DAIVとともに成長してきた映像ディレクター
Takumi Oseraが語る制作環境とワークフロー
大瀬良 匠 / Takumi Osera
Director / Cinematographer / CG Designer / Motion Designer
映像ディレクターでありながら、撮影〜3DCGやカラーグレーディング等のポスプロ領域までを自ら一貫して手掛けるスタイルの大瀬良 匠。
クライアントやアーティストが持つ独自の世界観を、高純度な映像表現としてアウトプットするための制作環境・ワークフローとは。
自身のスキルを常に拡張し、クリエイティブと実現可能性の両立を徹底的に追求する、映像クリエイターとしての新たなスタイルを紐解きます。
制作環境について
作業スピードと柔軟な対応力を可能にする、メイン・サブ2台のPC運用とスペック
ディレクターというポジションの性質上、複数の案件が並行して進行するため、制作作業用のメインPCと、レンダリング用のサブPCの2台体制で運用しています。
メインPCを会社に、サブPCは自宅に設置することで、状況に応じてフレキシブルに作業が進められる環境を整えています
メインPC:DAIV FX-I9G90(2026年モデル)
- CPU:インテル® Core™ Ultra 9 プロセッサー 285K(24コア / 8 P-cores / 16 E-cores / 24スレッド / 最大5.7GHz / 36MB)
- メモリ:128GB(32GB×4 / DDR5-4400 / デュアルチャネル)
- ストレージ(システム用):2TB NVMe SSD(M.2 PCIe Gen5 ×4 接続)
- ストレージ(作業用):2TB NVMe SSD(M.2 PCIe Gen4 ×4 接続)
- グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 5090 / 32GB(DisplayPort×3 / HDMI×1)
- マザーボード:インテル® Z890 チップセット(ATX / SATA 6Gbpsポート×4 / M.2スロット×3)
- ケース:DAIV専用フルタワーケース[キャスター仕様](フロントUSB Type-A×2 / Type-C×1 / ケースファン×6基搭載)
※代表的な構成の一例です。
※当ページの掲載内容および価格は、在庫などの都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。
※該当機種が販売終了している場合、後継モデルへのご案内となります。
メインPCは、CPUを「インテル® Core™ Ultra 9 プロセッサー 285K(24コア / 8 P-cores / 16 E-cores / 24スレッド / 最大5.7GHz / 36MB)」、メモリを128GB、GPUを「NVIDIA® GeForce RTX™ 5090 / 32GB」、マザーボードを「インテル® Z890 チップセット」にして、バランスを意識した構成にしています。
特にBlenderで重い作業を行うタイミングで、メインPCを使用することが多いです。
サブPC:DAIV FX-I9G90(2023年モデル)
- CPU:インテル® Core™ i9-13900KF プロセッサー(24コア / 8 P-cores / 16 E-cores / 32スレッド / 最大5.8GHz / 36MB)
- メモリ:128GB(32GB×4 / DDR5-3600 / デュアルチャネル)
- ストレージ(システム用):2TB NVMe SSD(SAMSUNG PM9A1 / M.2 PCIe Gen4 ×4 接続)
- ストレージ(作業用):1TB NVMe SSD(SAMSUNG PM9A1 / M.2 PCIe Gen4 ×4 接続)
- グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 4090 / 24GB(DisplayPort×3 / HDMI×1)
- マザーボード:インテル® Z790 チップセット(ATX / SATA 6Gbpsポート×4 / M.2スロット×2)
- ケース:DAIV専用フルタワーケース[キャスター仕様](フロントUSB Type-A×2 / Type-C×1 / ケースファン×6基搭載)
※代表的な構成の一例です。
※当ページの掲載内容および価格は、在庫などの都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。
※該当機種が販売終了している場合、後継モデルへのご案内となります。
サブPCは、メインPCを導入する前に使用していたマシンで、CPUを「インテル® Core™ i9-13900KF プロセッサー(24コア / 8 P-cores / 16 E-cores / 32スレッド / 最大5.8GHz / 36MB)」、メモリを128GB、GPUを「NVIDIA® GeForce RTX™ 4090 / 24GB」、マザーボードを「インテル® Z790 チップセット」にして構成しています。こちらもマルチな作業を意識したバランス型のスペックになっています。
実写・3DCGでの映像制作におけるソフト面の制作環境としては、編集にPremiere ProとAfter Effects、3DCG制作にBlender、カラーグレーディングにはDavinci Resolveを主に使用しています。
