“かわいい”日本代表は、
マウスから生まれる。

━ パンパカパンツが人気を博しています。その理由を教えてください。

尾立2008年から静岡放送で１分の歌ものコンテンツとしてスタートしましたが、今の人気のきっかけはLINEスタンプです。そもそもFlashアニメをベースにしているので、特に「動くスタンプ」への移行は想像以上にスムーズでした。

株式会社ディー・エル・イー
キャラクターコンテンツ事業部
プロデューサー
尾立 絵利子 氏

━ 動くスタンプはFlashアニメに通じるものがあるのでしょうか。

尾立もちろん「20枚以上のコマ数は使えない」といった制約はあるのですが、制約がべんぴねこ監督のやる気に火をつけるので（笑）。

べんぴねこ元々Flashアニメを通じて、いかに少ない枚数でかわいくおもしろく見せるかにこだわっているので、制約自体はアニメーターの腕の見せ所だと思うんです。特に、動きに関して、我々は日本的なかわいさの表現には自信があります。一方、音ですが、たとえば「しゃべるLINEスタンプ」ではパンパカくんならではのかわいさや、思わず使いたくなる感覚を追求しました。そうしたら、LINEで知ってグッズを買ってくれる人が現れ、急にボンっとターゲットが広がったんです。今では10〜40代まで幅広い人に人気があります。

━ 海外で人気を博した理由はなんですか。

べんぴねこ国や地域ごとにキャラクターの性格を変えるようなことはしていませんが、例えば「パンパカパンツ」というタイトルは、台湾なら台湾、韓国なら韓国で、「パンパンクーチュー」とか、「パンバラパンチュ」とか、日本で追求しているおもしろさがわかりやすく伝わるようになっています。

尾立「しゃべるLINEスタンプ」は、日本語、中国語、英語、タイ語、インドネシア語の５カ国語で販売しましたが、どれも軒並み１位、２位を取るほど好評でした。

べんぴねこ「パンパカくんでどこの国の子供も笑わしたるぞ」という気持ちは強いです。これからはアニメ作品として海外にもっと広く大きく展開していけたらと思っています。

━ パンパカパンツの制作において、使用するPCにこだわりはあるのでしょうか。

べんぴんこFlashアニメだと、一見、高スペックなPCは必要ないと思われがちですが、実はAdobe Creative Cloudのソフトウェアを同時に幾つも開いて使用しているんです。特に、「ちょっと怖そう」とか「すごい迫力がある感じ」とか、Flashだけでは出し切れないニュアンスの表現ですね。Flashから書き出したパーツをPhotoshopで読み込んで加工し、それをレイヤーごとに全部書き出してAfter Effectsに並べて順番に動かしながら、さらにFlashに戻って足りないパーツをつけたしてとか…。結構な数のソフトウェアをパッと使ってサッと戻って、シームレスに行き来しながら、個人の感覚に基づきかなり煩雑な作業を繰り返すことで、ディテールを積み上げていく必要があるんです。５〜６つのソフトウェアを一度にストレスなく使え、メモリもそうですが、安定感のあるPCでなければ作業が止まってしまいます。

株式会社ディー・エル・イー
スタジオ部
ディレクター
べんぴねこ 氏

━ 約１年前にMouseProを導入されましたが、そのきっかけを教えてください。

べんぴんこ2015年４月から「パンパカパンツ」のストーリーアニメをオンエアしているんですが、１話分のファイルをつくるのに結構重いファイルになってしまい、それまで使っていたPCで「Flashが固まった」とか「After Effectsがレンダリングできない」など、不具合が起きるようになったんです。

山脇最も重視したのは、制作に携わるクリエイターが快適にアプリケーションを使える環境です。もちろん、コストも意識しています。他社製品と比べて、同じことをやろうとしたときにコストが安かったため、価格と機能のバランスでMouseProを選定しました。

━ メモリ、ストレージやグラフィックスなどをカスタマイズされています。

山脇制作現場のクリエイターに、一律に「これを使って」と押し付けるのではなく、ニーズを聞き、各々にカスタマイズしたPC導入をめざしました。

べんぴねこたとえば描くプロフェッショナルは描くところに特化していれば、わりとマシンスペックは高くなくてもいいわけですが、弊社のクリエイターは幅広い領域の仕事をカバーすることが求められているので…。

山脇べんぴねこ監督のように、シナリオから絵コンテ、アニメーションを作り、音声まで自分で吹き込むといった役割が多い人は、使用するソフトも増えます。そのため制作標準機のメモリ16GBではなく32GBへ、システムと加工データ領域をHDDから500GBのSSDにし、グラフィックスもNVIDIA Quadro K2200を実装し、最適なカスタマイズを行えるのも魅力でした。