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文化放送

2019/7/21 ON AIR

DTM HISTORY

特別企画

18

SPECIAL TALK

ヒャダインが独自の
解説とともに紹介する、
DTMの歴史に影響を
与えた名曲7選!

特別企画

『DAIV TO MUSIC』四十二回目の放送となる今回は、ヒャダインさんに「DTMの歴史に影響を与えた名曲」を紹介してもらう特別企画としてお送りしました!
DTMの歴史に影響を与えたクリエイターの一人でもあるヒャダインさんが、打ち込み音楽の黎明期から現在に至るまでの変遷とともに、それぞれの楽曲を独自の視点で解説してくれました!
よりDTMへの理解を深められる内容となった収録の様子をお届けします!

ヒャダインHYADAIN

本名、前山田健一。1980年、大阪府生まれ。
3歳の時にピアノを始め、音楽キャリアをスタート。
作詞・作曲・編曲を独学で身につけ、京都大学を卒業後2007年に本格的な音楽活動を開始。 ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学、でんぱ組.Incなどのアイドルだけでなく、 SMAP、関ジャニ∞、ゆず、郷ひろみなどのビッグアーティストや、アニソン、CM音楽、映画劇伴、ゲームなど、幅広い分野で楽曲提供を行う。
タレントとしても、テレビ朝日系「musicるTV」、NHK Eテレ「#ジューダイ」、テレビ東京系「ポケモンの家あつまる?」、フジテレビ系「久保みねヒャダこじらせナイト」など多数のTV番組に出演中。

1曲目:YMO『ライディーン』

まず、1曲目に紹介してくれたのは、細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さんの3人によるテクノポップグループ『YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)』が1980年にリリースした『ライディーン』。
DTMの走りはテクノだと話すヒャダインさん。『ライディーン』をはじめ、『YMO』の楽曲は日本にテクノというものを広く認知させたということで、DTMの歴史を語る上では欠かせないとのこと。当時はまだPCではなく、ハードウェアやMTR(マルチトラックレコーダー)での制作だったにもかかわらず、打ち込みや音の配置が細かく、40年近く経った今聴いても新しさを感じる楽曲だと話していました。

2曲目:trf『Silver and Gold dance』

『YMO』の影響でダンスミュージックにも打ち込みが多用されるようになり、1990年代には打ち込みでつくられた音楽が一世を風靡していきます。

そんな1990年代を代表する楽曲として2曲目に紹介してくれたのが、1993年にリリースされた『trf』の4枚目のシングル『Silver and Gold dance』。
作詞・作曲・編曲のすべてを行っているのが、言わずとしれた小室哲哉さん。「TKサウンド」は、特にドラムの打ち込みがポイントだといいます。キックやスネアをループで並べた無機質なサウンドは、バンド界隈からは邪道だとも言われていたのだとか。それでも小室さんがあえて無機質な打ち込みで制作していたのは、熱のあるシンセやボーカリストのキーの高い声との温度差を楽しんでいたからじゃないかなと、ヒャダインさんは解説してくれました。
ちなみに、当時中学1年生だったヒャダインさんは、この楽曲に使われている音をはじめ「TKサウンド」が入ったシンセサイザーを買ってもらい、打ち込みに目覚めたのだそう。この曲を聴くと、当時のことを思い出して懐かしい気持ちになると話していました。

3曲目:access『DRASTIC MERMAID』

1990年代の代表するもう一つの楽曲として3曲目に紹介してくれたのが、『access』が1994年にリリースした『DRASTIC MERMAID』。
作曲と編曲を担当している浅倉大介さんは、小室哲哉さんのサポートをしていたということもあり「TKサウンド」の影響を大きく受けているといいます。浅倉さんは理系の機材マニアでもあり、音作りも数学的で非常に繊細なのだとか。打ち込みサウンドが「バンドの劣化版」とも言われていた時代に、打ち込みでしかできない表現を追求し、確立させたのが浅倉大介さんだとヒャダインさんは語ってくれました。

