シビアな現場作業を
素早い処理で支える
高性能マシン

株式会社ライジン
エグゼクティブレタッチャー
中川 博之さん

中川博之さんは、主にフォトレタッチャーとして幅広い分野の広告ビジュアルに携わり、多彩な表現を提案しているクリエイターだ。撮影の現場から徐々にフォトレタッチの世界に手を伸ばし、独自の表現スタイルを構築。現在はエグゼクティブレタッチャーとしてフォトレタッチを軸とした表現を多角的に考え、ディレクションする立場にある。その視点から、フォトレタッチの可能性と、クリエイター向けのデスクトップマシン「DAIV-D」シリーズに期待される役割を語ってもらった。

シビアな現場作業を素早い処理で支える高性能マシン

――― 広告をはじめとするビジュアル制作の分野で、写真データの色合いを調整したり、合成したりするフォトレタッチは今や欠かせない作業となっている。とはいえ、こうした作業が本格的に普及し始めたのは、この10年ほどのこと。パソコンをはじめとするツールが進化し、さまざまなフィールドから人材が集うことで、今も新たな表現方法が盛んに模索されている。CGによる静止画・動画の制作を手がける株式会社ライジンで、フォトレタッチに携わる中川博之さんも、他の分野から移ってきたクリエイターのひとりだ。

中川 「私はカメラマンのアシスタントをやった後に、広告のビジュアル制作などを手がけるアマナに10年ほど前に入りました。当時やっていた仕事は、デジタルオペレーター。デジタルバックが普及し始めた頃で、撮影の現場でトラブルシューティングを担当したり、簡単に仮の画像処理をしたりしていました。その頃はまだデジタルバックに関する知識があまりないカメラマンも多かったので、そういった専門的な仕事が成り立っていたんです」

――― この頃に担当していた画像処理の仕事が、本格的にフォトレタッチに興味を持ち始めるきっかけとなった。ただ、それ以前から中川さんは自分がフォトレタッチのような作業に自分は向いていると感じていたという。

中川 「昔から写真が好きで、学生の頃はよく暗室で現像していましたし、動画の編集も少しやっていました。今思うと、その頃から何となく撮影するよりも編集する作業の方が好きだったんだと思います。実際、撮影より暗室にいる時間の方が長かったですからね。それに当時からツールやソフトの使い方は直感的に理解できていました。特にパソコンに詳しいというわけじゃなかったのですが、『このツールはこう動かせばいい』という感じで、割とスムーズに使えていました」

――― そんな適性もあって、7年ほど前にアマナの中でビジュアル制作の部門が独立する際に、フォトレタッチの仕事に転向。撮影現場や機材の知識を生かしつつ、絵作りの仕事に集中することにした。現在は、フォトレタッチのディレクションを行う立場にある。社内外のスタッフとチームを組み、スピーディに作業を進めていく中で、クライアントと話し合い、フォトレタッチの方向性を考え、具体的な作業を指示していくのが主な仕事だ。

中川 「例えば撮影の現場に私も立ち会い、そこで以前と同じように仮の画像処理を行って全体の方向性を決めて、それを元に他のスタッフに細かな作業してもらうといったことが多いですね。今、広告ビジュアルに関するフォトレタッチの仕事は、全ての工程をひとりで担当するのではなく、チームで行うケースが多いと思います」

――― より多くの人が作業に携わっていることからも、フォトレタッチのニーズが着実に増加していることが伺える。当然、中川さんが担当する分野も多岐に渡り、さまざまな仕事が舞い込んでくる。

中川 「飲料系のビジュアル制作や、テレビ番組の宣伝材料を担当することもあります。特に多いのは人物関連ですね。私は元の写真のトーンをうまく生かしながらレタッチするのが得意なので、カメラマンと連携して作業することもよくあります。もちろん合成などの処理を強く打ち出すケースもあります。私がフォトレタッチに携わってきた7年間だけでも、表現方法はかなり増えていますし、世の中のニーズも変わってきていますね」

クリエイティブの現場で存在感を増しているWindows PC

――― フォトレタッチに対するニーズが多様化し、高度な処理が求められるようになる中で、作業の中核を担うパソコンの重要性は着実に増してきた。そんな中で、ここ数年、目立っているのが、クリエイティブの現場にWindowsマシンを導入する動きだ。中川さんが所属するライジンでも、2014年から全面的にWindows PCを使用している。

中川 「コストやセキュリティの面からWindowsに移行したようですが、今はこれが当たり前の環境になっています。それにチームで担当する画像のデータは、Windows対応のサーバを使ってやりとりしていますので、その面でもWindowsマシンを使うメリットがあります。(ライジンにも3Dの部署もありますが)3D CG制作ではWindows用のアプリケーションが多いので、Windowsマシンの方が何かと便利なようですね」

――― クリエイター向けパソコン「DAIV」はアマナグループのクリエイターの意見を元にデザインされたPC。中川さんはフォトレタッチ代表として試験的に「DAIV」を使用し、現在の環境との違いや使い心地などを体感したそうだ。

中川 「大きなデータを使って作業する際にも、全然ストレスなく使えるのでいいですね。レタッチ作業では、処理のレイヤーを何層も重ねていくのですが、それをどの段階にでも戻せるようにしておくことで、微妙なニュアンスを常に変えられるようにしています。そうなると1枚の画像といえども、データサイズが膨大になることもあります。例えば、20GBの画像データを開いて作業することもあるんですが、『DAIV』はそんな時でも処理のスピードが落ちたり固まったりすることもありません」

