まるで実写のような画像を出力したり、自然な会話でさまざまな作業ができるチャットボットなど、急速に普及する生成AI。
この記事では生成AIに興味がある、自分で取り組んでみたい、特に最新の画像生成モデルを自分のパソコンで扱ってみたい方のために、「生成AIとは何か、どんな種類があるのか」の概説と、実際に自分で動かす際に必要なパソコンの仕様と注目ポイント、そして予算別のお勧めパソコンをお伝えします。
※ 製品の情報や価格は2026年1月19日時点の情報となります。
- 生成AIとは?生成AIの種類
- 生成AIに必要なパソコンのスペック
- デスクトップパソコンかノートパソコンか
- 参考:最近の「AI PC」ってなに?
- mouse LABO編集部おすすめの生成AI向け高性能パソコン
- まとめ:画像生成AI向けPCは「GPU」と「VRAM量」で選ぶ
生成AIとは?生成AIの種類
いわゆるAI (Artificial Intelligence)、人工知能という言葉は、従来からさまざまな技術に使われてきました。
現在ではAIと呼ばれないようなシンプルなプログラムでも、コンピュータが判断するのだから「人工知能」だと、時代ごとの新技術がAIと呼ばれてきた歴史があります。
一方、2020年代から急速に発達・普及しつつある「生成AI」(Generative AI、Gen AI)は、「生成モデル」と呼ばれる新しい技術が特徴です。
生成モデルは従来からある機械学習モデルをもとにした技術で、一般的に大量のデータセットから潜在的なパターンや分布を学習し、新たなデータを生成できます。
生成AIモデルをテキストに応用したのが、ChatGPTの基盤であるGPTのようなLLM (Large Language Model、大規模言語モデル)、画像の生成に応用したのがStabe Diffusionのような画像生成モデルです。
生成AIモデルはテキスト、画像のほかにも音声、動画など様々な「モード」に応用でき、様々な手法を組み合わせて実現しています。いずれも「大量のデータセットから分布やパターンを学習し、テキストプロンプトなど与えられた条件から新たなデータを生成する」技術である点が共通しています。
画像生成モデルStable Diffusion
画像生成モデルとして有名なStable Diffusion では、名前のもとになったDiffusion Model (拡散モデル)と呼ばれる手法を使い、完全なノイズ画像から「学習したパターンに近いもの」に近づくようにノイズを除去する作業を繰り返し、最終的に画像を生成します。
この「ノイズ除去」に際して、テキストプロンプト(いわゆる「呪文」)や既存の画像などを入力として与え、制約を加えることで、文章で指示した内容を画像にしたり、入力画像をもとにした新たな画像の生成ができる仕組みです。

生成AIモデルには一般に大きな計算量が必要になるため、各社がデータセンターのサーバー上で処理するクラウドAIサービスも広く普及しています。
クラウドAIサービスは軽量級のパソコンやスマホなどでも使える利点がありますが、定額制のサブスクリプションであったり、一定の無料分を超えると従量課金など費用は必要です。
一方、自前のパソコンで生成AIモデルを動かす場合、ある程度の性能を備えたパソコンが必要になりますが、以下のような大きなメリットがあります。
1.電気代以外のランニングコストがほぼ不要
2.表現や出力の制約が少ない。クラウドサービスの運営に左右されない
3.最新技術にいち早く追従できる
特にグラフィックやテキスト関連のワークフローに生成AIを組み込みたい、可能性を試したい場合、2. の制約の少なさが重要です。
生成AIは非常に強力な技術で、社会的にさまざまな懸念もあることから、モデルを開発する企業もサービスとして提供する企業も様々な制限を加えています。
これは主に反社会的な使い方や、いわゆるセンシティブ表現を抑えることを意図したものですが、生成AIモデル自体が急激に進歩しており、制限のルールや手法も定まっていないことから、制限の範囲も理由も不可解で安定しない側面もあります。
