最先端の映像表現の現場で
確かな力を発揮する
ノートパソコン

映像クリエイター
西郡 勲さん

MVやCMだけでなく、音楽ライブで使われる映像やプロジェクションマッピングなどの制作も手がける映像作家の西郡さん。活動を始めた1990年代初頭は、パソコンを使った制作環境が整っていない状況だったが、独自に制作手法と表現方法を模索し、活動の場を広げてきた。表現のためのツールとして常にパソコンと向き合ってきた西郡さんに、クリエイター向けのノートパソコン「DAIV-NG7600」シリーズとこれからの映像表現について聞く。

最先端の映像表現の現場で確かな力を発揮するノートパソコン

――― 映像作家の西郡さんは、CMやMVに加え、ゲームやドラマのCG映像、さらにはプロジェクションマッピングなど、実に幅広いジャンルで活躍するクリエイターだ。映像関連の分野ではすでに20年以上のキャリアを持ち、国内外のコンテストでもさまざまな賞を獲得。今も新たなジャンルでの表現に意欲を見せているが、その活動のきっかけは高校時代に行ったクラブイベントにある。

西郡 「あるイベントで目にしたVJの映像にすごく衝撃を受けたんですよ。その場ですぐにどんな機材を使って、どう作っているのか聞いたら、『Amiga』という映像に特化しているパソコンを使っていることがわかりました。たまたま僕が通っている高校の近くに扱っているお店があったのですが、かなり高価なパソコンだったので、寝る間を惜しんでバイトをし購入しました。そこから自力でCGの作り方や映像編集を学んでいきましたね」

――― それは1990年代始めのことで、当時はまだVJという言葉もなかった。それでも自作した映像テープがライブ関係者の目にとまるようになり、高校在学中からVJとして活動することとなる。実は西郡さんは、それ以前にはパソコンを触れた経験はほとんどなかったという。いきなり特殊な環境から入ったことで、パソコン選びの基準は独特かつ明確なものとなった。

西郡 「とにかく映像が作りたいからパソコンに触れるようになったわけで、いまだに自分がパソコンを買う基準は『どれだけよい映像を作れるか』だけですね!デザイン性も関係なくて、どれだけ映像が動くか、どれだけ作業しやすいかが重要です」

――― Amiga以降も、まず映像制作ありきで選択。グラフィック関連ではMacの存在感が増しつつある頃だったが、西郡さんが選んだのはWindowsマシンだった。

西郡 「1990年代前半に『Adobe Photoshop』のWindows版が発売されたんです。その頃、Amigaは勢いがなくなってきていました。さらにAmiga用で出ていた『LightWave』という3DCGソフトも、Windows版が登場したんです。そこでAmigaとのお別れを決めましたね(笑)」

――― 1995年から徐々に制作環境を移行し、1997年には完全にWindowsのみの体制になっていた。ちょうどWindowsが急速に普及していった時期で、ホームユース向けのパソコンやソフトも大量にリリースされていたが、その勢いはグラフィック関連の制作現場にも及んでいた。

西郡 「その頃、Windowsに対応したCG関連のソフトが一気に増えたのを覚えています。確か『3ds MAX』や『Softimage』も、この時期にWindows版が出てきたと思いますね。ハードでもWindows製品が増えていて価格も手頃でしたので、グラフィック関連の仕事をするにも当時からWindowsの方がやりやすかったと感じていました」

――― その頃愛用していたパソコンは、仕事をしていた秋葉原のショップで見つけたもの。価格が手頃で、仕事に必要な性能も満たし、何よりカスタマイズできることが魅力的だった。

西郡 「お店のスタッフに『こういうことをやりたい』と希望を伝えて、組んでもらっていました。その頃からパソコンはカスタマイズするものだという意識があって、とにかく自分の使い方にあったパソコンが欲しかったですからね。自作まではできなかったのですが、スタッフと相談しているうちに僕もスペックやパーツの知識が身についてきました」

現場作業には高性能なノートパソコンが必須となる時代

――― VJからスタートし、CG制作を経て、PVやCMの映像なども手がけてきた西郡さん。表現方法や仕事の内容が変わるに連れて、当然、パソコンをはじめとする制作環境も少しずつ変わってきたという。

西郡 「2000年くらいからは『Adobe After Effects』が普及してきたこともあって、実写映像とCGを合成するような仕事も増えました。そうなるとCGを制作するための性能だけでなく、映像をスムーズに動かせる性能も欲しくなります。グラフィックカードの速さに注目したり、メモリをたくさん積んだりするようになりました」

――― 一方で、ハードに対する考え方も変わってきた。それまではデスクトップマシンのみを使っていたが、仕事の内容が変わることで、ノートパソコンの必要性も感じてきた。

西郡 「その頃にはCG制作に加えて演出も手がけるようになっていたので、映像の編集室に入る機会も増えてきました。そこで作業していると、自分が作ったCG素材に不具合を見つけたりするんです。でも手元に自分のパソコンがないので、わざわざタクシーで家に戻ったりしていたわけです(苦笑)。『さすがにこれはマズいな』と思って、前から通っていた秋葉原のショップでノートパソコンを探しました。ちょうど高性能なモデルがリーズナブルになってきていた時期で、導入後は明らかに作業効率が上がりましたね」

――― 以降、西郡さんはデスクトップとノートを併用するようになったが、仕事におけるノートパソコンの重要度は年々増してきているという。特にプロジェクションマッピングをはじめ、大規模な映像プロジェクトを手がける機会が増えたことで、屋外でも高度な作業をする場面が出てきた。