――― 特に処理速度については、その性能が重要になる場面があるという。クライアントが同席する場所で同時進行しながらレタッチ作業を行い、完成に近づける工程もあるからだ。

中川 「目の前でスムーズに作業していかないといけないので、パソコンの処理速度は大切です。先ほど話した20GBのデータを開いて、クライアントの前でブラシツールを使ったり、全体の色を調整したりすることもあるわけですから。その最中に細かな仕上げなどを別のスペースにいるスタッフが担当することもあり、サーバを使ってデータを素早くやり取りできないといけません。みんな必死になって作業していますよ(笑)。ただ、その際にも『DAIV』はストレスを感じさせずに動いてくれるので助かります」

――― 取材時にはペンタブレットも使って髪の毛を1本1本描く作業を見せてくれた中川さん。そこでも自分のペンスピードにしっかり追従し、緻密な線をイメージどおりに描けることを評価していた。

中川 「引き締まったブラックカラーは、他にあまりなくてカッコいいですよね?私のデスクに来た人がこのデザインを見て、渋い感じを気に入ってくれることもあります。底面に付いているキャスターも、実は便利だと思っています。オフィス内で本体を移動して作業することもあるので、意外と役立ちますね」

自由に表現を追求できるマシンがフォトレタッチの可能性を広げる

――― 現在、中川さんは10人ほどのスタッフとチームを組んで作業しているが、そこにはさまざまなキャリアを経た人が集まっているという。フォトレタッチの世界では、幅広い才能や感性が活躍し始めているようだ。

中川 「現場にはデザイナーやカメラマンから転職してきた人も多いですね。私自身がそうでしたし。まだ少ないですけど、最近はレタッチを志望して入社してくるスタッフも出てきました。写真の専門学校でも以前はなかったレタッチの授業をしっかりやるようになっています。だからレタッチという作業自体に興味を持つ人は増えているんだと思います。でも、フォトレタッチは裏方の仕事だということもあって、まだはっきりしたキャリアパスができていない状況でしょうね」

――― ただ、まだ成熟していないからこそ、多くの可能性を残す分野とも言える。先述したようにここ数年だけでもレタッチ表現の幅は広がり、ニーズも目まぐるしく変わっている。単に写真をきれいに見せるための処理ではなく、表現手段のひとつとして市場が大きく成長しつつあるのだ。

中川 「私にとってはフォトレタッチも、自分なりの表現を提案する手段だと考えています。パソコンやアプリケーションがどんどん便利になってくるにつれて、表現の幅も広がってきています。ただ、レタッチ処理をすればするほどいいビジュアルになるわけじゃないと思います。素材となる写真の良さを生かしつつ、クライアントなどのニーズにもうまく応える。そこでどこまで処理を加えるか、どこで止めるのか的確に判断することも、私たちの腕の見せ所だと思いますね」

中川さんの作品例(株式会社OPA シーズンビジュアル制作)

――― その表現を形にしてくれるのが、他ならぬパソコンである。中川さんはパソコンを「自分のイメージを具現するためのフィルターのようなもの」と考えている。元の写真が持つ魅力を的確に捉え、それをフォトレタッチの技術で膨らましていくには、高性能なパソコンが欠かせないのだ。「DAIV」は、プロのクリエイターはもちろん、一般の人や学生にもお勧めできるマシンだという。

中川 「フォトレタッチにそれほど興味がない人にとっても、これは面白いマシンだと思います。今はレタッチャーだけでなく、カメラマンやデザイナーが『Adobe Photoshop』を使うことは珍しくないし、一般の人にもよく知られています。いろんな人が自由に写真表現を楽しむようになると、フォトレタッチの可能性がもっと広がっていくと思います。でも、処理性能が低いマシンや、高性能でもすごく高価なマシンだと、その可能性はあまり広がらないでしょう。『DAIV』なら学生でも購入できるでしょうし、性能も十分。自分なりの表現を気軽に追求できると思います。私が学生だった頃に、こんなマシンがあったら良かったのにと思うくらいですね(笑)」

株式会社ライジン
エグゼクティブレタッチャー

中川 博之さん

1981年生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、株式会社アマナにカメラマンのデジタルオペレータとして入社。撮影や画像処理のサポートを担当するテクニカルスタッフを経て、フォトレタッチャーに転身。現在はアマナグループのCG制作会社、ライジンで、エグゼクティブフォトレタッチャーとして、広告関連のフォトレタッチに関するディレクションを担っている。

株式会社ライジン 
http://rizing-inc.com/

amana 
http://amana.jp/

DAIV-D シリーズ

広告グラフィックの多くを制作するプロダクション「株式会社アマナ」の協力を受け、最前線で活躍するクリエイターの意見を参考に写真や動画、イラスト、3DCGなどの使用に向いたクリエイター向けパソコン。Windows 10、インテル® Core™ i7-6700K、64GBメモリ、240GB SSD、GeForce® GTX970/4GBを搭載したDAIV-DGZシリーズを試用していただいた。

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「レイヤーを重ねた20GBもある画像を開いた時でも、ストレスなく作業できますね。ブラシツールもスムーズに動くし、細かな描き込みを行う時もペンタブレットの操作に素早く追従してくれます」(中川さん)