DAIVの魅力 / 出会いは高校生時代に
実は、高校生時代からDAIVを使っています。
当時は見た目のカッコよさやカスタマイズ性に惹かれて、購入を決意した記憶があります。
長くDAIVを使ってきて感じる魅力は、とにかく安定していること。
個人的な感覚として、DAIVを使う中で”原因不明のエラー”が起きた記憶がほとんどなく、堅牢な印象で、制作を進める上でも精神的にとても安心感があります。
カスタマイズについても、基本的にスタンダードパーツが選ばれている印象があり、そのことも動作の安定感に繋がる要因なのかも、と感じています。
映像・3DCG・イラスト・写真編集など、目的や用途に合わせたマシンが選びやすく、これから本格的なPCの購入を検討するクリエイターにとって、親切なコンセプト設計がされていると思います。
マルチな制作スタイルにあった、バランス型のスペック選び
自分の場合は、編集・3DCG・モーショングラフィックス等々をマルチに制作するスタイルなので、全体のバランスを見ながら、大きな偏りが出ないようにスペックを選んでいきました。
PCやスペックを選ぶ際に個人的に大切にしているポイントとして、特定部分のスペックのみに着目するのではなく、自分自身のワークフローや作業内容を俯瞰して、予算の中で適切なスペックを選ぶことが、作業の最適化への一つの方法になると考えています。
効率化されたストレスフリーな作業は、クオリティアップに直結
ハイスペックなPCは様々な恩恵をクリエイターにもたらしてくれます。
やはり一番は、RTX 5090によるレンダリングスピードの向上です。
レンダリング時間が短縮されると、作業効率が上がるのは勿論のこと、制作におけるトライアンドエラーの回数を増やすことができるので、クオリティのアップにも繋がります。
また、作業全般で安定したリアルタイム性があるので、ストレスなく制作に向き合うことが出来ることもスペックによる大きな恩恵だと感じています。
個人的に、撮影後にすぐオフライン編集へ着手したくなる性分があり...
撮影を終えて帰宅した直後、現場の熱量が冷めないうちに、プロキシ作成の手間を省いて、6K程度の素材でもそのまま編集作業を始められる。これもありがたいポイントの一つです。
VFXを使ったMV・PV制作のワークフローを紹介
STEP 01企画
企画書はIllustratorで作成。ページ数は案件により様々。
企画では、まずクライアントから丁寧にヒアリングを行い、作品の目的や伝えたいことを整理した上で企画書を制作しています。
企画書は単なる説明資料ではなく、作品の第一印象を決める大切なものだと考えています。そのため、口頭で補足しなくても企画の意図や映像のイメージが伝わるわかりやすさとデザインを意識すると同時に、ページをめくるたびに「この映像を作ってみたい」と感じてもらえるような、読む人の気持ちが高まる企画書づくりを心がけています。
STEP 02コンテ~プレビズ
Blenderで制作したプレビズのスクリーンショット
企画のOKが出たら、演出コンテとプレビズを制作します。(プレビズのみの場合もあります。)
※プリビズとは...
Pre Visualizationの略語。VFX / 3DCGによってCG映像を実際に制作する前に、完成した状態を想像できるシミュレーション映像を作成することを意味します。
各カットの具体的な構図、カメラワークや尺感などをこの工程で具現化し、撮影のイメージを固めます。
特に自分が撮影を担当しない案件では、プレビズを必ず制作するように心がけています。
プレビズを制作することで、各セクションが演出意図をより深く理解できるようになり、現場をスムーズに進行することにつながっていると感じています。
事前に具体的な映像イメージを共有することで、撮影部や照明部、美術部など各セクションからもより具体的な提案をもらいやすくなり、結果的に作品全体のクオリティ向上に繋がると思います。
また、自分自身にとっても、プレビズの制作は企画を客観的に確認する重要な工程です。実際に映像として並べてみることで、意図しているメッセージがきちんと伝わる構成になっているか、演出として成立しているかを撮影前に検証することができます。
STEP 03撮影
撮影では、事前に整理したカットリストやプレビズをベースに進めていきます。
ただ、現場に行くと想定以上に面白いアイデアが生まれることも多いので、プレビズに縛られすぎないことも大切にしています。「もっと良くなる」と感じた部分は、その場で柔軟に演出を調整しながら、その瞬間だからこそ撮れる映像を目指しています。
STEP 04オフライン編集
撮影後は、コンテやプレビズで決めた構成をもとに、撮影素材を並べるオフライン編集を行います。
撮影前の段階でプレビズによってカットの流れや完成イメージをある程度組み立てているため、まずはその絵に対して実際に撮影した素材を差し替えていきます。そうすることで、事前に設計した構成を確認しながら、映像全体の流れやテンポ感を整理していきます。
一方で、実際の素材を当て込んでみると、プレビズ通りでは上手くはまらない部分や、現場で生まれた魅力をより活かせる見せ方が見つかることもあります。そのため、プレビズを土台にしながらも、最終的には映像として一番良い形になるよう柔軟に調整していきます。
自分の場合は、撮影から帰宅したら、すぐにこの工程に取り掛かります。
