#07

Role of a Gaming
Computer in an e-Sports.

京都から“観て楽しむ
eスポーツ文化”を発信し、
デジタルイノベーション人材を育成

現在、日本でもeスポーツへの注目が高まり、各地で関連施設がオープンしている。とはいえそれらの多くは、ネット配信を前提とした施設であることが多い。いっぽう京都では、2万人以上を収容できるサンガスタジアムby KYOCERA(以下サンガスタジアム)を舞台に“観て楽しむeスポーツ”をコンセプトにしたプロジェクトが進められている。京都の産学官が連携し、eスポーツを通じた観光振興や地域活性化、人材育成を目指すこの取り組みについて、関係者に伺った。

目的
eスポーツを、多くの人が観て楽しむ競技へと昇華させる
eスポーツを通じた地域活性化とデジタルイノベーション人材の育成
背景
ゲームからスポーツへの導き
効果
サンガスタジアムのイベントを通じて、京都の地域活性化に貢献
デジタルイノベーション人材育成の拠点に
細木 憲
細木 憲ほそき けん

1989年、構造設計事務所に入社
建築物等の構造計画・設計、耐震診断等の業務に従事
2000年、建築設計事務所に入社
建築物等の企画・基本・実施設計等の業務に従事
2015年、京都府庁に入庁
建築指導課、土木事務所の建築主事を経て現在に至る

小森 敏史
小森 敏史こもり さとし

2001年に京都大学工学部建築学科卒業後、システム開発会社を経て、
2004年にスポーツクラブを運営する株式会社ビバの代表取締役社長に就任。
2006年に指定管理事業を立ち上げ、運営施設を約20施設に拡大。
2019年に合同会社ビバ&サンガを設立し、職務執行者に就任。
サンガスタジアム by KYOCERAの運営、地域創生に取り組んでいる。

尾方 説
尾方 説おがた さとし

1987年、日本電信電話株式会社に入社
情報通信事業の技術企画、NTTのグループ事業企画、国際調達などに従事
通商産業省にて、電気通信分野の国家プロジェクトの技術政策などにも従事
その後、外資企業など数社でビジネス開発などを歴任
2020年に一般社団法人ジャパンeスポーツアソシエイションを創立、現在に至る

産学官連携、オール京都で新しいeスポーツ文化を全国に発信

京都では2021年に京都eスポーツ振興協議会を立ち上げ、3カ年計画でeスポーツ振興事業に取り組んでいる。まずはその意図を、京都府文化スポーツ部文化スポーツ施設課参事の細木憲氏に伺った。

「eスポーツは年齢や性別を問わず参加でき、さまざまな世代の交流やコミュニケーションを促進します。ひきこもりの方、高齢者の方などの社会参加をうながし、子供や学生へのIT教育としても有効です。そんなeスポーツを通して地域の活性化、観光振興、デジタルイノベーション人材の育成につなげたいと、京都府ではeスポーツの支援事業に取り組んでいるのです」

京都府や亀岡市などの後援のもと、実際にイベントや人材育成事業に取り組むのは、eスポーツ関連企業や団体が集まって設立された京都eスポーツ振興協議会だ。

「京都府の西脇隆俊知事もおっしゃられていますが、私どもはeスポーツを選手・プレイヤーだけのものにせず、スポーツとして、自らプレーしない人も観て楽しめるものにしたいと考えています。そして京都からeスポーツを観て楽しむ文化を全国に発信したいのです」と同協議会の代表幹事である尾方説氏(一般社団法人ジャパンeスポーツアソシエイション代表理事)は語る。

このプロジェクトの最大の強みは、京都eスポーツ振興協議会を核に産学官が連携し、オール京都でeスポーツ振興に取り組んでいることだ。プロジェクトの舞台となるサンガスタジアムを運営する合同会社ビバ&サンガ職務執行者の小森敏史氏はeスポーツ文化を創造、発信していくうえでの京都というエリアの強みを次のように語る。

「京都は日本の伝統と文化の地だと思われていますが、実は海外の新しい文化を積極的に取り入れる土壌がある地です。さらにたくさんの大学や企業があります。そんな京都で多様な人々がeスポーツを通じて交流を図り、新しいeスポーツ文化を生み出していく。サンガスタジアムをそのためのプラットフォームにしたいと考えています」

会場の様子
インタビューの様子

新しいeスポーツ文化の拠点、サンガスタジアムeスポーツゾーンの可能性

サンガスタジアムは多世代で利用でき、365日賑わう多目的型複合施設として、京都府が構想し、設立した。サッカーやラグビーの国際試合ができる2万1600人収容の球技場のほか、クライミング、3人制バスケットボール、ドローンサッカー、コワーキングスペースや保育園、足湯など次世代の設備が整い、いつも幅広い世代の多くの市民で賑わっている。

「サンガスタジアムは、経済産業省とスポーツ庁の『多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ』に選定されています。私どもがここにeスポーツゾーンを設けたのも、お子さんからお年寄りまで、幅広い世代の人に参加し、交流していただきたいからです」(細木氏)
サンガスタジアム4階にあるeスポーツゾーン「SKY-FIELD」には、高速のネット回線が引かれ、次世代無線LANのWi-Fi 6環境を整備。eスポーツに適したハイスペックパソコンが30台導入されている。またレイアウトはイベントの内容に応じて自由に変更することができる。

「オフライン/オンラインのeスポーツ大会を実況解説とともに配信したり、ここで行われている競技を録画編集して配信したりするための設備も整っています。すでにさまざまな大規模eスポーツ大会を開催していますが、とくに目玉はラジコンカーを操作してサッカーをする『ロケットリーグ』の大会です」(尾方氏)