西郡 「ライブで使うような特殊な映像の場合は、現場で修正作業などを行うケースがすごく多いです。当然、作業するのは本番前日の夜や当日の朝。しかも簡単な修正でなく、大幅に修正することもあります。そうなると現場作業でもとにかく速く動かせて、データをスムーズに書き出せるパソコンが必要なんです。プロジェクションマッピングの場合も現場でないとわからないことが多いですし、大抵の場合は本番前日の夜中からしか準備できないので、どうしても現場での作業が出てきます」

――― もちろんオフィスワークでも、高性能なノートパソコンは力を発揮する。高精細で複雑、さらに大規模な映像データを制作する際には、画像処理だけでも膨大な時間を使うからだ。

西郡 「例えば10分以上ある実写を重ね合わせるような、データサイズが大きい映像のレンダリングだと、デスクトップマシンを使っても1週間もかかってしまうこともあります。その間に他の作業をやらないわけにはいかないので、ノートパソコンが役立ちますね。スペックが高ければ普段デスクトップでやっていることとほぼ同じような処理ができるので、作業効率が上がります」

――― 今回試用してもらった「DAIV-NG7600」シリーズは、そんな西郡さんの作業環境にマッチするノートパソコンだという。

西郡 「僕のような小さなオフィスで作業する場合は、いくつもパソコンを揃えられるわけじゃないので、一台一台が高性能であることが重要です。その点、このマシンはデータサイズが大きい映像もよく動きますね! 『Adobe After Effects』で合成した映像をプレビューした時もすごくスムーズでしたし、5Kの映像素材を再生してもしっかり動いてくれました。僕にとってはまさに“小さいデスクトップマシン”という感覚ですね」

――― 4K-UHD解像度の17.3型液晶モニターを搭載している点にも着目していた西郡さん。大規模な映像を扱う際には、高精細なモニターは必須になるという。

西郡 「高精細な映像を制作する場合は、ディテールまでしっかり確認できる4K解像度は絶対必要ですね。それにプロジェクションマッピングのような大型の映像の場合は、4K以上のサイズになりますが、2Kのモニターだと細部のチェックが甘くなりがちです。幅100mくらいで投影すると、モニター上ではごく小さなズレや粗さでもかなり大きく拡大されてしまいます。だからこのパソコンのように現場に持ち込めて、細部までしっかり確認できると助かりますね」

自分を制限しないパソコンが、新たな映像表現を生み出す

――― 西郡さんは20年以上、映像分野に携わってきた中で、さまざまな技術に触れてきた。自身の表現スタイルも年々変化し、時代のニーズに合わせて幅広い仕事を請け負ってきたが、映像関連の表現はこれからさらに多彩になっていくと予測する。

西郡さんの作品例

FLOWER UNIVERSE ー東信 花宇宙の旅ー Teaser2 東京国際空港ターミナル プラネタリウムコンテンツ ©NHK Enterprises+P.I.C.S. 2015

西郡 「ひと言で映像といっても、従来のような2Dの表現だけではなくなってきています。僕が最近担当した仕事でも、プロジェクションマッピングやプラネタリウムの映像など、立体的な面に投影するものも増えていますからね。それにこれからは一般向けのVR関連のハードも登場するので、そこで新しい映像表現も模索されていくと思います。ゲームだって『Unity』のような高性能3Dエンジンが出てきて、映像のクオリティが驚くほど高くなってますよね。僕もいろいろと挑戦したいと思っています」

――― これまでと同様にジャンルにこだわらず映像表現を追求していく意欲を見せる西郡さん。だが、その根底にある考え方は常に変わらないという。

西郡 「僕はいつも“映像で多くの人を楽しませたい”と考えています。映像と音を使ってそれを実現できる方法があれば、技術の種類は問いません。技術革新が進んでいけば、どんどん新しい表現方法が出てきます。ただ、ハードは力を与えるけど、発想は与えてくれない。技術やハードに使われていては、人を楽しませる表現はできないと思いますね」

――― 「パソコンはあくまでもその表現のためのツール」と言い切るが、一方でスペックに対してはシビアにこだわる必要があると考える。

西郡 「スペックが低いハードを使っていると、発想が制限されてきます。今までにない表現を追求したくても、マシンのパワーが足りなくて実現できないのでは、自分がパソコンに制限されているわけです。いつもパソコンのスペックをフルに使いながら、それを超える表現をイメージしていくべきでしょう」

西郡 勲さん

1975年生まれ。文化学院高等部美術科在学中にCGを駆使したVJを開始。卒業後はCGプロダクションに在籍し、1995年には「MTV Station-IDコンテスト」で グランプリを受賞。その後MTV Japan、P.I.C.S.を経て独立。
2009年、(株)SMALT(スマルト)設立。MVやCMを手がける映像作家として幅広く活躍している。近年ではプロジェクションマッピングやプラネタリウム映像など大規模な映像制作にも携わる。

DAIV-NG7600 シリーズ

Adobe RGB比100%の4K-UHD液晶パネルを搭載した17.3型ノートパソコン。デスクトップマシンの上位モデルにも搭載されるインテル® Core™ i7-6700K プロセッサーを搭載。OSはWindows 10 Home、GPUはGeForce® GTX™ 965Mを採用する。4K/60Hz 出力に対応したHDMI 2.0ポートやUSB3.1 Type-Cポートなど、端子類も充実している。

詳細はこちら

「高度なレンダリング処理を続けてもスムーズに動きました。サブウーファー付きスピーカーの音もいいですね! 排熱機構もしっかりしているので、長時間の処理も安心して任せられます」(西郡さん)