一度編集を形にした後、少し時間を置いてから客観的な視点でチェックし、違和感や問題点がないかを確認します。問題がなければクライアントへ提出し、チェックを経てピクチャーロックした後、オンライン編集の工程へと移ります。
STEP 053DCG / VFX 制作
シーン内に実写の人物素材を配置してカットを制作
Blenderを用いて、モデリングやカットシーン制作を行います。
自分の場合、撮影のタイミングで完成イメージのルックを共有できるようにする目的で、企画やプレビズの段階で、3DCGの制作も進めておくケースが多いです。
撮影後には、実際の撮影素材を確認しながら事前に制作しておいたシーンを元に、主に調整をする感覚で3DCG工程を完成させます。
工程的には、3DCG/VFXの制作からコンポジット作業までを一つの流れで進めていくので3DCG/VFXの制作と、いわゆるオンライン編集の工程が、同時に並行するようなワークフローになっています。
STEP 06カラーグレーディング
Davinci Resolveでカラーグレーディングを行なっている様子
Davinci Resolveの操作にはコントロールパネルを使用します。
Davinci Resolveを用いて、カラーグレーディングを行います。
企画書を作るときに集めたリファレンスを見ながら、編集工程の仕上がりを踏まえてベストな色味を調整していきます。
カラーグレーディングの工程そのものも勿論重要ですが、最終的な目指すべきルックを見越して、各セクションと連携をしておくことや、3DCGのデザインを行うことも同じくらい重要です。
完了した映像は、暗い環境と明るい環境でチェックしてみたり、モニターと、iPhoneで見比べて確認を行います。
STEP 07一本化 / 納品
全ての工程が完了した素材を、Premiere ProもしくはAfter Effectsで並べ直して最終的な一本化を行います。
基本的にはMedia Encorderを使用して、納品データの書き出しを行います。
多くの案件では、ProRes形式とH264形式の2種のデータを納品しています。
書き出した2つのデータに差異やエラーがないかについての最終チェックとして、同一タイムライン上に2つのデータを重ねて並べ、上のレイヤーにある映像の描画モードを「減算」にする方法で確認をしています。問題がなければ、画面が真っ黒になります。
データに何かしら問題があると差が見えやすく、再生中の画面がずっと黒であれば2つのデータの映像としての見え方に差異がない状態であることを確認できます。
クライアントの最終確認を経て、完成データを納品します。
制約の中でクオリティを最大化するために、「手を動かせるディレクター」になることを選んだ
制作工程の大半をディレクターが担当することによって、クリエイティブのクオリティと、制作進行における様々なリスクを、コントロールし易くなります。
自分自身が実際に手を動かすことで、企画段階の頭の中のイメージを齟齬なく映像に出力することができる。
ミニマムな制作体制で確実なリソース管理を行い、様々なリスクを低減する。
予算や制作期間の制約の中で、クリエイティブ面と進行面の両軸でクオリティを追求した結果、「自分自身がディレクターとしてスキルを拡張し、対応範囲を広く構える」というスタイルが固まりつつあります。
その反面で、自分のみでは到底対応できない表現が求められる場面や大規模な案件もありますし、他のクリエイターとの協業により生まれる化学反応や新たなクリエイティブを楽しみたい気持ちも勿論持っています。
あくまで1スタイルとして現在の自分のワークフローを軸にしながら、可能性をより拡張してクリエイティブ制作を追求していきたいです。
「できないことはない」をモットーに。常に引き出しを増やし続ける
ディレクターというポジションは、案件ごとに異なる課題や目的を理解し、その都度最適な表現を考える仕事だと思っています。そのためには、自分の表現やスキルの引き出しを常に増やし続けることが欠かせません。
これからも、一つひとつの案件を新しい挑戦の場として捉えながら、表現の幅を広げ続けていきたいと思っています。
自分の場合は、そのアップデートを日々の仕事の中で続けるために、あえて「まだやったことのない表現」を企画に取り入れるようにしています。
もちろん毎回不安ですし、「本当にできるかな」と怖くなることもあります。それでも、「できないことはない」をモットーに挑戦を重ねることで、自分自身の成長につなげています。
これからも、一つひとつの案件を新しい挑戦の場として捉えながら、表現の幅を広げ続けていきたいと思っています。
今後叶えたい、制作環境とスキルのアップデートは?
ディレクターとして表現を追求し続けるためにも、制作環境やワークフローは常に見直しながら、アップデートしていきたいと考えています。
今導入したい、欲しいものとしては...現在の環境にフィットするWindowsのノートPCです。
クライアントや代理店に出向いて試写を行うような機会が増えてきたこともあり、出先でもある程度のスペックで安定して作業ができるような環境を構築したいです。
スキル面では、Autodesk Flame / Nukeなど、よりプロフェッショナル向けのコンポジット/オンライン領域の知識やノウハウを身につけて、ハイエンドな表現を自分の手でも実現できるようになりたいと思っています。
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