テンポの良い作業から
新たなアイディアが生まれる

株式会社アマナ
VRクリエイター / ドローンオペレーター(JUIDA講師)
宮内 和義さん

広告のビジュアル制作などを手がけるアマナには、新たなツールを用いて映像表現を探っていくチームがある。そこに所属する宮内和義さんは、現在、VR(バーチャルリアリティ)動画の新たな表現に挑んでいる。その過程でぶつかったのが、編集に使うパソコンの問題。宮内さんの経験とクリエイター向けのデスクトップマシン「DAIV-D」シリーズを通して、これからの映像表現に必要なパソコンを考える。

最先端の映像データをスムーズに処理できる高性能マシン

――― アクションカムやドローンなどの登場によって、いま映像の世界では新たな表現方法が続々と生まれている。そんな中で360°のパノラマ映像を使ったVR動画の新しい表現に挑戦しているのが、空撮動画やパノラマ動画を手がける「airvision」の宮内和義さんだ。現在、マウスコンピューターのHPで公開している動画「DAIV × amana プロモーションムービー第一弾」では、渋谷を舞台にした斬新なVR動画の撮影工程などを宮内さんが説明している。

宮内 「この映像は1年くらい前から作っていて、VRの実写で何か新しい表現ができるんじゃないかと実験しながら制作したものです。撮影ではドローンとアクションカムを使って、渋谷の街並みを撮影しています。当時はこの撮影手法も認知されていない状況で、とにかく新しいものを作りたいと思って衝動的に撮った感じですね」

――― ここまでは現在のVR動画の世界ではそれほど珍しい手法ではないが、宮内さんがチャレンジしたのが、素材を複雑に組み合わせてエフェクトを加えた表現。単に風景を撮影したり3DCGで描いたりするだけではない、"その先にある"VR動画を模索した。

宮内 「今回は単純にレイヤーをどんどん増やしていく感じでエフェクトを加えました。同じ街中の景色で24時間分の素材を撮影し、部分的に時間軸をずらしながら合成していくわけです。例えば、あるビルは早朝の光を受けた状態、別のビルは昼の光を受けた状態を同時に見せたり、道路を歩いている人はスローモーションにしたり、空はタイムラプスで動きのある映像にしたりと、いろいろな要素をギュッと詰め込んでいます。VR実写映像に持ち込める要素を全部詰め込みたいと思ったんです」

――― 宮内さんが現在所属している「airvision」は、広告ビジュアルなどを手がけるプロダクション「アマナ」の中に設立された新しい部門で、ドローン空撮などを手がける一方で、様々なツールを駆使した新たな映像表現も探求している。今回のVR動画は、その一環で制作された作品なのだ。

宮内 「この部署では実務と並行して、いろいろな新しい表現を探ったり、作品を作ったりしています。メーカーにおけるR&Dのような感じですね。私は元々は写真撮影の業務に就いていたんですが、この部門の立ち上げの際に参加しました。そこでドローンを飛ばしてフィールドワークを重ねる中でVRという表現と出会って『これにドローンを組み合わせて映像を作ってみよう』と思い始めたんです。そのうちに単純にVRという表現そのものの面白さや可能性を感じるようになっていきました」

中断していた編集作業を前に進めた「DAIV」

――― 今回、宮内さんが制作したVR動画の編集には、マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」が使われている。実はこのマシンが導入されたのは編集作業の途中からで、当初は別のパソコンを使用していた。

宮内 「最初はノートパソコンを使って作業していました。でも、そのノートパソコンはグラフィックボードが弱かったりストレージの拡張性が不足したりと、いろいろな面でスペックが足りていませんでした。実は元の素材のデータが1.5TBくらいあって、最初のデータ整理の段階でもう作業がストップしてしまったんです」

――― 素材となる映像の撮影では、アクションカム6台を搭載したドローンを使い、渋谷の街並みを隅々まで記録。1台で360°の映像を撮影できるカメラも登場しているが、解像度がそれほど高くないのでこの手法を採用したという。ただ、その分、データサイズが膨大になり、最初にパノラマ動画を作成する作業でもかなり手間がかかった。

宮内 「高解像度のVR動画の編集には、まずkolorの『Autopano Video』や『Autopano Giga』というアプリケーションを使って、映像をつなぎ合わせる"スティッチ"をしていきます。パノラマ動画を作る際には、単に映像をつなぎ合わせるだけでなくて、つなぎ目の細かな微調整が必要になります。静止画の場合は比較的簡単に繋ぎ合わせられるのですが、動画の場合はそのまま繋げるとカメラ間の視差のズレが目立ちやすく、映像が破綻してしまうんです。でも当時のパソコンのスペックだと、このスティッチ処理を少し行うだけで丸1日かかるような状態で、通常業務の合間を縫いながらの作業は到底無理でした」 

――― その後、社内にあるデスクトップマシンを使って作業の継続を試みた。ストレージを増設して何とか処理を続けたが、ハード的な要因で断念することに。撮影した素材を寝かせておく状況が続く中で、アマナが監修に携わった「DAIV」シリーズの話が耳に入り、体験することとなった。

宮内 「『DAIV』を使ってみると、パノラマの映像を作る時もその後の編集作業でも、以前のパソコンとはかなりの違いを感じました。高性能なグラフィックボードを積めるので、特に動画編集やエフェクトを加える『Adobe Premiere』や『Adobe After Effects』での操作はすごくスムーズでしたね」

