M.2 SSDとは?mSATAとの違いやPCle・NVMeとの関係などを解説

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 M.2 SSDとは、M.2(エムドットツー)という規格に対応したSSD(ソリッドステートドライブ)のことです。データの転送速度が速くコンパクトなSSDとして、近年採用されることが増えています。

 この記事では、M.2 SSDの特徴や、ほかの規格との違いや関係性、利点や選び方について解説します。M.2 SSDへの理解を深め、有効に活用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

※ 製品の情報や価格は2024年9月3日時点の情報となります。

 

 

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M.2 SSDとは?

 M.2 SSDはM.2規格に対応したSSDのことですが、具体的にどのような規格なのでしょうか。また、M.2 SSDが販売される以前から使われているmSATA SSDと、どのように違うのでしょうか。

 ここでは、M.2 SSDに使われる規格の概要と、mSATA SSDとの違いについて解説します。

M.2 SSDはどんな規格?

 M.2 SSDに採用される「M.2(エムドットツー)」とは、パソコンの拡張カードの接続端子に使われる規格のひとつで、SSD(ソリッドステートドライブ:記憶装置)の接続方式のひとつでもあります。拡張カードとは、パソコンの機能を追加・向上するための電子基板のことです。

 「SATA(シリアルATA)」や「PCIe(PCl-Express)」など、複数のインターフェースに対応しており、柔軟性・機能性共に高いことが特徴です。

 スロット式の接続方式が採用されており、SSDの小型化にも貢献しています。なお、「M.2(NGFF)」や、「NGFF(Next Generation Form Factor)」と表記されることもあります。

M.2 SSDとmSATA SSDとの違い

 mSATA SSDは、M.2 SSDが開発される以前から使われていたSSDです。mSATA SSDは、M.2 SSDほどではないものの、コンパクトかつ軽量で、多くのノートパソコンに採用されてきました。接続方式については、mSATA SSDはmSATAスロットに接続され、M.2 SSDはM.2スロットに接続されます。接続方式は同じスロット式ですが、使用するスロットの種類は異なります。

 両者の違いは、主に転送速度や消費電力、対応インターフェースにあります。M.2 SSDは高速転送ができるものの、mSATA SSDより消費電力が多い傾向があります。インターフェースでは、mSATA SSDはSATA接続のみ対応しているのに対し、M.2 SSDは、SATA接続に加えPCle接続にも対応しています。

 以上のように、M.2 SSDはmSATA SSDに比べ、消費電力は高いものの、高速転送ができ、多様なインターフェースに対応しているSSDです。SATA接続やPCle接続については次章で解説します。

M.2 SSDと合わせて理解しておきたい規格

 M.2 SSDを深く理解するためには、関連性の高い規格についての理解も必要です。具体的には次の3つです。

・SATA

・PCle

・NVMe

それぞれの特徴を詳しく解説します。

SATA

 SATAとは、マザーボードと内蔵型HDD・SSDを接続するために広く採用されているインターフェースのひとつです。パラレル通信を使った従来のATA(IDE)規格に比べ、シリアル通信を採用したSATAは、高速なデータ転送ができるほか、ケーブルサイズを小さくできるなどの優位性があります。

 しかし、近年ではより高速なデータ転送が求められ、SATAの性能では対応しきれなくなっています。これに伴い、さらに高速なデータ転送ができる「NVMe(Non-Volatile Memory Express)」規格を採用したM.2 SSDへ移行しているのが現状です。

PCle(PCl-Express)

 PCIeとは、コンピューターの拡張カードを接続するための高速なインターフェースです。多様なパーツでの高速なデータ転送を実現してくれます。PCIeは複数の世代にわたって進化しており、各世代で転送速度が向上しています。接続できる主なパーツの種類は次の通りです。

・ビデオカード

・サウンドカード

・ネットワークカード

・SSD(NVMe M.2 SSD)

 これらはPCleを介してマザーボードに接続され、パソコンの性能を向上してくれます。M.2 SSDをPCIeで接続することで、従来のSATA接続に比べて高速なデータ転送が可能です。

NVMe

 NVMe(Non-Volatile Memory Express)とは、SSDの性能を最大限に引き出すための通信プロトコル(通信の手順やルール)のことです。従来のSATA接続に比べて、データ転送速度が大幅に高速化されています。

 具体的には、「データ転送に必要なメッセージの数が少ない」「コマンド処理に必要なキューが大幅に増加した」などの改良がなされ、データ転送が高速化されました。

 NVMeが採用されたSSDにはPCIe接続が使用されており、 製品には「NVMe SSD PCIe Gen 4.0×4」などと表記されています。特に、クリエイティブ作業や機械学習など、高速なデータ処理が必要な用途に有効です。

