FOR NEXT CREATORS

マンガのためだから、
全部楽しかった。
練習も、勉強も、
PCも、Twitterも。

TINA YAMASHINA
ILLUSTRATOR / MANGA ARTIST

山科ティナ
イラストレーター/Web漫画家

山科ティナさんの写真

WEBを中心に活動する若手マンガ家、山科ティナさん。中学生の頃から本格的にマンガを描きはじめ、16歳のときに別冊マーガレットに読み切りのマンガが掲載されデビュー。大学入学後、Twitterに投稿したマンガ「アルファベット乳」が話題となり、現在若い世代から急速に支持を集めています。そんな山科ティナさんに、マンガ家になるまでの経緯や、マンガに対する情熱を語っていただきました。また、DAIVでの作品制作を体験してもらい、作品とともにメイキングムービーで実際の制作工程を紹介します。

シェア・オフィスロマンス 山科ティナ 作品を見る

言葉がわからない教室で、ずっと絵を描き続けた

子どもの頃から今まで、ずっと絵を描いてます。私、9歳まで中国に住んでたんですが、当時はマンガがあんまり普及してなくて。でも日本のアニメはたくさん放映されていて、ジャンルを問わず夢中になって観てたんです。その頃にはもう、アニメキャラクターの絵を描いてました。
日本に来たばかりのときは言葉が全然わからなかったので、小学校では授業中も休み時間もずっと絵を描いて過ごしてました。絵を描くくらいしかできることがなかったから(笑)。先生も、日本に来てまだ間もないから仕方ないって大目に見てくれて。
6年生くらいだったかな、普通に日本語が読めるようになってからはマンガも読みはじめました。アニメと一緒で、マンガの絵もたくさん描きましたね。

インタビューを受ける山科ティナさんの写真

独学でもマンガは描ける

中学2年生の頃に別冊マーガレットにハマって、なかでも投稿コーナーをよく読んでました。マンガを描くために必要な道具だったり、マンガの描き方だったりを知ったのも投稿コーナーです。自分も投稿するために必死で勉強してたんですよ。投稿コーナーのページを切り抜いて、メモを書き込んだり、蛍光ペンを引いたり……。本当に学校の勉強みたいですよね(笑)。
絵は何かをマネして描くのが一番上達するんですが、ストーリーの部分とか構図の見せ方なんかはそうはいかなくて。その点、投稿コーナーは投稿者のマンガに編集者さんやプロのマンガ家さんがコメントしていて、それがすごく参考になるんです。
編集さんから直接アドバイスをもらえるようになった今でも、投稿コーナーを見て、こういうポイント忘れてたなとか、気付かされることも多かったりします。あと、最近では「荒木飛呂彦の漫画術」や、小池一夫先生のキャラクター論の本など、尊敬する作家さんが書いたマンガ指南書を読んだりもしていて。そういう本から学ぶことも多いですし、マンガは独学でも十分勉強できるんじゃないかなと思いますね。

ネームの写真

16歳でデビューした、新人マンガ家の迷い

中学3年生のとき、少年ジャンプの「バクマン」っていうマンガに衝撃を受けて、賞に応募するためのマンガを描きはじめました。「バクマン」は、15歳の主人公がマンガ家を目指して奮闘するストーリーなんですが、主人公が同い年ということもあって自分と重なる部分も多くて、読んだらもう「とにかく描かなきゃ!」って。高校受験が終わってからも描き続けていて、高一の夏休みに描いたマンガで賞をいただいて、別冊マーガレットに読み切りのマンガが載りました。
その後も編集部の読み切りコンペ※1に出し続けて、もう一作品掲載されました。それでも、卒業してからの進路はすごく悩んでたんです。卒業してすぐにマンガ家の道一本に集中するのかとか、大学で心理学や文学を勉強したほうがマンガの役に立つんじゃないかとか。
でも、やっぱり自分が一番熱中して頑張れるのは絵を描くことだと思って、それを本気で学べる環境を探しました。そのために1年浪人をして、東京藝術大学に入学しました。

