大容量3Dデータの処理速度を
測量技術専門商社の神戸清光が検証

大容量3Dデータの処理速度を測量技術専門商社の神戸清光が検証

測量および建設で用いられている3D画像の処理や編集を行うソフトウエアをPCとともに販売している神戸清光は、ユーザーに最適なPCの基準を決めるべく、最新のPCとGPUを使って検証を行った。
検証の結果、神戸清光はマウスコンピューターの「DAIV FX-I9G90」、「DAIV FX-I7G70」、「DAIV 6N」をユーザーにお薦めするPCとして選んでいる。

 測量計測機販売商社である神戸清光は、建設業界で使われるトータルステーションや3Dレーザースキャナー、ドローンなどの測量機械、3D CADソフト、3D施工データを扱うソフトウエア、施工管理システム、マシンコントロール・マシンガイダンスなどのさまざまな製品を販売している。

 「国土交通省が建設現場にICTを活用して生産性の向上を図るi-Constructionを進めているように、我々もここ10年は紙から3次元データを活用していく取り組みを進めています」と株式会社神戸清光 代表取締役 走出 高充氏は話す。

株式会社神戸清光 代表取締役 走出 高充 氏

株式会社神戸清光 代表取締役 走出 高充 氏

 一方で課題となっているのは、大量の3次元データを扱う際の処理時間の長さだ。「これまでは各営業社員が思い思いのスペックのPCをお客様に提案していました。しかし、年々PCのスペックが上がってきているので、最新のグラフィックボードを搭載したPCを検証し、どれくらいのスペックのPCであれば作業時間をどれだけ短縮できるかを明確にして、営業としてお客様にお薦めするPCの基準を決める必要があると考えました」と走出氏は説明する。

スペックと目的別に6機種を検証

 神戸清光では、これまで同社で利用してきた2台のノートPCと1台のデスクトップPCに加え、マウスコンピューターのクリエイター向けハイエンドモデルの「DAIV FX-I9G90」、コストパフォーマンスの高いクリエイター向けミドルモデルの「DAIV FX-I7G70」、持ち運んで現場でも使えるクリエイター向け16型ノートPCの「DAIV 6N」の3台、計6モデルで検証を行った。

モデル CPU メモリ GPU
DAIV FX-I9G90 インテル Core i9-13900KF 64GB NVIDIA GeForce RTX 4090
DAIV FX-I7G70 インテル Core i7-13700KF 32GB NVIDIA GeForce RTX 3070
DAIV 6N インテル Core i7-12700H 32GB NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop
既存ノートPC1 インテル Core i9-11900H 64GB NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop
既存ノートPC2 インテル Core i9-10855H 32GB NVIDIA GeForce RTX 2060
既存デスクトップPC AMD Ryzen 3 3100 16GB NVIDIA GeForce GTX 1650

検証機6台の主なスペック
※モデル、スペックは検証当時のものであり、現行の販売製品とは異なる場合がございます

高負荷の作業でも高いパフォーマンスを発揮するハイエンドモデル「DAIV FX-I9G90」と、コストパフォーマンスに優れるミドルモデル「DAIV FX-I7G70」

高負荷の作業でも高いパフォーマンスを発揮するハイエンドモデル「DAIV FX-I9G90」と、コストパフォーマンスに優れるミドルモデル「DAIV FX-I7G70」

 今回の検証において、マウスコンピューターのPCを加えたのはなぜか。走出氏は「当社では今まで、マウスコンピューターのPCにソフトウエアを載せて販売してきた実績があります。マウスコンピューターはBTOで細かなスペックを決められるのが良いですね。そのうえ、24時間365日サポート対応してくれるのも安心です。当社の顧客にトラブルがあった際、アプリに原因がないと分かれば、すぐにマウスコンピューターのサポート窓口を紹介してきました。その結果、問題解決せず我々のところに問い合わせが戻ってきたケースは今まで一度もありません」と、顧客に安心して推奨できる信頼性を語った。

 検証ではまず最初に、ドローンを使って撮影した複数の写真から、対象の形状を3次元画像にするSfM(Structure from Motion)処理の時間を計測した。自律飛行で撮影した画像418枚を使用して、「Agisoft Metashape」というソフトで総点群数2億2,700万点の3次元データを作成する。

DJI Matrice 300 RTK
ドローン搭載ジンバルカメラDJI Zenmuse P1

撮影機材は、産業用マッピング検査用ドローンであるDJI Matrice 300 RTKと、ドローン搭載ジンバルカメラDJI Zenmuse P1

 高密度点群を作成する時間は、「DAIV FX-I9G90」で29分43秒、「DAIV FX-I7G70」で36分37秒、「DAIV 6N」で130分0秒だった。既存の3台のPCはいずれもDAIVモデルより時間がかかり、「DAIV FX-I9G90」の約5~9倍の時間がかかる結果となった。