ローカル動作であってもモデル自体の制約は残りますが、理解できない理由でブロックされたり、昨日まで取り組んでいたワークフローが急に使えなくなるといった懸念は少なくなります。
生成AIに必要なパソコンのスペック

画像生成向けパソコンはGPUと「VRAMの量」で選ぶ
自前のローカルパソコンで生成AIモデルを扱う際には、扱いたいモデルに応じた性能のパソコンを選ぶことが非常に重要です。
特に、Stable Diffusionなど、画像生成モデルを使う際にもっとも重要なパーツは「GPU」であり、その選び方のポイントは「VRAMの量」です。
もともと3Dゲームのようなグラフィック処理のために高度化してきたGPU (Graphic Proccessing Unit) ですが、大量の計算を並列で扱えること、メモリー帯域の広さなど生成AIモデルに必要な演算に適した特性があり、NVIDIAなどのGPUメーカーもグラフィックだけではない様々な用途、特にAI処理の高速化に取り組んできました。
GPUの仕様のひとつであるVRAMとは、「GPUが搭載するメモリ」のことです。パソコンの仕様には「V」がつかないRAM、いわゆるシステムメモリもありますが、GPUは大量の演算を並列処理する必要性から、専用の高速なVRAMを備えています。
VRAMの量が重要な理由
画像生成AIモデル用のパソコン選びにあたって「VRAMの量」が重要な理由は、
● VRAMの量によって動かせる生成AIモデルや、使い方が決まる
● VRAMだけを後から追加はできない
画像生成AIモデルでは大量のVRAMを扱うため、たとえばVRAMが少ないGPUではメモリ不足エラーでそもそも動かないといった場合があります。
精度を落としたり、最適化したモデルで必要なVRAM量を減らすこともよく行われますが、タイミングとしては標準のモデルより遅れたり、導入に標準ではない手続きが必要になることもあり、環境のために本来は余計な労力を費やしたうえに生成も遅い・精度が低いといった場合もあることから、あまり望ましくはありません。
さらに重要なのは、GPUのVRAMは基本的に後から追加できないこと。増やしたければ、GPUのアップグレードに対応したデスクトップパソコンで、GPU自体を買い替える必要があります。
ローカルで快適に画像生成モデルを動かすためにパソコンを構成する場合、一般にもっとも高価なパーツはGPUになるため、まともに動かないVRAM量のGPUを選んでから買い足すのではかなり無駄になってしまいます。
Stable Diffusionを例にすれば、公式には4GB以上のVRAMとされていますが、活用するには最低でも8GB、少ないVRAMで運用する労力を考えれば12GB以上のVRAMが強く推奨されます。

デスクトップパソコンかノートパソコンか
一般論として、デスクトップパソコンはパーツを収めるスペースや電源に余裕がある一方、ノートパソコンは非常に限られた体積でバッテリー駆動する必要があるため、同じ性能であればノートパソコンのほうが高額になります。
ノートパソコンの利点としては、デスクトップパソコンほど場所をとらないこと、屋内でも外出でも持ち歩いて使えることなどが挙げられます。リアルタイム性の低い生成AIタスクの場合、自宅のデスクトップパソコンにリモートからアクセスする使い方もありますが、高性能なノートパソコンなら、たとえばゲーミングなどリアルタイムのワークロードにも対応できること、ネットワーク帯域やリモートデスクトップ環境に左右されないことも利点です。
またGPUとVRAM量が重要な画像生成AIモデルを扱う場合、デスクトップ用とノート用では同じ型番のGPUでも性能が違い、演算ユニットの数、VRAMの量や帯域も違うことに注意が必要です。
たとえばNVIDIAのGeForce RTX 4070 の場合、デスクトップ版は標準でVRAM 12GB GDDR6 またはGDDR6X ですが、ノートパソコン向けのRTX 4070 Laptop は8GB GDDR6です。
「RTX 40X0 以上」だけではなく、実際のVRAM量を確認しましょう。
参考:最近の「AI PC」ってなに?