――― 編集作業の途中で映像をプレビューする際には、特にスピードの違いを実感できたという。その速さは作業効率を高めるだけでなく、多彩な表現を考える上でも役に立った。

宮内 「本当にプレビューがスムーズに動いてくれました。それまでは4K解像度の映像にエフェクトをいくつか加えるとプレビューがカクカクして、実際の動きがよくわからなかったので、毎回レンダリングしてその度に1,2時間待って…ということを繰り返していたんです。このマシンだとエフェクトを加えてある程度形になった映像をスムーズにプレビューできるので、『こう見えるなら、今度はこのエフェクトを加えてみよう』といった、次のステップをイメージしやすくなりましたね」

――― 実は「DAIV」は宮内さんにとって「学生の頃以来」という、久しぶりに触れるWindowsマシンだった。しかし、操作やインターフェイスなどで戸惑うこともなく、比較的スムーズに作業を進められたそうだ。

宮内 「今回、作業環境が途中でWindowsに変わったのですが、意外に簡単に慣れましたね。作業に使うソフトは基本的に共通ですし、インターフェイスも同じです。動画のデータを移行する際のコーデックを決めてしまえば特に問題はなかったですね」

テンポの良い作業から新たなアイデアが生まれる

――― 現在、宮内さんは新たな表現を模索して作品作りを進める一方で、企業などの依頼を受けてドローン空撮やパノラマ映像の制作にも携わっている。その中でVR動画のニーズが着実に高まっていることを感じている。イメージしやすいのは3DCGのゲームだが、実写を使ったVR動画も少しずつ増え始めているそうだ。

宮内 「例えば、テーマパークの様子を空から俯瞰する形で見れるようなものもあります。そういう意味ではドローンとVRは相性がいいんですよね。同じようにこれからは撮影ツール同士の特徴を融合させた映像表現も出てきていると思います。その観点から言えば、編集ソフトの種類が多いWindowsマシンは、これからもっと便利になりそうですね。ツール同士、そして多彩な編集技術と、いろいろな組み合わせで表現が広がると思います」

――― この1、2年でVR動画視聴用のヘッドマウントディスプレイが続々と登場。スマートフォンを利用して、手軽にVR視聴を実現する動きも見られる。さらに1台で高解像度のパノラマ動画が撮れるカメラが現れれば、VR動画を作る環境も一般の人にとってより身近になっていくだろう。

宮内 「数年前にデジタル一眼レフで動画を撮れるようになったことが、凝った映像表現を身近なものにしてくれるきっかけとなったと思います。その後、アクションカムやドローンも登場し、一般の人でも多彩な撮影ができるようなりました。VRももっと広がっていくと思いますが、だからこそ私はただ撮るだけでなくその先の映像表現を追求していきたいですね」

――― その新しい映像表現の追求には、やはりパソコンが欠かせない。撮影したデータを処理し、編集やエフェクトを加えてはじめて作品が生まれるわけだが、宮内さんは表現のアイデアを膨らます際にもパソコンの存在が必要だと考える。

宮内 「私はパソコンに向かって手を動かしている時の方が、頭の中でアイデアが回っている感覚があります。何も見ずに想像でアイデアを膨らますこともできますが、実際にプレビューを見ているときとはやはり違いますね。特に僕は1人で作業することが多くて、誰かと相談しながら進めていくわけじゃないので、動く映像を見ながら手を動かしてアイデアを次の形に具現化していくことが大事だと思っています」

――― もちろんそこで使われるパソコンが十分な性能を備えていることも重要だ。今回、宮内さんが制作したVR動画は、当初使っていたモデルでは実現し得なかったもの。「DAIV」のようなハイスペックマシンが、新しいアイデアを見つけるためのパワーにもなるのだ。

宮内 「何か面白い映像を作りたいと思った時に、実際に動く様子を見ながらアイデアを膨らましていくことは本当に多いんです。そのアイデアの幅を狭めないためにも、編集や再生には高性能なパソコンを使いたいですね。何よりその方が映像作成の作業が楽しくなると思います!」

株式会社アマナ
VRクリエイター / ドローンオペレーター(JUIDA講師)

宮内 和義さん

2010年、筑波大学卒業後に、広告ビジュアルなどの制作を手がける大手プロダクション、アマナに入社。フォトグラファーのアシスタントとして、写真撮影の現場を経験する。2013年に空撮動画やパノラマ動画などを手がける「airvision」の設立と同時に参加。現在はドローン空撮オペレーターとして様々な映画やCM作成に携わる。

amana 
http://amana.jp/

DAIV-D シリーズ

広告グラフィックの多くを制作するプロダクション「株式会社アマナ」の協力を受け、最前線で活躍するクリエイターの意見を参考に写真や動画、イラスト、3DCGなどの使用に向いたクリエイター向けパソコン。Windows 10、インテル® Core™ i7-5820K、32GBメモリ、240GB SSD、Quadro M4000を搭載したDAIV-DGXシリーズを試用していただいた。

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「編集した動画のプレビューがスムーズだと、細かな動きなどをストレスなく確認できます。イメージどおりに動いてくれると、その先の新しいアイデアが次々と浮かんできます」(宮内さん)