商環境やオフィスの内装デザインを手がける、船場のRevit×Enscape活用事例
軽やかなBIM推進を支えるノートPC「DAIV」

株式会社船場にインタビュー

商空間をはじめとした多様な空間づくりを手がける株式会社船場では、2019年よりBIM推進を開始し、現在では年間約200件ものプロジェクトでRevitとEnscapeを活用している。
本記事では、船場 BIM CONNECT本部の大倉 佑介氏と野畠 滉氏の2名を迎え、BIM推進の現在地と、推進を支えるマウスコンピュータークリエイター向けノートPC「DAIV」の活用状況について聞いた。

野畠 滉氏、大倉 佑介氏

株式会社船場/SEMBA CORPORATION 1947年創業。空間創造における調査・企画から、デザイン・設計、制作・施工、演出まで、年間4,000件のプロジェクトを国内外で手がける。
www.semba1008.co.jp/ja
www.instagram.com/semba_corporation/

BIM推進に伴って導入された、クリエイターを重圧から解放するノートPC「DAIV」

――まずは船場のBIM推進についてお聞かせください。

大倉 佑介氏(以下、大倉):2019年、生産性向上や新たな価値創出を主な目的としてBIM推進室を立ち上げました。社内でこの取り組みを推進していくための切り口として、内装のビジュアライゼーションに目を向け、早い段階でEnscapeを導入しました。

大倉 佑介氏

大倉 佑介氏/株式会社船場 BIM CONNECT本部 戦略企画部 部長

大倉:内装は建築に比べて仕上げのマテリアルが多く、かつ設計変更が頻繁に発生します。しかし2Dの図面と少数のCGパースだけでは、関係者全員が完成形を正確にイメージするのは困難で、オープン後に「想像とちがう」という課題がありました。RevitとEnscapeを連携させてリアルタイムで空間をビジュアライズしていくことで、クライアントをはじめとする関係者間でのコミュニケーションが非常にスムーズになりました。現在では、飲食店、物販店、大型商業施設、ホテル、オフィスなど、年間約200件のプロジェクトで活用しています。

東武スカイツリーライン草加駅直結の商業施設「草加ヴァリエ VARIE1」におけるビジュアライズの実例。Enscapeによるレンダリング結果

東武スカイツリーライン草加駅直結の商業施設「草加ヴァリエ VARIE1」におけるビジュアライズの実例。Enscapeによるレンダリング結果

竣工写真

竣工写真

大倉:最近は、特にオフィス空間のデザインにおけるビジュアライズの需要が高まってきていると感じています。大型商業施設などのデザインの場合、専任の店舗開発担当の方がいて、図面もある程度見慣れているケースが多いですが、オフィス空間のデザインの場合には、総務や人事といった、普段図面を目にする機会がない方が窓口を担うことも少なくありません。プレゼンテーションの段階でも、設計の段階でも、Enscapeでのレンダリング結果や制作した動画でイメージを共有することで、議論がより活発になります。

――野畠さんは設計職として入社後、どのようにBIMを習得されましたか?

野畠 滉氏(以下、野畠):私は社内で行なわれたBIM教育施策の第1期生としてRevitやEnscapeを触りはじめたのですが、そこからビジュアライゼーションや動画制作の面白さにのめり込んでいきました。

野畠 滉氏

野畠 滉氏/株式会社船場 BIM CONNECT本部 戦略企画部 BIMデザインチーム 主任

――社内への普及が進む中、ハードウェア環境にも変化がありましたか?

大倉:BIMを推進し始めた2019年当時はデスクトップPCも使用していましたが、コロナ禍による在宅勤務への移行や、クライアント先・現場への持ち出しが増えたことで、ノートPCへの完全移行が決まりました。ただ、当時使用していたノートPCは非常に重かったので、2022年に軽量かつ高性能なマウスコンピューターの「DAIV」を選定しました。納期も選定の決め手になりましたね。当時はロックダウンや半導体不足の影響で、PCの納品は7〜8ヶ月待ち、というケースも多かったなか、マウスコンピューターは国内製造のため「1週間で納品可能です」とスピーディに対応してくれました。

――毎年、導入台数も増えているそうですね。

大倉:船場では2019年から毎年20〜30人ほどを対象に独自の内装BIM教育を実施してきました。BIMを活用できるメンバーの増加に伴い、DAIVの導入台数も、2022年の5台からスタートし、23年に25台、24年に20台、そして25年には40台と増加してきています。実務でRevitやEnscapeを触らない管理職のメンバーでも、Enscapeから書き出した実行ファイルをチェックしてフィードバックする、というフローが定着しつつあるので、そういったメンバーもDAIVを使用しています。

RevitとEnscapeが快適に駆動する、GeForce RTX 4070 Laptop GPUと32GBメモリ

――PC選定にあたって重視されたスペックを教えてください。

大倉:RevitとEnscapeを快適に稼働させるためには、GPU性能が最も重要です。現在はGeForce RTX 4070 Laptop GPUを標準としています。

また、メモリに関しては32GBが必須です。16GBでは、大規模なプロジェクトを開いた際に処理が追いつかず、実業務に支障が出てしまいます。

一部のメンバーからはさらに上位のスペックを求める声もありますが、コストとのバランスも踏まえ、原則部署全員のPCのスペックを統一しています。

DAIV Z6-I9G70SR-A

    船場 導入モデル:DAIV Z6-I9G70SR-A

  • CPU:インテル® Core™ i9-13900H プロセッサー
  • GPU:GeForce RTX™ 4070 Laptop GPU
  • メモリ:32GB(16GB×2 / デュアルチャネル)
  • パネル:16型 液晶パネル(ノングレア/sRGB比100%/Dolby Vision対応)
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――Enscapeではどういった場面で負荷が高くなりますか?