 M.2 SSDを選ぶ際には、NVMe対応モデルを選択することが重要です。これにより、従来のSATA SSDでは体験できなかった高速なデータアクセスを実現し、パフォーマンスの向上が期待できます。

 NVMe対応のM.2 SSDは、将来的なアップグレードや新しいアプリにも対応しやすいため、長期的な視点で見ても有効な選択肢といえるでしょう。

M.2 SSDの利点

 M.2 SSDは、「データ転送速度が速い」「コンパクトで占有スペースが小さい」などが利点です。それぞれの利点を具体的に解説します。

データ転送速度が速い

 NVMe規格に対応したM.2 SSDは、mSATA SSDに比べてデータ転送速度が大幅に高速化したSSDです。具体的には、mSATA SSDの転送速度は約6Gbpsなのに対し、M.2 SSDは理論上で約40Gbpsの転送速度を実現します。

 SSDが高速になることで、大量のデータを扱う作業やゲームのロード時間、システムの起動速度などが速くなります。

 ただし、SATA接続のM.2 SSDはデータの転送速度がNVMeほど速くないため、速度を求める方はNVMe規格対応の製品を購入しましょう。

コンパクトで占有スペースが小さい

 スティック型のM.2 SSDは、カード型のmSATA SSDに比べてよりコンパクトな形状をしています。主に流通しているM.2 SSDの幅は22mm程度ですが、mSATA SSDは30mm程度です。

 SSDがコンパクトになることで、限られたスペースでも高速なSSDを搭載でき、内部の配線やエアフローの管理が容易となり、システム設計の自由度を高めることができます。そのため、ノートパソコンや省スペースを要求されるタブレットなどに搭載する際にも、M.2 SSDは大きなメリットになります。

M.2 SSDは熱くなる?ヒートシンクの活用がおすすめ

 NVMe規格に対応したM.2 SSDの転送速度は速いですが、使用中に熱が発生しやすいため注意が必要です。熱くなりすぎると、SSDの性能低下や寿命の短縮につながる恐れがあります。

 そこで推奨されるのが、ヒートシンクの使用です。ヒートシンクは放熱板とも呼ばれ、SSDの熱を効率的に放散し、温度を下げる役割を果たします。SSDにヒートシンクを取り付けることで、SSDの熱がヒートシンクに伝わり、ヒートシンクから空気中に放熱されます。

 市販されているヒートシンクには、薄型タイプ、ファン付きタイプ、大型タイプなどがあり、使用環境に応じて選ぶことが可能です。薄型タイプはスペースに制限がある場合に適しており、ファン付きタイプや大型タイプはより強い冷却効果を求めるユーザーに適しています。

 適切なヒートシンクを選ぶことで、M.2 SSDのパフォーマンスを最大限に引き出せるでしょう。

M.2 SSDの選び方

M.2 SSDを選ぶ際は、次の3つを確認しましょう。

・接続コネクタの種類を確認する

・サイズを確認する

・外付けのM.2 SSDも検討する

それぞれ具体的に解説します。

接続コネクタの種類を確認する

 M.2 SSDを選ぶ際には、マザーボードが対応する接続コネクタの種類を確認することが重要です。Mキー・Bキー・B&Mキーという3種類の接続コネクタがあります。

 Mキーは、主にPCIe接続をサポートし、高速なデータ転送が可能です。「PCle×2(PCleを2レーン使用)」であれば約1,000MB/秒、「PCle×4(PCleを4レーン使用)」であれば、2,000MB/秒を超えることもあります。

 一方、BキーはSATA接続に対応しており、B&Mキーは両方のタイプのスロットに挿入できる汎用性を持っています。コネクタの形状が異なると、物理的に接続できないか、または適切に動作しない恐れがあるため、購入前にマザーボードの仕様を確認し、対応するコネクタのタイプを選択しましょう。

サイズを確認する

 主なM.2 SSDは横幅が約22mmですが、奥行きは製品によって異なります。奥行きのサイズは、42mmや60mm、80mmなどがあるため、スペック表やカタログで確認しましょう。たとえば、「〇〇2280」と表記されている場合、「幅22mm×長さ80mm」です。

 M.2 SSDをマザーボードに取り付ける際には、このサイズが物理的に合致する必要があります。購入前に、マザーボードのM.2スロットがどのサイズに対応しているかを確認しておきましょう。

