DAIV

FOR NEXT CREATORS

ペットの姿に手は加えない。
本当の可愛らしさを引き出すためのポリシー。

小川晃代さん
フォトグラファー/ペット写真家

湯沢祐介さん
フォトグラファー/ペット写真家

小川さん、湯沢さんの写真

ペットを専門的に撮影するフォトグラファー、“ペトグラファー”として活躍する小川晃代さんと湯沢祐介さんご夫婦。動物専門のコンテンツ制作会社「アニマルラグーン」を設立し、カレンダーや雑誌、ポストカードなど幅広い製品向けの写真の撮影を手がけるほか、ペット撮影講習会の講師やフォトコンテストの審査員としても活動されています。そんなお二人に、動物を被写体とする際の撮影/編集のポイントを語っていただきました。
DAIVを使って編集した写真と、撮影から編集を終えるまでのプロセスを追ったムービーも合わせてご覧ください。

作品制作メイキングムービー

小川さん、湯沢さんの過去作品写真

(C)ANIMAL LAGOON
小川さん・湯沢さんの過去作品。

カメラは動物と関わるための手段だった。

小川:小学生の頃から動物が好きで、動物の写真がプリントされたテレフォンカードとかポストカードなんかをたくさん集めていました。そのうち自分でも撮ってみたいと思うようになって、19歳のころに中古の一眼レフカメラを買ったんです。当時はペットショップに勤務していたのですが、休みの日に動物園に行って練習したりしているうちに、どんどんハマっていって。

湯沢:僕も動物は好きだったのですが、写真については全然興味がありませんでした。大学を卒業した後は、会社員として普通に就職しました。でも、その仕事が合わなくて、半年くらいでやめてしまって。転職先を探していた時に偶然見つけたのが、写真家の森田米雄先生の秘書募集でした。森田先生はペットを魚眼レンズで撮影した「はなデカ」写真で話題になった方で、写真に興味のなかった僕も作品には見覚えがありました。動物は変わらず好きでしたし、そういう方向に行ってみるのも良いかなと何の気なしに応募したところ、格闘技の話題で先生と意気投合して採用していただきました(笑)。
ただ、秘書と言いつつやっていることはほとんど撮影のアシスタントだったこともあって、その時に撮影のノウハウや動物のあやし方は自然と身につきましたね。

小川さん、湯沢さんの写真

小川:実は、私と湯沢が出会ったきっかけも「はなデカ」写真なんです。動物に関わる仕事がしたくて4年半トリマーとして働いていたのですが、そのときに「はなデカ」に出会って。どうしてもこの写真を撮影した人のところで勉強したいと思って、突然押しかけたんです(笑)。

湯沢:募集もかけていないのに(笑)。僕が入った半年後くらいですかね。ちょうどその時にいたアシスタントがもうすぐ辞めるという話があって、タイミングが良かったんです。

小川:若い頃は思い立ったらすぐに行動しないと気が済まない性格だったので……。アニマルラグーンを立ち上げたときも、起業するための知識なんて何もなかったのですが、気がついたら動き出していた感じなんです。森田先生のもとで写真の勉強をさせていただいたあと、WEB番組の制作会社で2年ほど番組制作を学んでから独立し、アニマルラグーンを設立しました。

湯沢:僕も小川に続いて同じ番組制作会社に入り、彼女がアニマルラグーンを立ち上げて2年くらい経った頃に合流しました。

小川:私も湯沢も、元々フォトグラファーになりたいと思っていたわけではなくて、動物に関わる仕事がしたくていろいろチャレンジした結果、写真がメインのお仕事になったんです。

小川さん、湯沢さんの写真

動物に負担をかけず、決定的瞬間をカメラに収める。

小川:ペット撮影では「あやす」ことと「撮る」ことの2つが大事なポイントです。この両方を一人で行うのは難しいので、基本的にはあやし役と撮影役の二人一組で行動しています。
私はトリマーとして働いていたときの経験から、動物のケアが得意なんです。だから、私があやして、湯沢が撮影するという役割分担を基本にしています。ただ、猫の撮影の場合、担当を交換します。猫ちゃんはあんまり言うことを聞いてくれないことが多いので、猫じゃらしを使って誘導するのですが、それは湯沢の方が上手くて。「猫じゃらしの魔術師」と呼ばれてるんです(笑)。役割はその時々の状況によってチェンジしながら撮影しています。

湯沢:ペットをあやすために、猫じゃらしとかおもちゃとかは必ず持っていくよね。

小川:必須だね。色んな種類のおもちゃを持っていって、その子がどれに興味を持つかを見極めて、遊びながら撮影します。

湯沢さんの写真

小川:撮影方法としてはカメラを構える体勢も、人を撮るときとは全然違いますね。やっぱり上から撮ってしまうと表情がよく撮れないので、同じくらいの目線になるように床や地面に伏せて撮ることが多いんです。

湯沢:あんまりじっとしてくれないので、三脚は使わず、ペットに合わせて自分が動き回る感じですね。押さえつけたりして、無理やり動かないようにするとストレスを与えてしまうので。