※1 読み切りコンペ:〆切までに提出された原稿・ネームを編集部で読み、作品について話し合い、掲載などを決める会議のこと

山科ティナさんの写真

PCと出会って、マンガの新しい描き方を知った

大学に入ってから、マンガを描くのにPCを使うようになりました。下書きからペン入れまではアナログで、みたいに使い分けてるんですけどね。ずっと自分のPCが欲しかったので、買ってもらったときはすごくワクワクしましたね。そのあとすぐにWacomのペンタブを買いました。はじめは慣れなかったんですが、アナログのつけペン※2と同じように、練習するうちに思ったとおりの線が描けるようになりました。
PCで描くときは、クリップスタジオ(CLIP STUDIO PAINT)という編集ソフトを使っています。コマ割りとかトーン(スクリーントーン)とか、マンガでよく使われる効果が最初から入っていて便利なんです。ポチって押すだけで色を塗れたり、トーンを貼ったりできるので、アナログより全然早いですね。ミスの修正にも差が出ます。アナログはちょっとインクをこぼすだけで描き直しになっちゃうんですが、PCだとワンクリックで直せるので、作業時間がかなり短縮されるようになりました。
あと、PCなら外で描いていても恥ずかしくないんですよね。アナログだと原稿用紙を全部広げないといけないので周りの人に見られたり、学校だと友達が集まってきちゃったりして、目立っちゃうので(笑)。

※2 つけペン:インクをつけて線を描くペンでマンガなどを描く際に使われる

PCでの制作風景の写真

表現方法の幅が広がると、マンガはもっと面白くなる

PCだからこそできることもあります。ひとつは光をキレイに表現することです。アナログは明るい部分を白いまま残して、暗い色を足していくのがメインで、後から光をたそうと思うと、最後にホワイトを入れることくらいしかできないんです。PCなら、上から発光レイヤーを入れてパッと明るくしたり、逆光をフワっと入れられたりするので、光の表現方法が増えますね。
3DCGもすごく便利。クリップスタジオでは、学校の机や車なんかの3DCGをフリー素材としてダウンロードできるんです。マンガってコマによってアングルが変わるじゃないですか。例えば、一つのコマで車を描いて、次のコマで別のアングルから見た車を描くと形が違ってしまったりすることもあって。3Dだと描きたい角度にくるっと回して、それを自分の線でトレースできるので形が狂わないんです。自転車とか複雑な形のものは助かりますね。

作品が映ったPC画面の写真

描くスピードにちゃんとついてきてくれるPCを

PCで作業するとき、容量が大きい絵やレイヤーをたくさん重ねた絵だと、ちょっと拡大したり保存したりするだけでカーソルがくるくる回っちゃうことがあります。ソフトが落ちちゃうんじゃないかってヒヤヒヤしてたんですが、今回使ったDAIVのPCはそれが全然なかったので驚きました。スペックが高いPCだと、処理速度がこんなに違うんですね。動作がスムーズでストレスなく描くことができました。
あと、外に持ち運んで作業することを考えて、重さも結構気にするんですが、このPC大きくてがっしりしてる割りに、意外と軽くて持ち運びも楽そうですね。

DAIVを持つ山科ティナさんの写真

自分に向いているマンガは、Twitterが教えてくれた

Twitterにマンガを投稿しはじめたときって、自分にはどんな作風が合うのかがわからなくなってた時期だったんです。いろんな絵柄や内容を試してみようと思って描いたのが「アルファベット乳 ※3」というシリーズです。あるある系だったり、胸キュン系だったり、いろいろ描いたなかでも一番反響があったのが、石原さとみさんをモデルにした胸キュン系のもので。別冊マーガレットでずっと恋愛マンガを読んできたこともあって、やっぱり胸キュン系が向いているのかなって。
その後たまたま、「アドカレ(アドベントカレンダー)」というリレーブログの企画が回ってきて、さえりさんが綾野剛さんをイメージして書いた妄想をマンガ化したんです。その記事の反響がすごく大きくて、リプライだけじゃなくDMで感想が届くほどで。そういうタイミングの良さもあって、胸キュン系の恋愛マンガを中心に描いていく自信が付きました。