外付けのM.2 SSDも検討する

 パソコンのSSDをM.2 SSDに換装することが難しい場合や、既に手元にあるM.2 SSDを有効活用したいと考えている方は、外付けのM.2 SSDを検討してみましょう。

 NVMe対応のM.2 SSDを外付けで使用するためには、対応する外付けケースが必要です。外付けケースを利用することで、USBやThunderbolt接続を通じてパソコンやそのほかのデバイスと接続できます。

 しかし、インターフェースの種類によって、転送速度の上限があるため注意が必要です。Thunderbolt 3接続であれば最大40Gbps、USB3.2接続であれば最大10Gbpsでのデータ転送ができます。

 また、外付けケースには、ヒートシンク付きのものや、ドライバーを使ってSSDを取り付ける必要があるものなど、さまざまなタイプがあるため、目的に合った製品を選択しましょう。

M.2 SSDを搭載したマウスコンピューターのおすすめパソコン3選

 マウスコンピューターは、スペックをカスタマイズできる「BTO(Build To Order)パソコン」を販売しているメーカーです。

 ここからは、NVMe対応のM.2 SSDを搭載したマウスコンピューターのおすすめパソコンを3機種紹介します。

※ 製品の情報や価格は2024年9月3日時点の情報となります。

1.mouse K5-I7G50BK-A

mouse K5-I7G50BK-A
OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル® Core™ i7-12650H プロセッサー
グラフィックス NVIDIA® GeForce RTX™ 2050 Laptop GPU
メモリ標準容量 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD 500GB (NVMe Gen4×4)
サイズ 15.6型
通常価格
(税込)
149,800
mouse K5-I7G50BK-A
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mouse K5-I7G50BK-Aは、画像や動画の編集作業も快適なグラフィックスを搭載している15.6型のノートパソコンです。

打ちやすいゆとりのキー配列を採用したキーボードで独立したテンキーを備えているため、事務仕事などの数値入力にも便利です。

2.mouse F4-I7I01OB-A

mouse F4-I7I01OB-A
OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル® Core™ i7-1260P プロセッサー
グラフィックス インテル® Iris® Xe グラフィックス
メモリ標準容量 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD 1TB (NVMe)→1TB (NVMe Gen4×4)< 2024年2月20日 17時30分~ >
サイズ 14型
通常価格
(税込)
159,800
mouse F4-I7I01OB-A
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mouse F4-I7I01OB-Aは高性能CPUを搭載しており、エンタメからオフィスワークまで幅広く対応できるモバイルノートパソコンです。12コア、16スレッドのインテル® Core™ プロセッサー(第12世代)は、2種類のコアを組み合わせることで、シングル性能、マルチコア性能が大幅に向上しています。

ディスプレイにはベゼルの狭いフルHDの14型を採用しているため、画面の視認性が高いところも魅力です。さらに、PCle Gen4×4に対応したM.2 スロットを2基搭載しており、最大4TBの大容量ストレージを装備できます。持ち運びができる、高性能ノートパソコンが欲しい方におすすめです。

3.mouse MH-I7U01

mouse MH-I7U01
OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル® Core™ i7-14700 プロセッサー
グラフィックス インテル® UHD グラフィックス 770
メモリ標準容量 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD 500GB (NVMe Gen4×4)
通常価格
(税込)
169,800
mouse MH-I7U01
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mouse MH-I7U01は、ライトな動画制作などにも対応できる高性能なデスクトップパソコンです。高いパフォーマンスを発揮するインテル® Core™ プロセッサー(14世代)を搭載しており、負荷の重い作業でもスムーズに動作してくれます。

デスクトップならではの拡張性を持っており、光学ドライブなどをカスタマイズで選択可能です。さらに、ケース前面に配置された使いやすいインターフェースや、冷却効率に考慮したフロントパネルなど、細かな配慮がなされています。多様な作業に対応できるスタンダードなデスクトップパソコンを探している方におすすめです。

まとめ:M.2 SSDはコンパクトで高速転送ができる!

 M.2 SSDは、従来のmSATA SSDに比べ、高速なデータ転送やコンパクトな形状を持つ優れたSSDです。SATA接続とNVMe接続に対応していますが、データ転送の速度を優先する方は、NVMe接続のモデルを選択しましょう。

 マウスコンピューターは、M.2 SSDを採用したパソコンも販売するパソコンメーカーです。初心者向けのスタンダードなパソコンから、プロ向けの高性能パソコンまで取り揃えていますので、ぜひ公式のECサイトを確認してみてください。