GUEST SATORU KOSAKI 神前 暁

SPECIAL TALK スペシャルトーク

GUEST SATORU KOSAKI

神前暁 × ヒャダイン 音楽制作集団『MONACA』に所属する
アニメソング界のパイオニア、
神前暁のDTMに迫る!

『DAIV TO MUSIC』七組目のゲストは、音楽制作集団『MONACA』に所属し、作曲・編曲・プロデュースを行っている神前暁さん!
アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の挿入歌『God knows...』や「らき☆すた」のオープニング主題歌『もってけ!セーラーふく』、映画「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」の主題歌『M@STERPIECE』など、アニメファンなら誰もが知る楽曲を数多く手掛けられています。

神前さんとヒャダインさんは京都大学の先輩後輩。ヒャダインさんは神前さんのことを「先輩(パイセン)」、神前さんはヒャダインさんを「後輩」と呼び合っていました。同じ大学出身ならではのお話も弾んだ『DAIV TO MUSIC』の収録の様子をお届けします!

神前 暁 SATORU KOSAKI

大阪府出身。京都大学工学部情報工学科卒業。
株式会社ナムコ(現バンダイナムコスタジオ)を経て、 2005年秋よりモナカへ参加。
ポップでキャッチーなボーカル曲・劇伴を得意とする。仕事に対するモットーは、アイデアとクオリティーを大切にすること。趣味は料理・お酒・ドライブ。特技は睡眠とテトリス。

1.作曲をはじめたきっかけ

神前さんは、3歳の頃にピアノとエレクトーンをはじめ、中学校で吹奏楽部に入部してからはトランペットも演奏されるようになりました。その後、大学生になるまでは楽器を演奏するだけで作曲を行うことはありませんでしたが、京都大学の作曲サークル「吉田音楽製作所」(通称「きっちょん」)に入ったことで楽曲制作を行うようになります。というのも、「きっちょん」は普通の軽音サークルとは違い、楽曲のコピーが禁止でオリジナル楽曲以外演奏してはいけなかったからとのこと。そこで神前さんは作曲方法や機材の使い方を教わりながら楽曲の制作を行い、その楽しさにハマっていったといいます。
同じく京都大学出身のヒャダインさんは、「きっちょん」は理系の人が多くてレベルが高いイメージを持っていたそうで「あのサークル入りづらい雰囲気がハンパじゃなかった〜(笑)」と少し悔しそうに話していました(笑)。

2.DTMを行う際に求めるPCスペック

神前さんは大学卒業後、株式会社ナムコ(現バンダイナムコスタジオ)に入社します。ナムコに在籍していた頃、音楽用途のPCを社内に導入するために大量のPCを組み立てていたそうで、その経験からご自身でも自作したデスクトップPCを使用されているそうです。
自作やカスタマイズPCのメリットとしては、音楽用途であればビデオカード(グラフィックスカード)はあまり意識しなくてもいいけれど、レーテンシー(MIDI入力と実際に出力される音のディレイなど)を下げるためにサウンドカード(サウンドボード)は良いものを積むなど、用途に特化したPCが作れるところと、具体的に話してくれました。 これまで出演いただいたゲストの方にも自作PCを使用されている方が多かったので、楽曲制作を行う上でPCをカスタマイズする必要性は大きいのかもしれません。

※神前さんが現在使用されている主な機材は下記。

  • Cubase Pro(DAWソフト)
  • Native Instruments Komplete、Synthogy Ivory、
    Spectrasonics Omnishpere、Music Lab Realシリーズ、
    Waves、Universal Audio等(プラグイン)
  • RME Fireface UCX(オーディオインターフェイス)
  • studiologic numacompact(キーボード)
  • AKG K702 65th anniversary edition(ヘッドフォン)
  • ADAM A7X(スピーカー)
  • GRACE design m903(モニターコントローラー)

3.今紹介したい楽曲

神前さんは、3曲すべてを「サンプリングコラージュやオーディオエディットがヤバイ2000年代の邦楽」というDTMならではのテーマで選んできてくれました!
まず1曲目に紹介してくれたのは、『Plus-Tech Squeeze Box』の『Dough-nut's Town's Map』。ほとんどサンプリング音源で作られていて、音の数もかなり多く濁りがちなコラージュをここまでキャッチーにまとめ上げていることがすごいとのこと。この作曲者は天才的に耳が良いんだと思いますと、神前さん。
2曲目に紹介してくれたのは、コラージュ的な手法をJ-POPのメインストリームで取り入れた『CHEMISTRY meets m-flo』の『Now or Never』。瞬間的に入ってきて消える音など、細かい部分にセンスの良さが表れているのだそう。こちらの曲も含め、2000年代のJ-POPは音楽的に面白い部分が多いとも話していました。
3曲目は、大沢伸一さんのプロジェクト『MONDO GROSSO』の『BLZ』。エディットされた打ち込みのギターがベースにあるものの、肉体的な音楽になっているところが魅力的だといいます。それは歌とベースの人間っぽさと、打ち込みのリズムが有機的に融合しているからなのだとか。

4.今回制作いただいたジングルについて

『DAIV TO MUSIC』のメインコンテンツとなるジングル制作のコーナー『DAIV MUSIC STUDIO』。
ヒャダインさんが制作したベースとなるジングルに、各ゲストの方がアレンジを加えてジングルを完成させるというもの。ベースとなるジングルは4パターンあり、ゲストの方が好きなものを選択しアレンジを加えます。
神前さんは普段から、その曲ならではのフックを必ず入れるようにしているということで、今回もベースジングルから印象も変えつつ、強く耳に残るアレンジを加えてくれました!
ちなみに、制作してくれた2つのジングルのうち1つはブラスの音が入っているのですが、神前さんは息を吹くことで音の強弱などをつけられるブレスコントローラーを使用されているそうです。より生っぽい音になるということで、ヒャダインさんも「そんなやり方があるんですね!」と驚いていました。

ヒャダインさんでさえ知らない制作手法のお話も合わせ、神前さんがアレンジを加えた貴重なジングルを動画上でぜひチェックしてみてください!

5.神前さんにとって『DTM』とは

「『DTM』とは」という質問に、「魔法の包丁」と答えてくれた神前さん。DTMは、料理人における「包丁」のように、一番身近なツールとして存在していること。また、ギターの弾けない自分でもギターのメロディをつくることができ、オーケストラの演奏でさえ打ち込みで形にできる。それが「魔法」のようだからと、回答の意図を話してくれました。

アニメソング界を牽引し続ける神前さんが、今後またどのような驚きを世の中に与えてくれるのか、楽しみでなりません!