小川:撮りたいカットにこだわって同じことを繰り返すのも避けるようにしています。飽きてやってくれなくなったり、カメラのことが嫌いになってしまったりする可能性もあるので。被写体が人間であれば試し撮りもできるのですが、動物の場合はそうはいきません。アングルや画角のシミュレーションにはぬいぐるみを使って、入念に準備をしてから本番撮影を行っています。
ペット撮影のシャッターチャンスってあんまり多くないので、いざ撮影がはじまるとそれを逃さないように必死ですね。

ペット撮影中の写真

小川:一眼レフカメラは連写速度の速いものを使っています。ペットがいい表情をした瞬間や、思った通りの動きをした瞬間を逃さず撮影するためには連写が必須ですから。今回使っていたのは1秒で12枚連写できるカメラですが、最低でも1秒に7枚は撮れるものがいいですね。あとは、AF(オートフォーカス)の精度。シャッターチャンスを逃さず撮影できたとしても、ピントが合っていないと使えません。連写速度とAF精度、その二つを重要視してカメラは選んでいます。

湯沢:スマホでも連写撮影はできますし、パッと見たときにすぐ撮れるので機動性もいいです。ただ、スマホでキレイに撮ろうと思うと、いくつか決まったパターンの写真になってしまいがちなんですよね。写真にバリエーションを求めるのであれば、やっぱりレンズ交換が出来る一眼レフカメラを使うのがいいと思います。シャッタースピードや絞りも自由に調整できますから。手軽に撮れるスマホと、撮りたいものをこだわって撮れる一眼レフカメラという風に、使い分けるのがいいのではないでしょうか。

小川さんの写真

ペットの姿を変えるような加工はしない。

小川:撮影もそうですが、編集するときの方がスマホと一眼レフカメラの差がより大きいかもしれないです。

湯沢:そもそもスマホでは編集に適しているRAWデータで写真を保存できないんですよね。スマホで撮った写真も編集することはできるのですが、部分的な調整ができなかったり、編集を繰り返すうちに画質が落ちたりするんです。一眼レフカメラで撮影して保存されたRAWデータの写真なら、後から大幅に手を加えても画質がほとんど悪くなりません。
RAW:撮影時、膨大な量の情報をそのまま保存した“RAW=生、未加工”のデータ

湯沢:RAW現像(RAWデータで写真を編集すること)で僕が一番いいと思うのは、ホワイトバランスや色温度、彩度など、色味の調整が格段にキレイにできるところです。スマホで撮影した写真だとあまり気にしないところかもしれませんが、色味を少し調整するだけで仕上がりがガラッと変わります。

小川さん、湯沢さんの写真

小川:ただ、写真全体の色味とか明るさは編集しても、ペット自体を加工することはほとんどしません。

湯沢:そうだね。今回の写真で口元についたおやつを消したように、不要なものを消すことはあるのですが、目を大きくしたり、口角を上げたりといった整形手術のような編集はしないようにしていますね。ペットの元々の可愛さを引き立てるために、他の部分を編集している感じです。

小川:もちろん撮影前には、口元や目の周りをキレイに拭いてあげて、その子の一番可愛い状態をつくるようにしています。ただ、撮影しているうちに汚れがつくこともあるので、そういうときはPhotoshopを使って加工するという感じです。

湯沢:できるだけ画像加工じゃない部分で工夫しますね。例えば、どうしてもネコの黒目を大きくしないといけないのであれば、黒目が大きくなる条件で撮影します。暗いところに連れて行くとか、猫じゃらしで興奮させるとか。そうすれば自然に黒目が大きくなるので。事前に相談いただければ、できることはたくさんあります。

湯沢さんの写真

反射のないディスプレイが、作業効率を高める。

湯沢:PCの機能で気にするのは、地味な部分ですが画面の反射です。デスクトップPCでの編集時、反射が強いと目に見える色合いが変わってしまい、色味調整の妨げになります。今回使わせてもらったDAIVのディスプレイは、画面の反射が少なくて作業がしやすいなと思いました。
一日中編集作業をしているような日もあるのですが、画面が見やすいかどうかで目の疲労感が全然違います。そういう点でも、余計な映り込みがなくて見やすいDAIVのディスプレイは魅力的です。

小川:反射は撮影現場でも影響しますからね。ペット撮影は外で行うことも多いから、撮影中にノートPCでプレビューするときに反射が強いと本当に見づらいんです。

湯沢:外で撮影を行う時は日除けのカバーを被せて見ているんですけど、それでもやっぱり見えづらいです。確認のたびにPCに近づいたり、影をつくったりしているとテンポが悪くなっちゃうんですよね。

小川:撮影途中のプレビューのときなんかは、表示速度も大事だよね。

湯沢:確かに。ペット撮影は常に連写で撮るので、一回の撮影で保存する写真が膨大です。CFカードに保存した写真データをPCでプレビューするときも、どうしても表示まで時間がかかりがちです。スクロールの度に待ち時間が発生すると、やっぱりイライラしてしまうものですが、DAIVのノートPCはスクロールするとスクロールした分がすぐに表示されて、ストレスがありませんでしたね。

