好きを追い続けた
先にあった、
3Dモデリング
という仕事。

studio picapixels代表
デジタルアーティスト/3DCGモデラ―
帆足 タケヒコ

帆足 タケヒコさん

日本初のモデリング専門会社studio picapixelsを設立し、これまでに、King Gnu常田大希さんが手掛けるプロジェクト「millennium parade」の楽曲『Fly with me』のMVや『SPACE BATTLESHIP ヤマト』で3DCGデザイン・モデリングなど、多岐にわたる活躍をされている帆足タケヒコさん。
今回は3DCGやモデリングにおける黎明期から実制作の最前線にいた帆足さんに、ご自身のスタイルや作品との関わり方とともに、モデリングとPCの関係性について語っていただきます。
また、2020年9月25日公開の実写映画『映像研には手を出すな!』で実際に登場するロボットを例に、モデリングの工程をメイキングムービーで紹介します。

『映像研には手を出すな!』3DCG制作メイキングムービー

『映像研には手を出すな!』VFXブレイクダウンムービー

アナログによって、培われたものづくりへの想い

元々ガンプラが好きだったんです。今思えば、メカ好きになった原体験にも繋がっているのだと思いますね。始めたのは小学校6年生くらいでしょうか。自分で作ったガンプラをコンテストに出して賞を貰ったこともありました。
模型を作って、色を塗って、汚しを入れて、格好良くしていく、という過程はアナログかデジタルかの違いだけで、今仕事にしていることと何ら変わりはないです。
親父も、ものづくりが好きでジャンクパーツを集めて車を作ったり、自分でバンを改造してキャンピングカーを作ったりしていました。夢のあるおやじでしたね(笑)。
そういった土壌があったからこそ、ものづくりへの想いが自然と培われたのかなと。
あの頃体験したことや作っている時の工夫は、全部今に活きていると感じます。

アナログによって、培われたものづくりへの想いを語って下さる帆足 タケヒコさん

3DCGとの出会いによって始まったキャリア

これまでの経歴がすごく長くてですね。3DCGに関わるようになったところから話しますと、新卒では、バンプレストという会社でアーケードゲームのプロデューサーをやっていました。その会社に「スタジオ・デュース」という3DCGを扱う部署があったんです。キンキンに冷えた暗室で唸るマシンを扱う光景があまりに格好良くて。そこから3DCGに興味を持ちましたね。自分も3DCGをやりたいと上司に言ったんですが駄目で。諦めきれず会社を辞めて、当時FF7を作るために人を募集していたスクウェアに入社しました。知識が少しあったくらいで3DCGをやったことはなかったんですが、できる体で入りましたね。当時は家にマシンの用意なんてありませんから、本を読みながら独学で勉強しつつ、わからないことは会社で知見のあるスタッフに聞いていました。触ることでツールの特性を覚えて、その都度学んでいく感じです。機材の進化と一緒に学んだ第一世代なんじゃないですかね。
その後、会社が映画を作るためにホノルルにスタジオを作るという話が出まして、ハワイに拠点を移しました。そこでは、FFの映画製作に関わっていました。帰国した後は、会社を移りながらゲームの制作にずっと携わっていたのですが、メカモデリングがしたい、また映画をやってみたい気持ちはずっと持っていたんです。

3DCGモデリングの作業風景

好きを追い続けた先に、今のスタイルがあった

ハワイで一緒に仕事をしていた人に紹介いただいて、山崎貴監督と知り合ってからは個人的に映画の仕事もいただくようになりましたね。その頃は、会社で仕事をしつつ、家では山崎組の映画の仕事をしていました。
本格的に誘われたのは、佐藤嗣麻子監督の『K-20 怪人二十面相・伝』です。そこに登場する「テスラタワー」というCGのプロップで、初めてデザインとモデリングを担当しました。これが結構好評だったみたいで、山崎監督からはその後デザイン込みで仕事が来るようになりましたね。
そのあとが実写の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』ですかね。ヤマトもデザイン込みでモデリングの作業をしていました。ヤマトは子供の頃から本当に大好きな作品だったので、感慨深かったですね。映像のワンシーンを監督とチェックするんですが、その度に涙がこぼれるくらい感動していました。僕の今後を決定的に決めた作品です。長い間いろんなことをやってきたからこそ、自分の好みや得意なものが見えてきたのだと思っています。

デザインとモデリングを突き詰めることで今のスタイルが確立されたと笑顔で語って下さる帆足 タケヒコさん

最上級のクオリティで挑んだ、実写映画『映像研には手を出すな!』

作品に携わるようになった経緯は、元々お付き合いのあったスタジオ・バックホーンのVFXスーパーバイザーでもある村上優悦さんにお声がけをいただいたのがきっかけです。
僕の強みは、デザインからモデリングまで一貫して行えるところ。直したいところがあったとしても僕に言ってくれれば一括で済むんですね。原作の漫画は読んでいたので、自分が何をするのかを思い描きながら、ワクワクとドキドキが半分ずつの気持ちで挑みました。
僕が今回担当したのは、実写映画に出てくるロボットのモデリングの作業、あとテレビシリーズ版のその他諸々のメカ周りです。『映像研』は元々深夜ドラマ(※1)としての放送だったので、クオリティを何よりこだわりました。深夜帯で、アイドルが出てる、という先入観でチープな作品だと思われてしまうのが絶対に嫌だったんです。
どこから見ても、「CGすごいじゃん!」って言われないといけないなと。そこを特に気をつけて必要以上に作り込みましたね。「どうせこのくらいだろう」と思って見ているユーザーを、いい意味で裏切りたかったんです。なので予算に見合わないクオリティでやりきりました。どんな作品もそうなんですけどね。クオリティで誰にも文句は言わせません。
※1 今回の映画の前身は2019年に公開された実写ドラマ