4曲目:Perfume『ワンルーム・ディスコ』

2000年代に入り、DTMでの楽曲制作がより世の中に普及していきます。その理由として、PCの進化が大きいとヒャダインさん。CPUやメモリ、HDD容量などのPCスペックが向上し、また通信速度が上がったことで、できることが急激に増えていったといいます。

2000年代以降のDTMに多大な影響を与えた楽曲として、ヒャダインさんが4曲目に紹介してくれたのは、2009年にリリースされた『Perfume』の『ワンルーム・ディスコ』。
作詞・作曲・編曲は、プロデュースも行っている中田ヤスタカさん。中田さんは、作曲・編曲だけでなくミックス作業までもすべて自分でこなしてしまうのだとか。『Perfume』の大きな特徴でもあるオートチューンをボーカルに用いた技法は、当時とても斬新だったそう。また、楽曲の一つひとつの音が洗練されており、ヒャダインさんは「同じCubase使いなのになぜこんなにも違うのだろう」と嘆くこともあったといいます。中田さんの楽曲は、DTMだけに限らず、現代のJ-POP全体の歴史に影響を与えたとのことでした。

5曲目:supercell『メルト』

2000年代後半には、ニコニコ動画やYouTubeなどのプラットフォームの普及によって、メジャーシーン以外の場所でもDTMの名曲が生まれるようになります。

そんな時代背景を象徴する楽曲として5曲目に紹介してくれたのは、クリエイター集団『supercell』が2007年にニコニコ動画で発表した楽曲『メルト』。
こちらは音声合成ソフトの「初音ミク」をボーカルに使用した楽曲。この曲を走りとして、ボーカロイドを用いたDTMの文化が一気に加速していったといいます。「ボカロP」と呼ばれるクリエイターが生まれるきっかけになった楽曲でもあるだとか。
元々、ヒャダインさんもニコニコ動画へ楽曲を投稿していましたが、その頃から楽曲はすべて自分一人で制作していたそうです。

6曲目:宇多田ヒカル『二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎』

様々な分野でDTMでの楽曲制作が普及していくなか、アーティストが楽曲制作にDTMを取り入れることも当たり前になっているようです。

6曲目に紹介された、宇多田ヒカルさんの『二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎』も、DTMを取り入れて制作されているといいます。宇多田さんはかなり前からDTMを行っていたそうですが、DTMで打ち込みをするようになってから音楽が膨よかになったと、宇多田さんのお父様が雑誌のインタビューで話していたのだとか。
また、ヒャダインさんいわく、宇多田さんは音のセッティングが天才的とのこと。コード進行についても予測できない自由さがあり、誰かに任せることなく最初から最後まで自分で行うからでは、とヒャダインさんは推測していました。

7曲目:岡崎体育『ミュージックビデオ』

最後に紹介してくれたのは、DTMのメリットを体現しているアーティストである岡崎体育さんが2016年にリリースした『ミュージックビデオ』。岡崎さんは現在も京都の実家に住みながら活動を続けているそうで、DTMがあればどこにいても音楽を仕事にできるということを証明してくれている、とヒャダインさん。
実家で作ったたくさんの楽曲をもって、さいたまスーパーアリーナを満席にした岡崎さんに対して、今後の活動も非常に楽しみにしていると話していました。

DTMの普及によって、新たなジャンルの音楽が生まれたり、今までは実現しなかった音楽活動のスタイルが確立したりと、音楽業界に様々な変化がもたらされています。
PCをはじめ、ソフトやツールが進化するスピードも早くなっていくにつれて、新しいジャンルの音楽やクリエイターの出現がますます加速していくのではないでしょうか。

DTMで楽曲制作を行うクリエイターがさらに増え、これまでになかったアプローチや提案が行われることに期待が膨らみます!

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