湯沢:デスクトップの表示速度も速かったです。撮影の際、カメラにはRAWとJPEG両方のデータで保存していて、ノートPCでのプレビューはデータ容量が小さいJPEGを表示させて行っています。ですが、実際に編集を施すRAWはデータ容量が大きく、処理が遅くなってしまうんです。表示速度だけでなく、編集で手を加えた部分が反映されるのに時間がかかることもありますね。その点、今回使わせてもらったデスクトップPCはレスポンスが速くて、スムーズに作業することができました。

小川さんの写真

元気に動き回る姿にこそ、動物たちの本来の魅力がある。

湯沢:僕は今、動く写真のようなもの(※下に掲載)をつくっていて。例えば、にわとりは段々近づいてきているけど、逆にその背景は遠のいていくみたいな。にわとりと背景のレイヤーを分けて、疑似三次元みたいな形でそれぞれを動かしているんです。動物の躍動感をもっと表現したくて。今後も静止画だけでない表現に挑戦していきたいです。

小川:動物の素の表情を引き出してあげられるのって、狭い部屋の中ではなく、野外で走り回れるような環境なんですよね。やっぱり元気に走り回っている動物って魅力的ですし。だから、芝生のスペースをメインとしたガーデンスタジオをつくりたいと思っています。そのために今色々と計画している最中なのですが、いつかそこで生き生きとしたペットの姿を撮影したいです。

ペットの写真

今回小川さん・湯沢さんに撮影と編集をしていただいた写真はこちら。

ペット写真の編集前後の写真

編集前

編集後

ペット写真の編集前後の写真

編集前

編集後

小川晃代さん

小川晃代さん
フォトグラファー/ペット写真家

トリマーやドッグトレーナーなど動物に関わる様々な資格を保持する。複数の写真家に師事したのち、ペット番組のディレクターとしての経験を積み独立。2006年、動物専門のコンテンツ制作会社「アニマルラグーン」を設立。今までに3万匹以上のペット撮影を手がけるほか、講習会や執筆活動も行い、「お洒落な ねこふぉとBOOK ねこの撮り方まとめました!」(日本カメラ社)、「ねこきゅう」(東京書店)など多数の書籍を出版している。


アニマルラグーン
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湯沢祐介さん

湯沢祐介さん
フォトグラファー/ペット写真家

月に500匹以上のペット撮影を手がけるペトグラファー。七色の声を使い分けてイヌの気を引き、また猫じゃらしでネコを自在に誘導することから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。著書には「ねこもふ。ごーじゃす」「手乗りねこ」(宝島社)、「こいぬ」「こねこ」(ポプラ社)他がある。


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DAIV-NG5720シリーズ

DAIV-NG5720シリーズ

DAIV-NG5720シリーズは人気の15.6型(IPS方式)液晶パネルを採用し、解像度もフルHDに対応、さらに色空間の国際標準規格である「sRGB比95%」に対応しており、デジタルデータとして撮影された写真などを印刷する際に、入力時と出力時の差異を小さくして、高い色再現性を実現します。
また、IPS方式パネルによって、PC画面の閲覧角度によるコントラストの変化を少なくすることができるため、より自然な画像や映像確認が行えます。

今回使用したモデル『DAIV-NG5720S3-SH5』
OS:Windows 10 Home 64ビット
CPU:インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー
グラフィックス:GeForce® GTX 1060(3GB)
メモリ:16GB PC4-19200(8GB×2/ デュアルチャネル)
ストレージ:M.2 SSD(512GB SerialATAIII M.2規格)
      ハードディスク(1TB SerialATAII 5400rpm)
液晶パネル:15.6型 フルHDノングレア(sRGB比95%/ 1,920×1,080/ IPS方式/ LEDバックライト)

DAIV-Dシリーズ

DAIV-Dシリーズ

高い汎用性で、幅広い制作環境へ。コストパフォマンスに優れたモデル。広告グラフィックの多くを制作するプロダクション「株式会社アマナ」の協力を受け、最前線で活躍するクリエイターの意見を参考に写真や動画、イラスト、3DCGなどの使用に向いたクリエイター向けパソコン。前面に5インチ×3、3.5インチ×1の拡張ベイを備えるほか、前面上部に音声入出力とUSB 3.0ポートを2基装備。オプションで本体下部にキャスターも追加できる。

今回使用したモデル『DAIV-DGZ520H1-SH5』
OS:Windows10 Home 64ビット
CPU:インテル® Core™ i7-8700K プロセッサー
グラフィックス:GeForce® GTX 1080(8GB)
メモリ:16GB(8GB×2/ デュアルチャネル)
ストレージ:SSD(480GB Serial ATAIII(6Gbps/ Serial ATAIII接続))
      2TB Serial ATAIII 7200rpm(6Gbps/ Serial ATAIII接続)