「生成AIを使うためのPC」としては、各社が宣伝する「AI PC」もあります。製品によって仕様は異なりますが、AI PCは本格的な画像生成モデルよりも小さな、リアルタイム性の高いAI処理に特化したパソコンです。
たとえばビデオ会議で音声・映像からノイズを除去したり、音声から文字起こしといった処理は、従来のCPUでは多くの電力を消費していましたが、AI PCが搭載する「NPU」(Neural Proccessing Unit)ならば、低消費電力で効率的に扱えます。
AI PCはプロセッサに高度なNPUを組み込むことで、低消費電力の薄型パソコンなどでも、比較的小規模でリアルタイム性の高いAI処理が効率的にできる点が特徴です。
同じ「AI」でも、大規模な並列演算やVRAMを必要とする画像生成AIモデル用ではなく、日常のPCタスクが快適になる、WindowsのAI新機能が使えるパソコンです。
mouse LABO編集部おすすめの生成AI向け高性能パソコン
ここからは実際の製品で、mouse LABO編集部おすすめパソコンを紹介します。
※ 製品の情報や価格は2026年1月19日時点の情報となります。
マンガ・イラスト制作や動画編集などにおすすめ
DAIV KM-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265 |
| グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Ti |
| メモリ標準容量 | 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル) |
| M.2 SSD | 2TB (NVMe Gen4×4) |
| 通常価格 (税込) |
499,800円 |
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DAIV KM-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)
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DAIV KM-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)は、インテル Core Ultra 7 プロセッサー 265搭載モデル。NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti搭載で幅広いクリエイティブにおすすめなミニタワー型デスクトップパソコンです。
本体上部に電源ボタンやUSB端子等のインターフェースを配置しています。ケースがコンパクトになったことによって、机の上やパソコンラック、足元など、どこに設置してもインターフェースへのアクセスが容易に行えます。
生成AI開発にも使える本格ワークステーション
DAIV FW-P9N60
| OS | Windows 11 Pro for Workstations 64ビット (DSP) |
| CPU | AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 7995WX プロセッサ |
| グラフィックス | NVIDIA RTX™ 6000 Ada 世代 |
| メモリ標準容量 | 64GB (16GB×4 / クアッドチャネル) |
| M.2 SSD | 4TB (NVMe Gen4×4 / Western Digital WD_BLACK SN850X) |
| 通常価格 (税込) |
4,639,800円 |
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DAIV FW-P9N60
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DAIV N6-I9G80BK-C(NVIDIA Studio 認定PC)は、NVIDIA RTX 6000 Ada 世代 を搭載したモデルです。本格的な開発者向け・業務向けクラスの製品であり、GPU性能も価格も桁違いです。
NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU搭載の高性能クリエイターノートパソコン
DAIV N6-I9G80BK-C(NVIDIA Studio 認定PC)
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 9 プロセッサー 275HX |
| グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5080 Laptop GPU |
| メモリ標準容量 | 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル) |
| M.2 SSD | 2TB (NVMe Gen4×4) |
| パネル | 16型 液晶パネル (ノングレア / DCI-P3 100% / 120Hz対応) |
| 通常価格 (税込) |
629,800円 |
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DAIV N6-I9G80BK-C(NVIDIA Studio 認定PC)
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DAIV N6-I9G80BK-C(NVIDIA Studio 認定PC)は、RTX 5080 Laptop GPU搭載したモデル。CADや3Dモデリングのレンダリングにおすすめなクリエイター向け16型ノートパソコンです。
通常、クリエイティブ用途に用いられるsRGB比よりも広い色域に対応し、デジタルシネマ規格で用いられるDCI-P3 100%に対応する高精細な表示が可能なUHD+解像度の液晶を搭載しています。出荷前のキャリブレーションによりさらに色味の正確性を向上させており、写真や映像作成・動画編集など高い品質を求める制作環境の使用に耐える高性能な液晶パネルとなっています。
クリエイター向けパソコン「DAIV」をご購入いただいたお客様の声
GPU性能が高いゲーミングPCもおすすめ
ゲーミングPCは一般に高性能なGPUを採用するため、画像生成AIモデルを扱う際にも力を発揮します。
G TUNE DG-A7G70
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen™ 7 5700X プロセッサ |
| グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 |
| メモリ標準容量 | 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル) |
| M.2 SSD | 2TB (NVMe Gen4×4) |
| 通常価格 (税込) |
289,800円 |
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G TUNE DG-A7G70
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G TUNE DG-A7G70は、G TUNEブランドのゲーミングデスクトップパソコンです。
NVIDIA® GeForce RTX™ 50 シリーズは、AI性能を強化したNVIDIA Blackwellアーキテクチャを採用しており、DLSS 4をはじめとするニューラルレンダリングによって、高いパフォーマンスを体感できるグラフィックスカードです。
プログラマブルシェーダーでAIを活用できるRTX Neural Shadersを搭載しており、AIを活用したグラフィックやライティング表現の品質を向上させつつ、VRAM使用量の削減が期待できます。
まとめ:画像生成AI向けPCは「GPU」と「VRAM量」で選ぶ
生成AIモデル、特に画像生成AIを扱うには高速なGPUと、何よりも「VRAMの量」が重要です。
少ないVRAMで使えるモデルや対処方法もありますが、工夫を重ねてなんとか動かす手間や最適化を待つ時間、試行に重要な生成の速さ、今後も次々と登場する新たなモデルやツールへの対応を考慮すれば、最初からVRAM量には余裕をもったモデルを選択したほうが、最終的にはお買い得な選択肢になります。





