Wordで画像を操作する際、多くのユーザーが直面する課題の一つが、画像を思い通りに配置できないことです。画像が自由に動かせず、ドキュメントが乱れてしまう経験をしたことがある方も多いでしょう。
この記事では、Wordでの画像操作に苦労している方々に向けて、画像を自由に動かすための具体的な方法と解決策を提案します。
Wordの画像配置の基本
Wordでは画像を簡単に挿入・配置でき、画像を活用することで文書の視認性を向上させたり、情報を分かりやすく伝えることができます。
また、適切な配置を行うことで、プロフェッショナルな仕上がりにすることが可能です。
画像配置のポイントとして、以下の要素が重要になります。
・画像の種類(写真・イラスト・アイコンなど)
・文章とのバランス(画像とテキストの組み合わせ方)
・レイアウトの調整(整列・余白の設定)
・適切な配置オプションの活用(前面・背面・文字の回り込みなど)
これらの要素を理解したうえで、次の章では具体的な画像の挿入方法を解説します。
画像の挿入方法
ドラッグ&ドロップで挿入
エクスプローラーからWordの文書に画像ファイルをドラッグ&ドロップすると、簡単に画像を挿入できます。手順は以下の通りです。
Wordの文章を開いておく

エクスプローラーから画像をマウスでクリック&ホールドしたたま、Wordの画像を配置したい位置にカーソルを移動しドロップする(離す)

コピー&ペーストで挿入
コピー&ペーストを使う方法も、画像を簡単に挿入できます。手順は以下の通りです。
エクスプローラーを開き、挿入したい画像ファイルを右クリックし「コピー」を選択、またはCtrlキー+Cキーでコピーする

Wordの文書を開き、画像を配置したい位置にカーソルを合わせ、右クリックし「貼り付け」を選択、またはCtrlキー+Vキーで貼り付け(ペースト)をする

メニューバーから挿入
Wordには「挿入」タブから画像を挿入する機能があります。手順は以下の通りです。
「挿入」タブ内にある「画像」をクリックし、「このデバイス」を選択する

挿入したい画像を選んで「挿入」をクリックする

配置オプションの使い方
Wordでは、画像の配置オプションを活用することで、文書のレイアウトを調整できます。以下の表に、代表的な配置オプションの特徴をまとめました。
| 配置オプション | 説明 | 使用例 |
|---|---|---|
| 行内 | テキストの一部として画像を配置する |
文章内に自然に組み込む場合
|
| 四角形 | 画像の周囲にテキストを回り込ませる |
レイアウトを調整し、視覚的に整理する場合
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| 狭く | 画像の周囲の余白を最小限にしてテキストを回り込ませる |
できるだけコンパクトなレイアウトにしたい場合
|
| 内部 | 画像の空白部分にテキストを入り込ませる |
複雑な形の画像を組み込む場合
|
| 上下 | 画像の上下にのみテキストを配置する |
画像の上や下に強調したい文章を配置する場合
|
| 背面 | 画像をテキストの後ろに配置する |
背景画像として活用したい場合
|
| 前面 | 画像をテキストの上に配置する |
デザインや強調したい画像を扱う場合
|
配置オプションの実践テクニック
・自由な配置をしたい場合:「行内」ではなく「前面」や「四角形」を使うとより柔軟に配置できる。
・背景画像として使う場合:「背面」に設定し、透明度を調整すると目立ちすぎず統一感が出る。
・テキストを読みやすくするための工夫:「四角形」の場合、画像のサイズを調整しながら、文字の折り返し設定を適用すると読みやすくなる。
画像を自由に動かす方法
サイズ変更
画像をクリックすると四隅や辺に「ハンドル」が表示されます。これをドラッグすることで、サイズを自由に調整できます。
Shiftキーを押しながらドラッグすると、縦横比を保ったまま拡大・縮小が可能です。
また、「図の形式」タブの「サイズ」オプションを使えば、ピクセルやcm単位で正確なサイズを設定できます。

トリミング
不要な部分をカットしたい場合は、「図の形式」タブから「トリミング」を選択し、画像の端をドラッグして範囲を決めます。Enterキーを押せば確定されます。「トリミング」オプションで「縦横比を固定」にすると、均等なトリミングが可能です。

また、「背景の削除」機能を使うと、画像の一部だけを残すこともできます。

回転
画像の上部にある「回転アイコン」をドラッグすると、自由に角度を変更できます。回転の細かい調整が必要な場合は、「図の形式」タブの「回転」オプションを使うと、90度単位の回転や左右・上下の反転も可能です。
デザインに合わせて画像の向きを変更し、統一感のあるレイアウトにしましょう。

上下・左右に正確に移動
キーボードの矢印キーを使うことで、画像を細かく移動できます。通常のドラッグ操作よりも微調整しやすく、位置を細かく変更したい場面で便利です。
さらに、Ctrlキー+矢印キーを押せば、通常より細かい単位で移動できるため、ピクセル単位の配置が可能になります。
Altキーを使った微調整方法
Altキーを押しながらマウスを動かすと、Wordの配置ガイドを無視して自由な位置に画像を配置できます。細かいズレをなくし、オブジェクトとの整列を細かく調整することができます。
さらに、「図の形式」タブの「位置」オプションを活用すれば、他の要素とのバランスを取ることができ、より美しく統一感のあるレイアウトを作成できます。

Wordの画像操作でよくあるトラブルとその対策
Wordで画像を操作する際、思うように動かないことがあります。ここでは、よくある3つの問題とその解決方法を紹介します。
Q. 画像が動かない場合、どうすれば良いですか?
- A. 固定されたレイアウトオプションが原因の可能性があります。
- 画像を右クリックし、文字列の折り返しを「行内」ではなく「前面」または「四角形」に変更すると、自由に移動できるようになります。
Q. 画像が消えてしまった場合、どうすれば良いですか?
- A. 画像の前にテキストや他のオブジェクトが重なっている可能性があります。
- 画像をクリックし、メニューバーの「図の形式」タブから「オブジェクトの順序」を開き、「最前面へ移動」を選択すると、画像が前面に表示されます。
- 画像が透明度設定されている場合は、「図の形式」タブの「透明度」を確認し、適切な値に調整してください。
Q. 画像の位置がずれる場合、どうすれば良いですか?
- A. 文字列の折り返しの設定が適切でない可能性があります。
- 画像を右クリックし、文字列の折り返しを「四角形」または「内部」に変更すると、テキストとの配置が整います。
まとめ
ここまで、Wordで画像を自由に動かすためのテクニックを紹介しました。
サイズ変更や配置の調整、テキストとの連携などを駆使し、より魅力的な資料作りに挑戦しましょう。