 「DAIV 6N」と同じGPU(NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop)と、倍のメモリを搭載している既存のノートPCでは、処理に145分0秒かかっており、処理時間に大きな差が出ていることが分かった。

高密度点群作成時間 DAIV FX-I9G90との比較
DAIV FX-I9G90 29:43:00 100%
DAIV FX-I7G70 36:37:00 123%
DAIV 6N 130:00:00 437%
既存ノートPC1 145:00:00 488%
既存ノートPC2 168:00:00 565%
既存デスクトップPC 270:00:00 909%

Agisoft Metashapeを使ったSfM処理時間の検証結果

 ドローンで撮影した写真の位置ズレをなくして、地上の様子を正確に1枚のひずみがない写真にするオルソ画像を作成する時間は、「DAIV FX-I9G90」で9分7秒、「DAIV FX-I7G70」で9分18秒、「DAIV 6N」で13分6秒となり、「DAIV 6N」と同スペックのノートPCは15分51秒と既存のノートPCよりも処理時間がいずれも短く、既存のデスクトップPCに至っては処理を終了することができなかった。

オルソ画像作成時間 DAIV FX-I9G90との比較
DAIV FX-I9G90 9:07:00 100%
DAIV FX-I7G70 9:18:00 102%
DAIV 6N 13:06:00 144%
既存ノートPC1 15:51:00 174%
既存ノートPC2 20:41:00 227%
既存デスクトップPC N/A

オルソ画像作成時間の検証結果

Agisoft Metashapeでのオルソ画像作成画面

Agisoft Metashapeでのオルソ画像作成画面

 ドローンが撮影した418枚の画像から高密度点群やオルソ画像を作成する検証では、既存のPCよりもDAIVモデルのほうが処理時間が短くなることが実証された。

 同じグラフィックカードを搭載し、メモリが倍のPCよりも、「DAIV 6N」のほうが高速だった理由は何か。走出氏は「ノートPCは特に発熱に弱く、熱がこもるとパフォーマンスが落ちます。『DAIV 6N』は他のメーカーのノートPCよりも効率よく放熱できるような設計がされており、パフォーマンスを落とすことなく処理を進められているのではないでしょうか」と推察している。

「今回は418枚で検証していますが、実際の業務では数千枚の写真を処理する必要があります。たとえば2,000枚の写真を処理すれば今回の結果の5倍の時間がかかることになり、うまく放熱できなければもっと時間がかかることにもなります。これまでは、帰宅前に処理を開始させて次の日の朝に確認することが多かったのですが、PCがフリーズして処理をやり直さなければならなかったことも少なくありませんでした。しかし、DAIVでこれだけ高速な処理ができれば、作業を大きく効率化することができます」

スペックの差が処理時間の差につながる

 続いては、インフラ構造物の点検や設備などの設置・設計・メンテナンスに必要な3D画像を作る点群データを合成する「Leica Cyclone REGISTER 360」を使った検証だ。

ポータブル3DレーザースキャナーのLeica RTC360
ドローン搭載ジンバルカメラDJI Zenmuse L1

撮影機材は、ポータブル3DレーザースキャナーのLeica RTC360と、ドローン搭載ジンバルカメラDJI Zenmuse L1

 機械点42点、総点群数11億5,100万点の点群データの合成処理を自動で行った結果、DAIVの3機種は1時間以内に処理を終えた。それに対し、既存のPCは約1.5~2.5倍の処理時間がかかっている。SfM処理の検証と同様に、「DAIV 6N」と既存ノートPCの1モデルを比較すると、10分以上の差が出ている。点群の座標値を汎用で使えるようにするためにE57形式で出力した検証でも、DAIVの3機種が既存のPCよりも短い時間で処理を終えている。

自動合成時間 DAIV FX-I9G90との比較 E57形式出力時間 DAIV FX-I9G90との比較
DAIV FX-I9G90 44:50:00 100% 17:45:00 100%
DAIV FX-I7G70 46:31:00 104% 19:34:00 110%
DAIV 6N 55:36:00 124% 23:20:00 131%
既存ノートPC1 66:47:00 149% 29:55:00 169%
既存ノートPC2 78:27:00 175% 32:30:00 183%
既存デスクトップPC 108:03:00 241% 43:39:00 246%

Leica Cyclone REGISTER 360を使った自動処理と汎用データ出力の検証

Leica Cyclone REGISTER 360における点群の合成処理時の画面

Leica Cyclone REGISTER 360における点群の合成処理時の画面

 E57形式の点群データ(総点群数11億5,100万点の市街地計測データと総点群数2億2,700万点の山間部LIDARデータ)をインポートする検証の結果は、以下の表の通りだ。走出氏はこの結果に対して「汎用の点群データを編集のためにインポートする待ち時間の長さも、作業者にとってはストレスです。NVIDIA GeForce RTX 3070を搭載した『DAIV FX-I7G70』は、処理速度の速さに対して、コストパフォーマンスが非常に高いと感じます」と話している。

