『スマスロ ミリオンゴッド』のユニバーサルエンターテインメント社が、遊技機の現場の標準PCにマウスコンピューター「DAIV」を選ぶ理由

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「PGGステージ」シーンのUE5+EmberGen作業

スマスロ「ミリオンゴッド」を筆頭に、迫力ある映像表現を手がけるユニバーサルエンターテインメント社。同社ビジュアルコンテンツ部では、Unreal Engine5(以下、UE5)によるリアルタイムレンダリングやAfter Effectsでの高負荷なコンポジット作業が日常的に行われている。今回は制作現場を支える3名に、マウスコンピューター「DAIV」を“遊技機開発の標準PC”として採用し続ける理由を聞いた。

リアルタイムCGも重視した遊技機開発を支える「DAIV」の構成とは?

ユニバーサルエンターテインメント社 ビジュアルコンテンツ部の現在のメインツールはMayaとAfter Effects。テクスチャ作成にはSubstance 3DやPhotoshopが用いられ、近年では若手クリエイターを中心に、背景などのアセット制作においてBlenderの活用も進んでいる。

そして、近年の同社の映像制作で欠かせないのが、約5年前から導入しているUnreal Engineだ。2000年代からリアルタイムチップを用いて3Dデータを直接制御し描画する知見を持っていた背景から、6割から7割の完成度をリアルタイムで担保できるUE5はツールとしてスムーズに浸透していったという。

多様なツールが混在する制作環境において、同社がPCに求めるのは「CPU、GPU、メモリの3つが高い次元でバランスしていること」。現在、現場で主力として稼働しているマウスコンピューターのDAIV FXシリーズは、まさにその要件を体現した構成となっている。

ユニバーサルエンターテインメント社開発本部
ビジュアルコンテンツ部 標準PC DAIV FXシリーズ

ユニバーサルエンターテインメント社で使用されているDAIV FXシリーズ
  • CPU:インテル® Core™ i9-13900KF プロセッサー
  • GPU:NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti
  • メモリ:64GB
  • ※CPU・メモリをBTOにてカスタマイズしています
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映像制作とひと口に言っても、作業内容によってPCに要求されるリソースは全く異なる。After Effectsを用いた作業が全体の7~8割を占める同社の環境においては、何よりも強力なCPUと大容量のメモリが必要。メモリに関しては64GBが必須ラインだ。

一方で、UE5を用いたレベルデザインやプレビュー、リアルタイム流体シミュレーションツールEmberGenの利用においては、高性能なGPUの存在も不可欠。どちらか一方に特化するのではなく、どちらの作業を行なっても軽快に動作するスペック構成が求められている。

また、同社においては「社内外を含めたスペックの標準化」も重要視されている。突出したスペックのPCで制作された重量級のデータを、一般的なスペックのPCを使用している他のスタッフや外部の協力会社に引き継ぐと、ファイルを開くことすら困難になるというボトルネックを生み出してしまうからだ。円滑な共同開発を進めるために、「平均化された標準スペック」を慎重に見極めているという。

高負荷シーンに見る、遊技機開発の過酷な処理要求

「PGGステージ」シーンのUE5+EmberGen作業

「PGGステージ」シーンのUE5+EmberGen作業

UE5で構築された「PGGステージ」のシーンでは、画面内に約1億6千万ポリゴンにも及ぶ巨大なGOD城の3Dモデルと、EmberGenで生成された雲海エフェクトが広範囲に配置されている。約163秒( 4,900フレーム)にわたるこのシーンのコンテンツデータ量は約40GBに達し、プレビュー上の実測値は約7fpsまで低下。アンチエイリアスのサンプル数を下げる代わりに解像度をWQHDの2倍( 2,880×5,120)で出力し、後から縮小することでジャギーを緩和しつつレンダリング時間を短縮するという、現場ならではの工夫が凝らされている。