野畠:やはり空間の規模が大きい商業施設などはデータが重くなります。また、内装特有の事情として、間接照明や複雑なマテリアルのテクスチャ、そして植栽などの細かなオブジェクトを大量に配置するため、ポリゴン数や光の計算負荷が跳ね上がります。

サラベス BASEGATE横浜関内店における内装ビジュアライゼーションの実例

Enscapeによるレンダリング結果

Enscapeによるレンダリング結果

竣工写真

竣工写真

「店内に点在する間接照明の表現や、カトラリーや植栽などのアイテムの多さによって、PCにもかなり負荷がかかります」(野畠)

「店内に点在する間接照明の表現や、カトラリーや植栽などのアイテムの多さによって、PCにもかなり負荷がかかります」(野畠)

Revitで作成したBIMモデル

Revitで作成したBIMモデル

大倉:最近増えているオフィスの内装デザイン案件でも、ワンフロアに1,000席以上のデスクと椅子が並ぶようなレイアウトでは、椅子を1つ配置・変更するだけで相当な処理能力が求められます。

そうした重いデータをスムーズに扱うために、GeForce RTX 4070と32GBメモリは欠かせない条件ですが、DAIVは標準構成でこのスペックを満たしており、カスタマイズによる納期の遅れを気にせず導入できるのが素晴らしいポイントです。

――実務上、DAIVのどのような点を評価されていますか?

野畠:ディスプレイサイズが16型と大きめな点が非常に気に入っています。以前使っていたノートPCは15.6型だったのですが、0.4型大きくなっただけでも、RevitなどのCADソフトの操作画面が広く使えて快適に感じました。DAIVの場合、画面のベゼル(縁)も細いので没入感があります。社内でのちょっとした打ち合わせなら、外部モニタに繋がなくてもノートPCの画面を見せるだけで十分に意図が伝わります。

大倉:そして何よりも“軽さ”です。本体重量が約1.60kgと軽量なのはもちろんですが、私たちにとって革命的だったのが、ACアダプタの小ささと軽さでした。GeForce RTX 4070を搭載するようなハイエンド機は、200W以上の巨大で重いACアダプタが付属しているケースが多いです。しかし、DAIVのACアダプタは薄型でコンパクトです。カバンに入れた際の総重量が軽くなったことで、持ち運びに対して挙がっていた「重くて大変」という社内の不満は解消されました。

――クライアントのオフィスにPCを持ち込むことも多いですよね。

野畠:はい、やはり打ち合わせの場では、DAIVのようなどんな空間にも馴染むスマートで落ち着いたデザインが扱いやすいですね。プレゼンテーションの主役はあくまでもデザインの提案。ノイズにならない点は重要です。

打ち合わせの様子イメージ

――船場の内装ビジュアライゼーション、今後はどのような発展を見据えていますか?

大倉:現在は主にクライアントとの合意形成やプレゼンツールとして機能しており、顧客満足度の向上に大きく貢献しています。今後はさらに、ビジュアライゼーションそのものをクライアントにとって価値をもつコンテンツとして提供していきたいです。

「1点もののアートパネルや、集成材を使用した机の側面まで、現物に即した丁寧なビジュアライズにこだわっています」(野畠氏)

「1点もののアートパネルや、集成材を使用した机の側面まで、現物に即した丁寧なビジュアライズにこだわっています」(野畠氏)

大倉:百貨店のリニューアルオープンの際には、工事期間に施主のSNSで完成予想のフルCGショート動画をながし、プロモーションとして活用いただいた実績があります。オフィス空間の設計においても、「ここで働きたい」と従業員や求職者が期待感を持てるようなPR動画を納品し、企業の採用活動やブランディングに役立てていただくような提案にチャレンジしています。

野畠:人の目線の高さでまっすぐ進むだけのウォークスルー動画に留まらず、テレビCMや広告業界のプロモーション映像などを参考にしながら、記憶に残る映像体験を研究しています。BGMのテンポに合わせてカットを切り替えたり、ペンダントライトを真上から見下ろすような、現実のドローン撮影でも難しい、CGならではのカメラアングルを取り入れたりしています。動画制作をする機会も増えてきたので、その点でも高スペックなノートPCは必要不可欠ですね。

設計者自身がEnscapeを操作して「この角度が空間を一番美しく見せられる」とディスカッションしながら画づくりができるのは、BIMとリアルタイムレンダラを設計者が直接扱える環境があるからこその強みです。

大倉:内装業界にこれまでなかった見せ方や、CGだからこそ可能な表現を追求していくことで、内装デザインの価値をより高めていける。そう考えています。今後もDAIVの高い処理能力と機動力を活用しつつ、内装BIMの可能性をさらに広げていくつもりです。

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