①インポート時間 ②山間部LIDARデータの
地表面フィルタリング
③山間部LIDARデータの
メッシュ処理
市街地データ 山間部データ 市街地データ 山間部データ
DAIV FX-I9G90 2:15:00 0:33 100% 100% 1:10:00 100% 3:31:00 100%
DAIV FX-I7G70 2:31:00 0:35 112% 106% 1:19:00 113% 3:55:00 111%
DAIV 6N 3:24:00 0:49 151% 148% 1:38:00 140% 4:24:00 125%
既存ノートPC1 3:35:00 0:58 159% 176% 1:47:00 153% 5:06:00 145%
既存ノートPC2 5:47:00 1:05 257% 197% 2:19:00 199% 5:52:00 167%
既存デスクトップPC 8:35:00 2:11 381% 397% 3:30:00 300% 11:00:00 313%

福井コンピュータの「TREND-POINT」を使った処理時間の検証

 インポートした点群データから地表面を確認するために木などのデータを取り除く地表面フィルタリングや、地形をよりリアルに見えるようにするメッシュ処理の処理時間の検証でも、DAIVの3機種のほうが処理時間が短いという結果となっている。

TREND-POINTでのメッシュ(三角網)処理時の様子

TREND-POINTでのメッシュ(三角網)処理時の様子。インポート時間、地表面フィルタリング、メッシュ処理のいずれでも、既存のデスクトップPCは、「DAIV FX-I9G90」の3倍以上の処理時間がかかっている

ユーザーニーズに合わせたスペックのPCを提案

 検証を通じてDAIVブランドの3機種を使ってきた走出氏は、処理速度以外にも気に入った点があるという。「グラフィック用のPCは、重く大きくなりがちですが、『DAIV FX-I9G90』と『DAIV FX-I7G70』は筐体のデザイン性が高く、かっこいいですね。拡張性が高いところも気に入ってます。キャスターが付いていて、移動しやすいところも便利ですね。DAIVのノートPCはここ1~2年でさらに軽量化が進んでいるという印象があります。現場でもハイパフォーマンスな処理ができるのは、かなり助かります」

DAIV 6N

「DAIV 6N」は、スタイリッシュで高機能。16インチのディスプレイを持ちながら1kg台の軽量化を実現している

多くのスロットがあり、拡張性が高い「DAIV FX-I9G90」と「DAIV FX-I7G70」は、背面のキャスターを使って楽に移動できる構造となっている

多くのスロットがあり、拡張性が高い「DAIV FX-I9G90」と「DAIV FX-I7G70」は、背面のキャスターを使って楽に移動できる構造となっている

 今回の検証結果により、営業社員からは「点数が少なければPCスペックの違いによる処理の時間差は少ないですが、点数が多くなればなるほどスペックの違いが顕著に出てくることが分かりました。快適に作業するには『DAIV FX-I7G70』が最低限必要で、予算が合えば『DAIV FX-I9G90』も視野に入れた提案が必要だと感じました」といった意見や、「価格と性能のバランスを考えて、最高性能の『DAIV FX-I9G90』をお薦めするか、外出先での処理を考えて『DAIV 6N』と『DAIV FX-I7G70』の2台をお薦めするなど、お客様のニーズを合わせた提案が必要だと感じました」といった意見が出てきているという。こうした提案をするための裏付けとなる検証データを持てたことは、神戸清光にとっても意義があると走出氏はいう。

 「もちろん、お客様の要望があれば他社のPCを用意することもできますが、動作検証済みのマウスコンピューターのDAIVをお薦めしたいですね。我々が扱うソフトウエアは特殊なものなので、PCによっては動かなかったりすることもあり、検証と動作確認がしっかりできているPCを販売したいと考えています。ソフトウエアとの相性という面では、これまでも他社に比べて最もトラブルなどが少なかったのは、マウスコンピューターのPCでした。当社でも、3次元データを扱うために、DAIV製品をこれからも活用していきたいと思います」(走出氏)

 最後に走出氏は次のように今後のビジネスを語ってくれた。

 「ドローンを使って3D画像を作成するというニーズは、今後建設業界だけではなく、さまざまな分野に広がっていくと思います。我々もCGやバーチャル空間を作っている会社、映像業界とのつながりが非常に増えてきていて、3次元の座標値を便利に使うことができることに気づき始めた会社が多くなっていると感じています。神戸清光としても、常にアンテナを張りながら、建設業以外でも3次元データを便利に使える機器やソフトウエアをご紹介していきたいと考えています」

「今回の検証により、3次元データをストレスなく活用するには、マウスコンピューターのPCが良いことを裏付けを持って顧客に説明できます」と走出氏

「今回の検証により、3次元データをストレスなく活用するには、マウスコンピューターのPCが良いことを裏付けを持って顧客に説明できます」と走出氏

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