けストレージやクラウドなどから必要なファイルを個別に復元します。
起動しない場合は、フルバックアップしたストレージを接続し、回復ドライブを使って環境やデータを復元しましょう。なお、フルバックアップから復元までに追加されたデータは、すべて削除されます。
作業中は電源を接続し、中断が起きないよう注意してください。
引っ越しを機に買い替えを検討している方は、こちらの記事 をご覧ください。
引っ越しを機に買い替えたい!マウスコンピューターのおすすめゲーミングPC
マウスコンピューターは、パーツの性能をカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しています。ここからは、買い替えにおすすめのゲーミングPCをご紹介します。
※ 製品の情報や価格は2025年5月20日時点の情報となります。
1.明るい印象が魅力の「NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen™ 5 4500 プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5060 |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe) |
通常価格 (税込) |
137,500円 |
NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)
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「NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)」は、明るく清潔感のあるホワイトカラーとRGBファンが特徴のミニタワー型ゲーミングPCです。
CPUにはAMD Ryzen™ 5、グラフィックスにはNVIDIA® GeForcex RTX™ 5060を搭載し、フルHD解像度でのパソコンゲームを快適に楽しめます。
また、16GBのメモリと1TBのM.2 SSDを備え、ゲーム中の動作も軽快です。デザイン性を重視する方やライトゲーマーにおすすめのゲーミングPCです。
2.初めてのゲーミングPCにおすすめ「G TUNE DG-I5G60(スターター7点セット)」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i5 プロセッサー 14400F |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 500GB (NVMe Gen4×4) |
通常価格 (税込) |
209,800円 |
G TUNE DG-I5G60(スターター7点セット)
この製品を詳しく見る
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「G TUNE DG-I5G60(スターター7点セット)」は、ゲーミングPC本体に加え、ゲーミング液晶(ゲーミングモニタ)・ゲーミングキーボード・ゲーミングマウス・ゲーミングヘッドセット・ゲーミングマウスパッド・ゲームパッドが付属したセットモデルです。
周辺機器を個別に揃える必要がなく、初心者の方に向いています。CPUは、Intel® Core™ i5(第14世代)、グラフィックス(GPU)はNVIDIA® GeForce RTX™ 4060を搭載し、フルHD環境で多くのゲームに対応できます。
3.高リフレッシュレートの対応した「G TUNE E5-I7G50BK-B」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-13620H プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPU |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 512GB (NVMe) ⇒ 500GB (NVMe Gen4×4) に構成変更<2024年12月4日 15時00分~> |
サイズ | 15.3型 |
通常価格 (税込) |
159,800円 |
G TUNE E5-I7G50BK-B
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「G TUNE E5-I7G50BK-B」は、WQXGA(2,560×1,600)解像度と180Hzの高リフレッシュレートに対応した、15.3型のゲーミングPCです。
高リフレッシュレートに対応しているので、FPSや格闘ゲームなどの動きの速いゲームも滑らかに表現してくれます。
グラフィックス(GPU)にはNVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPUを搭載し、高画質でゲームを楽しめます。
さらに、アルミ素材を使った軽量・薄型のボディを採用し、持ち運びがしやすいところも魅力です。
まとめ:ゲーミングPCの引っ越しは適切な準備と梱包が大切
引っ越しでゲーミングPCを運搬する際は、準備・梱包・設置・動作確認まで慎重に行うことが重要です。事前に回線手続きやバックアップを済ませ、必要な梱包資材を揃えておくことでトラブルを防止できます。
パーツや周辺機器は静電気対策を施し、安全に取り外して丁寧に保護することも大切です。引っ越し先では動作やデータを確認し、不具合が発生した場合はバックアップを使って復元をしましょう。
マウスコンピューターのゲーミングPCにトラブルが起きた際は、アフターサポートまでご連絡ください。AIチャットや電話窓口などで、トラブル解決をサポートいたします。
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