ロケットリーグの大会はすでに3年続けて開催されており、定例会も月に1回開催されるなど、大きな盛り上がりを見せている。すでにサンガスタジアムは「ロケットリーグの聖地」になりつつあるという。

「私も先日、ロケットリーグの大会を見学させていただきましたが、若い方がたくさん集まり、大変活気にあふれた大会でした。DJや実況解説、アイドルの方などがみんなでリーグを盛り上げていこうとの熱気が伝わり、感動しました」(細木氏)

さらに近畿2府5県のeスポーツ協会・連合が合同共催した大会や、関西の企業を集めた企業対抗戦なども開催されている。eスポーツの大会だけでなく、実況解説者を養成したり、eスポーツ英会話やセキュリティー、プログラミングについて学べるセミナーを開催したり、まさに多様性に富んだスタジアムと言える。

「最近はスマホやタブレットばかり触っていて、PCを使ったことがないという青少年も少なくありません。そんな子供たちに早いうちからPCに慣れていただく場としても活用いただいています。今は全国でeスポーツ施設が立ち上がっていますが、自治体が主体となっているところは少ないのではないでしょうか。ここは地元のみなさんも気軽にゲーミングPCを使えるところが、一番の魅力だと思います」(尾方氏)

サンガスタジアムを拠点としたeスポーツ振興事業は、イベントの実施とともにデジタルイノベーション人材を育成することも大きな目的だ。そのため、地元の学校と連携した取り組みもさまざまに進められている。

「亀岡市にある京都先端科学大学のeスポーツサークルとのコミュニティーイベントも定期的に開催しています。京都府の小学校、中学校、高校の課外学習として、スタジアムを見学し、eスポーツを体験してもらうツアーも実施しています。さらにシステムエンジニアを招いて小学生を対象にしたプログラミング教室も開催しています」(小森氏)

インタビューの様子
会場に設置されているG-tuneの様子

公平性と信頼性が重要なeスポーツ大会を支える、ハイスペックPC

ちなみにサンガスタジアムのeスポーツゾーンで導入されているのは、マウスコンピューターのゲーミングPC「G-Tune EM-B」である。Windows 10 Pro 64ビット、インテル® Core™ i5-12400F プロセッサーを搭載し、拡張性に優れ、幅広いゲームに対応できるゲーミングPCだ。今回、eスポーツゾーンのPCとしてマウスコンピューターを選定した理由と、利用者の反響も伺った。

「eスポーツはただのエンターテインメントではなく、賞金や賞品が授与されることも多い厳正な競技です。公平性や信頼性がとても重要と言えます。マウスコンピューターはJeSU(日本eスポーツ連合)の公認PCで、賞金がかかった数々の大会でも使われており、その実績をもとに導入させていただきました。これまで大きなイベントを数多く開催していますが、競技やイベントを通してPCのトラブルは一度もなく、我々としても大変満足しています」(尾方氏)

「eスポーツを楽しむこと自体は家庭の標準スペックのPCでも可能ですが、どうしても遅延が生じたりします。そのようなPCを使ってハイレベルな競技力を伸ばしていくことには限界があります。そのため『この場所なら高性能PCで練習ができる』とサンガスタジアムにやって来る若者も大勢います。そんな利用者から『想像以上に快適でサクサク動くからストレスがない』と喜んでいただけていることが、うれしいですね」(小森氏)

eスポーツを行う者にとって最高の環境を整えたサンガスタジアムeスポーツゾーンから、今後どのようなムーブメントが起きるのか、今から楽しみだ。最後にあらためて、京都発のeスポーツ振興に対する今後の抱負を3人に伺った。

「eスポーツは近年、大きく注目され、着実に裾野が広がっています。でも、まだまだ単なるゲームだと思っている人も少なくありません。eスポーツの競技としての認知度を高めること、競技としての間口を広げることが何より重要です。京都では今後もより魅力的なeスポーツイベントを開催し、競技としての認知度を高めていきます。いずれサンガスタジアムがeスポーツの聖地として、全国的に認知されるようになることを期待しています」(細木氏)

「京都eスポーツ振興事業は3カ年計画で進めており、来年度はその集大成となります。今まで継続してきたイベントの集大成として、全国からたくさんの人に来てもらえる大規模なオフラインイベントを開催したいですね。そして、さらにこの取り組みを一過性のもので終わらせず、継続していくことこそ我々の使命と感じています」(尾方氏)

「サンガスタジアムは2万人以上収容できるスタジアムです。将来的にはそのポテンシャルをいかした大規模なeスポーツ大会を開催したいと思っています。eスポーツを目的に京都に来られた方がそのまま観光も楽しんでいただき、交流人口の拡大につながることを期待しています。さらにeスポーツを通じ、地域創生や新しい産業の創造を担う人材づくりに貢献できればと考えています」(小森氏)

G-tuneの様子
3名のインタビューの様子

記事内で紹介された製品

G-Tune EM-B

  • G-Tune EM-Bシリーズ
  • ・OS:Windows 10 Pro 64ビット ( Windows 11 Proのダウングレード権を利用 )
  • ・CPU:インテル® Core™ i5-12400F プロセッサー
  • ・メモリ:16GB
  • ・SSD: 512GB NVM Express SSD
  • ・グラフィックカード:GeForce RTX™ 3050 / 8GB
  • ・電源:500W 電源 ( 80PLUS® BRONZE )
  • ・ケース:ミニタワー
  • ・標準保証:初期不良対応1ヵ月+ 1年間センドバッグ修理保証
  • ・電話サポート:24時間365日電話サポート

※e-SPORTS ZONEご導入仕様(カスタマイズ含む)

※モニタ・マウス・キーボードは別売りです。

※当ページの掲載内容および価格は、在庫などの都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。

※該当機種が販売終了している場合、後継モデルへのご案内となります。

G-Tune EM-B
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