「PGGステージ」シーン
「PGGステージ」シーン

「PGGステージ」シーンにおいて、GOD城と衝突判定がある雲海はEmberGenで制作されている

「ガイアステージ」シーンのUE5作業

「ガイアステージ」シーン

「ガイアステージ」のシーンでは、数百個を超える高精度の3Dモデルに加え、オーロラや煙などの重いエフェクトが詰め込まれている。こちらのコンテンツデータ量は約27GB。エフェクトを事前計算させるためのウォームアップ値に500フレームを要し、プレビューのfpsは約5fpsに留まる。

「太陽の戦車」シーンのAfter Effects作業

After Effectsでのコンポジット作業の一例として、「太陽の戦車」シーンでは、モデルや炎など約7,600枚を超える素材に対して細かなエフェクトが加えられている。画面揺れの演出で見切れないよう、WQHDからさらに10%余白を持たせた解像度(1,584×2,816)で出力が行われており、フッテージ内のデータ量は約26GBに達する。このシーンのレンダリングには、プロキシを使用しない場合で約2日間、プロキシを使用しても約6時間を要するという。

After Effects作業画面

現場のクリエイターは、これら重量級の3Dレンダリングを走らせながら、並行してAfter Effectsでの作業を進めることも珍しくない。メモリ64GBという大容量であっても、タスクマネージャーのグラフが常に高い水準に張り付くほど、遊技機開発の現場はPCにとって過酷な環境だ。

PC負荷状況

PGGステージ、ガイアステージ、太陽の戦車シーンの全データを同時に開いている時の負荷状況。CPUは83%、メモリは84%、GPUは55%の使用率に達している

ユニバーサルエンターテインメント社ではなぜマウスコンピューターが選ばれ続けるのか?

ユニバーサルエンターテインメント社では5年以上前から、マウスコンピューターの製品群を継続して導入している。部署ごとに異なるメーカーのPCが混在することで、トラブル時の原因究明やパーツ交換といったメンテナンスのフローが複雑化していた課題を解決するため、開発に関わる全部署の機材をひとつのメーカーに統一し、保守管理を一本化するという方針を打ち出した。

この方針のもと、大量発注に対する供給能力の高さ、初期不良の少なさ、そして長期使用における故障率の低さが評価され、マウスコンピューターが選定された。IT部門からも「導入以来安定稼働しているため、他メーカーへの切り替えを検討する必要性を感じない」という声が上がっている。

ユニバーサルエンターテインメント社で使用されているDAIV FXシリーズ

ユニバーサルエンターテインメント社で使用されている「DAIV FXシリーズ」。筐体のデザインや、持ち運びを考慮したケース上部のハンドル設計も評判だという

近年のグラフィックボード、特にRTX 4000番台以降の製品は発熱量が大きく、筐体内に熱がこもるとサーマルスロットリング(過熱を防ぐための意図的な性能低下)が発生し、レンダリング速度が著しく低下してしまうリスクがある。DAIV FXシリーズの大型筐体は、フロントからの強力な吸気と計算された排熱経路によって、この熱問題をクリアしている。先述した高負荷の処理を連続して行っても熱によるパフォーマンスの低下が起きにくく、想定通りの所要時間でレンダリングが完了する。

また、静音性の高さも現場から高く評価されている。過去にテスト導入された他社製のハイスペック機では、高負荷時のファンの騒音がストレスになっていたという。DAIVはCPUに水冷クーラーを採用していることもあり、重い処理を回している最中でも不快な騒音が抑えられ、作業に集中できるようになったとのことだ。

クリエイティブな業務は、追求すればいくらでも時間をかけることができてしまう。そのため、部門の統括者は、不必要な長時間労働をいかにして防ぐかを常に意識している。現場のマネージャーは「レンダリングなどでの待ち時間が発生しても、PCの処理能力に余裕があるため、裏で計算を回したまま次の作業を並行して進められる」と語る。

「残業しなくても安定して高いパフォーマンスを発揮できる環境」を用意することが、ひいてはクリエイターのモチベーション維持と、質の高いコンテンツを継続的に生み出すことに繋がるのだ。

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