※3 アルファベット乳:山科さんがA〜Zカップの女性一人ひとりをテーマに、4枚のスライドで描いたマンガ。下の作品が、最も反響のあった石原さとみさんをイメージして描いたもの。

過去作品『アルファベット乳』

考えていたのは、どうすれば自分を見つけてもらえるか

昔はマンガ家になるには出版社に直接持ち込むか、雑誌に投稿するくらいしかなかったと思うんですが、今は編集者さんから声をかけてもらうチャンスがあります。例えば、Twitterでバズったり、フォロワーを増やしたりして目をつけてもらうとか。コミティアみたいなイベントで、自分の描いた同人誌や、オリジナルの作品を発表して声をかけてもらうとか。私の場合は、Twitterでの投稿から書籍のお話やマンガを描くお仕事をいただくようになりました。Twitterを自分を見つけてもらうツールとして活用するために、バズっているマンガをたくさん見て理由を考えたり、バズった経験のある人に話を聞きに行ったり、投稿を続けながら色々研究しましたね。
持ち込みや投稿だと編集者さんがランダムに選ばれることがほとんどですが、編集者さん側から声をかけてもらうと、そもそも好みが合う人に担当してもらえる可能性が高いんです。マンガに対する考えが近い人と一緒に作品をつくっていけるので、伸び伸びと成長していけるんじゃないかなと思っています。

山科ティナさんの写真

願望や妄想をマンガの中で実現する楽しさ

今回描かせてもらったマンガには「クリエイター同士の恋」というテーマがあって、クリエイターの出会う場所としてシェアオフィスを舞台にしました。私、シェアオフィスに行ったことがなくて、自分が行ってみたいからっていう理由もあります(笑)。マンガを描くときは、自分の願望とか妄想からストーリーを膨らませることも多いんです。意図しなくても、結局自分の心境や経験が無意識ににじみ出ているんだと思います。描いた男性キャラが、片想いしている人に似てて恥ずかしくなったりして(笑)。今回のマンガは、行ってみたいシェアオフィスにイケメンの店員さんがいたら通っちゃうかも、みたいな妄想を膨らませながら描きました。

山科ティナさんの写真

マンガ連載という目標はずっと変わらない

今回もそうなんですが、私はストーリーやシチュエーションから考えることが多いんです。でも、マンガにはキャラクターから考えてストーリーをつくっていくやり方も主流にあって、そういう描き方に挑戦してみたいなと思っています。今までSNS向けに描いてきたものは、キャラクターよりもシチュエーションとかエピソード重視の短編マンガなので。キャラクターを立てないからこそ、見た人が自分のこととして感情移入しやすいんですよね。
でも、ずっと連載マンガを読んできたこともあって、一人のキャラクターを長く描いてみたいという気持ちも強くて。だから、次は今までより長めな連載もののマンガに挑戦したいです。連載の中でキャラクターが生き生きと成長していくような、そんなマンガを描いていきたいですね。

『シェア・オフィスロマンス』マンガ制作メイキングムービー

山科ティナさんの写真

TINA YAMASHINA
ILLUSTRATOR / MANGA ARTIST

1995年生まれ。2歳までアメリカ、9歳まで中国で育つ。16歳のときに集英社別冊マーガレットにてMANGAGP 佳作を受賞し、マンガ家としてデビュー。多摩美術大学での一年の浪人を経て、2016年4月東京藝術大学に入学。大学入学後からWEB上にマンガやイラストを投稿しはじめ、「アルファベット乳」で人気が急上昇。現在媒体に限らずマンガやイラストを制作し、"新しいコンテンツマンガ家"として活動中。

Twitter    Instagram

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※ 山科さんが使用している旧モデルの後継機種となります。