実写映画『映像研には手を出すな!』について語って下さる帆足 タケヒコさん

現場の温度感をモデリングに落とし込む

フルCG作品と今回のような実写を組み込む作品では、制作工程に違いがあります。
今回のポイントとしては、3DCGを絵として背景と馴染ませやすくにするために、撮影現場の写真を撮り、その色味や馴染みやすい成分をテクスチャーに織り込みました。実際ロボットがこの環境下にいたらどんなふうになるかを想像して、汚れ具合を組んでます。
僕は現場には必ず行くんですが、モデラ―で現場に行く人は僕以外見たことないですね。現場って何人もの人が動いているわけじゃないですか。自分もそのチームの一員として、責任を認識するという意味合いもあります。実際に見ることで、現場の温度感も感じることができますし、モデリングの中にその要素をぜひ入れ込みたいんですよね。

現場の温度感をモデリングに落とし込むことの重要性

高負荷な環境では、自分がPCに気をつかっていた

今まで使用していたPCは10年前に購入したもので、カスタムに詳しい人に組んでもらったものです。
今回DAIVを使用して、タイムスリップしたんじゃないかというくらい速度感や安定感に圧倒的な性能の違いを感じました。今までは、自分がマシンに気をつかっていた感じでしたので。どんな動作を組み合わせるとマシンの動きが危うくなるかが、経験則的にわかるんですよ。蓄積されてきた勘が働いて、避けて通ろうとする癖がついてました。
でも、DAIVは違いましたね。一番変化を感じたのは、リアルタイム周りの描写力です。今まで時間のかかっていた質感の調整がリアルタイムでサクサク確認できるようになり、作業の効率が画期的に上がりました。工程で言うと、テクスチャの部分ですね。モデリングしたものに質感の素材を張り付けるので、頭で描いたものがすぐ反映されるのがいいですね。他の部分だと、メイキングムービーでも説明したUV(※2)の作業も便利になりましたね。2D画面のUVという情報を扱うスピードが非常に遅くて。ビスのような数の多い素材を一気につまむと前のPCだともう返ってこないんですよ。
今まで他の作業でかかると思い計上していた時間がぐっと縮まることで、モデリングをもっと丁寧に時間をかけてできるわけです。モチベーションが途切れることも無くなりましたし、スピード感の向上が制作全体のクオリティを上げていることは間違いないと思います。今まで感じていた問題部分は全て解決しました。今はウィンドウも開き放題ですね。
※2 3DCGモデルにテクスチャをマッピングするとき、貼り付ける位置や方向、大きさなどを指定するための作業のこと

DAIVを使用したモデリングの作業風景

クリエイターPCという安心感

DAIVはマウスコンピューターさんのクリエイター向けPCのラインであるということもあり、その中でカスタムすれば間違いないという気持ちで選びました。カスタムするにあたってポイントにしたのは、グラフィックスですね。グラフィックスとそれに付随するメモリーなどはできるだけいいものを選ぶといいかなと。
あとは、使うソフトにも相性があるので、推奨しているものを積むようにはしています。推奨していないものをつけていると微妙に変な描画になることがあるんですよ。これからPCを購入する人にとっては、値段の幅があるので安く抑えることもできますし、エントリーとしては必要以上のスペックなのではないでしょうか。また、初心者であればあるほどストレスがないほうがいいですしね。ハードウェアに対してストレスがないというのは、伸びしろが生かせるチャンスにもなると思います。自分はそこまでPCに詳しくないので、クリエイター向けPCの言葉がないとPCを選べなかったかもしれないですね。自分がどんなことをしたいのかを考えたときに、道しるべのような言葉がついていると選ぶ方も安心すると思います。

実際にDAIVを使用し作業中の帆足 タケヒコさん

自分自身の創作意欲に向き合う

映像研のキャラクターには共感する部分が多々ありました。同じ種類の人間だなあと(笑)。彼らがやっているような頭の中のごっこ遊びは、自分も幼い頃、山ほどしていましたね。それこそ、ヤマトの主砲をどこにつけたらいいのかなとか。ああいった思考で物事を考えるのが大事なんだと3人には改めて学ばせてもらいました。
今まではPCのスペックが追い付かないこともあって、作ったキャラクターを動かすことを考えたこともありませんでしたが、これからDAIVを使うことによって制作の幅が広がることを想像しています。
映像研の3人が自分の好きなアニメを作っているように、自分も好きなモデリングに向き合って、オリジナルのショートムービーなんかも作ってみたいですね。こういった創作への好奇心が、今後の仕事に繋がっていけばいいなと思います。

実際にDAIVを使用し作業中の帆足 タケヒコさん
帆足 タケヒコさん

studio picapixels代表
デジタルアーティスト/3DCGモデラ―

帆足 タケヒコ

モデリング・アーティスト&コンセプト・デザイナー。
スーツアクター、ゲームプロデューサーを経てデジタルアーティストに転身。日本を代表する数々の映画や CM、PVに参加。2013年に国内でいち早くモデリング専門会社studio picapixelsを設立。コンセプトデザインからモデリング、質感までをトータルで行う。

DAIV Z7-QR4

[OS] Windows 10 Pro 64ビット
[CPU] インテル® Core™ i9-10900X
[メモリ] 64GB(PC4-21300/DDR4-2666)
[グラフィックス] NVIDIA® Quadro RTX™ 4000
[M.2 SSD] 512GB NVMe対応
[電源] 800W 【80PLUS® TITANIUM】

※該当機種が販売終了している場合、後継モデルへのご案内になります。

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